ハンガリーで最も気に入ってる街の一つがペーチ (Pécs) である。 理由を挙げるとすれば
街の中に城があって、古い歴史と伝統があり、且つ先進性も備えた古都であって欲しいし、
大都会でなく、こじんまり纏まっていて街中が綺麗で、坂が多く起伏と緑に富んでいて欲しい、
そんな自分の好みにピッタリな街と云える。 具体的には、
1.人口約15万人は、ハンガリー国内の第5位の街。
2.古代ローマ帝国の属州「ソピアネ」と呼ばれたハンガリーキリスト教の中心地であった。
3.2010年度の欧州文化首都に「エッセン」「イスタンブール」と共に選ばれた。
4.1367年にハンガリー初の大学が建てられ「学生の街」として知られている。
5.4世紀の遺跡(大規模な共同墓地)が街中で発掘され、2000年に世界文化遺産に登録。
6.陶器の「ジョルナイ」は地場産業で伝統芸術を継承。
こうやって理由を挙げてみると、ちょっと京都に似ているかも知れない。
10年前までは高速道路もなく、山道をくねくねとブダペストから5時間以上も掛かっていたが
2010年にM6高速道路が完成し、半分の時間でペーチまで来れるようになったこともあり、秋を
求めてやって来た。
① M6高速道路上、セクサード (Szekszárd)休憩場付近
Nov. 11 2018
向こうがペーチ方面、まだクロアチアまで高速道路が抜けていないせいか、トラックの数が
少ないので非常に快適なドライブが楽しめる。
② ワインの名産地 ヴィッラーニィ (Villány) 付近
Nov. 10 2018
海抜442mのサールショムリョー山 (Szársomljó-hegy) 、Villány-Fuji と名付けたいなあ...
山裾に広がる葡萄畑も収穫は終わって秋色に替わってしまった。
● サールショムリョー山麓にある野外彫刻展示場
各国、各地の彫刻家の作品を展示している。
この辺一帯はナジハルシャーニィ (Nagyharsány) 村と呼ばれる第二次モハーチの戦いの場。
③ ペーチ郊外メチェック (Mecsek) の森
● シコンダ (Sikonda) 村 Nov. 11 2018
陽だまりでノンビリしていたい所、釣り人もチラホラ。
今迄で、最もお得感を感じたハンガリーの温泉であり、自称マニアとしてイチオシしたい所。
④ マーンファ (Mánfa) の古い教会
道中に、10年ほど前に訪ねたことのある小さな中世の教会があったので寄ってみた。
アールパード王朝時代の12世紀に建立されたローマカトリック教会。
⑤ ペーチ (Pécs) 市街
● テレビ塔 (TV-torony)
1973年4月にオープン、ハンガリーで最も高い建造物(山の高さを含めると海抜610m)
Nov. 11 2018
塔の高さは191m
頂上展望階より南の方角(市街地と Villány) を眺める。
雲海に僅かに頭を出しているのが、前出のサールショムリョー山。
北の方角にはメチェック高原で最も高い661mのツベシ (Tubes) 山が見える。
西の方角
東の方角
● 大聖堂 (Dóm) のあるドーム広場
大聖堂は11世紀に聖イシュトヴァンによって建てられたがオスマン帝国軍によって破壊
され、1805~1807年にネオロマネスク様式で再建されたものが現在の姿である。
ドーム広場の周囲には歴史的な建造物も多く、市民の憩い、癒しの場となっている。
Nov. 11 2018
● モスク(ガーズィ・カスィム・パシャ)のあるセーチェーニ広場
オスマン帝国の支配時代の1543~1546年に建立されたイスラム教のモスクであり、
現在はカトリック教会として使用されている。 Nov. 11 2018
市街地にある代表的な教会は上述の二つであるが、他にもペーチの郊外には中世の美しい
教会が数多くあり、訪ねてみることをお勧めします。
本ブログでも詳細に紹介していますので乞うご参照を。(投稿#2013-03-14, 16, 19)
これにて「ペーチの秋」は、お終いです。
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