石ころ

待てる信仰(出エジプト32章)

 

 

民はモーセが山から一向に下りて来ようとしないのを見て、アロンのもとに集まり、彼に言った。「さあ、われわれに先立って行く神々を、われわれのために造ってほしい。われわれをエジプトの地から導き上った、あのモーセという者がどうなったのか、分からないから。(1)

 

彼らはあれほどの奇跡を経験しても、神もモーセも信頼してはいなかったことがわかる。人はすぐに忘れるものであり、奇跡や経験だけで神を知ることは出来ないと分かる。
モーセが彼らと違うのは、神のことばを聴き続けていたからである。

 

それでアロンは彼らに言った。「あなたがたの妻や、息子、娘たちの耳にある金の耳輪を外して、私のところに持って来なさい。」
民はみな、その耳にある金の耳輪を外して、アロンのところに持って来た。(2~3)

 

神の神殿に捧げられるべきものを、偶像に捧げて彼らは不信仰を現わした。
アロンはモーセの不信仰から出た者であった。神はモーセを召されたが、彼が恐れて即座に従わなかったので、神が忍耐してアロンを準備されたのである。神の忍耐は続くことになる。

 

彼はそれを彼らの手から受け取ると、のみで鋳型を造り、それを鋳物の子牛にした。彼らは言った。「イスラエルよ、これがあなたをエジプトの地から導き上った、あなたの神々だ。」
アロンはこれを見て、その前に祭壇を築いた。そして、アロンは呼びかけて言った。「明日は主への祭りである。」(4~5)

 

よくもこれでアロンが死ななかったことだ。それはモーセの必要のゆえであろう。私たちの命の日々も神の忍耐のうちにあって、誰かのために生かされている。

たまわっている命の日々を「その方のために全うさせてください」と主の助けを求めて祈り続け、モーセに倣って、主との絶えざるお交わりのうちに生きる者である。

 

主はモーセに言われた。「さあ、下りて行け。あなたがエジプトの地から連れ上ったあなたの民は、堕落してしまった。
彼らは早くも、わたしが彼らに命じた道から外れてしまった。彼らは自分たちのために鋳物の子牛を造り、それを伏し拝み、それにいけにえを献げ、『イスラエルよ、これがあなたをエジプトの地から導き上った、あなたの神々だ』と言っている。」(7~8)

 

人には天地創造の神を見ることは出来ず、日々の恵みはすぐに忘れてしまう。それゆえ見えない神を思い出すことよりも、子牛であろうと、狐や狸であろうと、目に神々しく見える像を作って縋り付こうとする。

 

しかし私たちにはみことばがあり、聖霊に力づけられて信仰によって生きているなら、彼らのように躓くことはない。神の臨在を見るのは、信頼に拠って待ち望んだみことばの約束が成就する時である。

 

主はまた、モーセに言われた。「わたしはこの民を見た。これは実に、うなじを固くする民だ。
今は、わたしに任せよ。わたしの怒りが彼らに向かって燃え上がり、わたしが彼らを絶ち滅ぼすためだ。しかし、わたしはあなたを大いなる国民とする。」(9~10)

 

イスラエルの民はこのとき、あれほどの奇跡を経験した神の存在を否定した。金の子牛を神と告白して誓いを破ったのである。神も彼らへの約束を無かったことにするのは当然であろう。

しかし今も、人には絶えず神を否定する状況が目の前に現れる。この世を支配しているものがサタンであり、あらゆる問題を並べ立てて、信仰に絶え間なく攻撃を仕掛け脅迫しているのである。

 

世には信仰の戦いがあるが、信仰を捧げることが出来るのはこの世でいる間だけである。神の国の完全な満たしにあっては、捧げるものはないのだ。

人が捧げものをすることが出来るのは、不足の中にいる今だけである。貧しい愛の中で愛することを選んで捧げものとなり、お金の不安の中で献金をしてイエスにほめられるのであり、弱さの中で、権力に従うよりもみことばに従って捧げものとなる。

 

主を待つことは諸々の死を通ることである。静まって待つことがいのちを左右すると、この箇所から学ぶことが出来る。それは、何も持たない無学で貧しい者であっても、子どもでもできる最高の捧げものであり、神の祝福を受け取るための必須条件である。

 

キリストは私たちの罪を身代わりに負って、十字架でいのちへの道を開いてくださった。しかし神が人に与えた自由を奪って、信仰を押し付けることは出来ないのである。神を自分の意思で信頼することがなければ、誰であっても救われないのだ。

それゆえ神は、その信仰によって無条件に永遠のいのちをプレゼントしてくださった。その信仰は良い時も悪い時も、嵐の中ででも主を待てる平安に成長して行くものである。


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