ペーチ (Pécs) はハンガリー南部に位置し、クロアチアに近く、毎年1回は訪ねる最も気に
入っている街の一つである。 古代、中世の時代に渡ってハンガリーの建国上、重要な役割を
果たして来た、とりわけペーチ近郊には中世の古刹が多く残っており、再度じっくり見て回り、
スケッチなどするのも面白い。
■トゥーロニィ改革派教会 (Túrony református templom)
Jan. 04 2020 筆
教会自体はアルパート王朝時代より存在し、14世紀になって現在実在する塔を除く部分
(内陣+祭壇)がゴシック様式で建立された。 18世紀になって、内陣はバロックで改築
され、1827年には塔が増築された。
Dec. 30 2019 撮
スリット様の細長い窓(上の5個と祭壇側の2個)と建物補強用の脚ゲタがゴシック様式。
教会入口 祭壇がある後方
Dec. 30 2019
● 教会内部 Dec. 30 2019
Nov. 22 2008
現在は改革派(カルヴァン)の教会として使用されているが、11年間、時間が止まった
かの如く何も変わっていない。 世界モニュメント復興事業団のサポート申請をしていた
ようだが、却下されたようだ。
祭壇や装飾具は何処かに持ち去られ、壁画は漆喰で塗り潰されている状況では、建物が古く
とも歴史的価値がないと判断されたのであろう。 実は、オスマントルコ軍の通った地域には
こういった教会が非常に多いのだ。 これも一つの歴史なのであろう。
Nov. 22 2008
内陣の壁や祭壇内には、かつて壁画が描かれている形跡はある。
Nov. 22 2008
Dec. 30 2019
■ マーンファ (Mánfa) ローマカトリック教会
この教会もまた、同様な危機的状況に置かれており、現在は閉鎖されたままで使われている
形跡はない。 もはや管理もされていなくイタズラ書きが虚しい。
<スケッチ> Jan. 04 2020 筆
アルパート王朝時代の12世紀に、ロマネスク様式で建立されたがオスマントルコ軍
の襲撃により一度は破壊されたが、オスマン帝国の去った後の15世紀より随時再建され、
今日の姿になっている。 Dec. 30 2019 撮
Nov. 11 2018
Dec. 30 2019
塔の真ん中をコラム(円柱)で仕切るのは典型的なロマネスク様式だ。
Dec. 06 2008
塔横の入口門とスリット様の窓は14世紀の後半に、ゴシック様式で拡張された。
南門はコラム(円柱)を両サイドに飾った美しいロマネスク様式であるが、脇のイタズラ
書きには悲しい気持ちにさせられた。 Dec. 30 2019
内陣は祭壇も無くなっており、古そうな物は手水鉢くらい。 Dec. 06 2008
<ロケーション>
これにて「ペーチをスケッチ(1)」は、お終いです。
今年も本ブログを宜しく、お願い申し上げます
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