今回はバラトン湖界隈で、最も美しい地域であるカーリ盆地 (Káli-medence)を、最も
素晴らしい時期に、今まで行きそびれて古城遺跡を2カ所訪ねてみたいと思った。
大昔の火山活動により隆起した奇妙な形をした山々に囲まれた盆地には多くのハイカーで溢れる。
チョバーンツ (Csobánc) 山頂375mより南方角を眺めるとカーリ盆地が広がる。
May 20 2018
<ロケーション>
1.チョバーンツ城跡 (Csobánc vár)
城は1250年~1270年に、麓の村に住む貴族Rátoti Gyulaffyによってモンゴル軍の侵略から
防ぐ為に建てられた。 その後、1562年のトルコ軍の攻撃には持ちこたえたが、オーストリア
帝国との戦いにおいて破壊され、廃墟となってしまった。
山頂の城までは1時間弱の山登りである。 May 20 2018
大勢のハイカーにより道は踏み固められている為、厳しさは感じられない。
<城塞のイラスト図>
山頂の城塞跡
山頂の城塞敷地
麓の村ギュラケシ (Gyulakeszi) と聖ジョールジ山 (Szt. Győrgy-hegy) 、標高415m。
富士山の形に似たグラーチ山 (Gulács 393m) と背後にはバダチョニ山とバラトン湖
シグリゲット山(Szigliget 242m) の城塞も見ることが可能である。
北方角を眺めるとディセル (Diszel) の村と翌日訪問のヘジェシ (Hegyesd)山を望める。
2.ヘジェシ (Hegyesd) 城跡
1282年に建てられ、1562年にトルコ軍によって破壊された。 現在は石垣がほんの少し
残っているだけで城の形跡が判らないほど復旧はされていない。
麓から頂上まで45分ほどであるが、ハイカーが殆どいない為、草が伸び放題で険しい道中。
樹の幹に示された黄色の矢印に沿って登る。
May 21 2018
<城塞のイラスト図>
城壁が僅かに残るのみ
山頂付近より北方角を眺めるとヘジェシ湖が見える。
又、カーリ盆地も樹々の間から望むことも出来るが、城塞の建っていた頂上には登ることは危険。
3.この時期のお薦めの風景
① 若々しい麦と空の青さが良く映える。 May 21 2018
♫ 懐かしい人々、懐かしい風景.......♪ 麦は泣き、麦は咲き、明日へ育って行く....♪
② そして、ピパチ(芥子の花)とカミッラ(カモミール)の群生の競演。
@ Balatonrendes R71号線沿い。 May 20 2018
4.近所の教会
① チョバーンツ (Csobánc) 山の城塞に登っていく途中にある教会で廃墟になっている。
② 麓の村ジュラケシ (Gyulakeszi) には1775年頃にエステルハージ家によって建てられた
聖マーティン教会(カトリック)がある。現存は1869年の火災で焼失後、再建された。
これにて「バラトンそぞろ歩き 古城(6)」は、お終いです。
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