前章にも述べたように、ブダペストの街中にはモノレールを除いて、おおよそ考えられる
すべての交通機関が揃っている。 以下がその種類と規模である。
1.路面電車(トラム);27系統 6.登山電車;1路線(Városmajor駅から60番トラム)
2.地下鉄(メトロ);4路線 7.子供鉄道;1路線(北部の山間を走る)
3.郊外電車(HÉV);5路線 8.ケーブルカー;1基(ブダの王宮の丘)
4.トロリーバス ;13系統 9.チェアリフト;1基(ヤーノシ山にて)
5.路線バス ;180系統 10. ボート;定期観光、水上バス多数
1.路面電車(トラム)
1-1. 系統#2;
ペスト側のドナウ川沿いを走る最も観光客にお馴染みの路線。
使用されている電車は、ハンガリーのGanz社製のKCSV-7型で1996~1999年に、旧型
CSMG型車両を改造して名称を替えた。 全部で36両製造され30両が現存している。
● ヴィガドー広場(Vigadó tér)にて Feb. 17 2019
● ハンガリー科学アカデミー前にて Dec. 22 2017
● 国会議事堂 (Ország ház) 前にて May 16 2018
1-2. 系統#4;
セール・カールマン広場 (Széll Kálmán tér)~ウィブダ・クスポント (Újbuda-központ)
のドナウ川の上流と下流を2回渡るペスト市街地の外回り路線。
使用されている電車は、Combino Supraと呼ばれるSimens社製で2006年より採用され、
合計で155両購入され、ブダペストでは2016年時点で47両が運行している。
● マルギット橋 (Margit hid) 上にて May 16 2018
● 終着駅折り返しのウイブダ・クスポント駅にて Feb. 17 2019
1-3. 系統#47&49;
ブダ側南端の Fehérvári通り~自由橋~Deák Ferenc 広場までのペスト市街地の内回り。
使用されている電車は、Ganz社製CSMG型で、CSMG-0は1964年に生産され、その後
CSMG-1, -2, -3 と改良を重ね1978年までに全部で154両が製造された。
● 中央市場前にて、 May 16 2018
● 自由橋 (Szabadság hid) を渡る Oct. 11 2018
Feb. 17 2019
1-4. 系統#19)
ブダ側のドナウ川沿いを南北に走る、ゲッレルトの丘から王宮の丘に繋がる人気路線。
使用されている電車は、最近では新型のスペインCAF社製のUrbos3型に切り替えつつあるが
ブダペストで40両の現存(2016年時点)で不十分を旧型のタトラ T5C5型と併用している。
● コストラーニィ広場 (kosztolányi tér) にて Feb. 17 2019
● クラーク・アダーム広場 (Clark Ádám tér) にて Feb. 10 2019
● クラーク・アダーム広場 (Clark Ádám tér) のT5C5型車両
チェコのタトラ社製T5C5型は、1978~1984年に製造され、ブダペストに186両が現存、
他に改良型としてタトラT5C5K型も134両が現存している(2016年時点)
Feb. 10 2019
1-5. 系統#17=
王宮の裏側に沿ってブダ側の中心セール・カールマン広場 (Széll kálmán tér) を通って
南北に縦断する路線。 セール・カールマン広場は旧称でモスクワ広場と呼ばれていた。
● 各路線が合流するセール・カールマン広場にて Aug. 27 2016
手前が系統#17でCAF Urbos3型車両で、左上が系統#61のテトラ社製T5C5K型車両。
左が系統#17のテトラ社製T5C5K型車両で、右が系統#4のSiemens社製Combino車両
1-6. 系統#3;
ペスト側の最も外回りの路線で、メキシコ通り (Mexikói út)~Gubacsi út を結ぶ。
この路線には、TW6000, TW6100という旧型車両が残っているらしいが、現在ほとんど
見られず、スペイン製の新型CAF Urbos3 に切り替わった。
● 路線途中の合流駅ウルシュ・ヴェゼール広場 (Örs vezér tér) にて Feb. 17 2019
<補足説明1>
TW6000, TW6100とは、1976~1983年にSiemens の前身 DÜWAGとLHB社から
合計103両製造されたもので2016年までは走っていた。 (BKVの写真拝借)
<補足説明2>
ハンガリー製のGanz社製UV型車両は、今はクリスマスの電飾トラム等のイベントでしか
使われなくなったが、まだ記憶に残っているだろうこの車両は1956~2006年までの51
年間も活躍していた。 UV-1からUV-5まであり1965年までに合計377両が製造された。
その後に、前出のGanz CSMGが1964~1978年まで製造され、2006年まで両車両が共に
走っており、現在は系統#2で依然と走り続けている。
● 自由橋 (Szabadság hid) 渡るUV-2型 (BKV写真拝借)
UV型の特徴は系統番号の標示位置が真ん中上で、系統#2で走っているCSMG型は左上。
<トラム路線図>
これにて「ブダペスト市内のトラム」は、お終いです。
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