撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

ペーチをスケッチ(1)

2020-01-05 04:36:17 | 海外生活

 ペーチ (Pécs) はハンガリー南部に位置し、クロアチアに近く、毎年1回は訪ねる最も気に

入っている街の一つである。 古代、中世の時代に渡ってハンガリーの建国上、重要な役割を

果たして来た、とりわけペーチ近郊には中世の古刹が多く残っており、再度じっくり見て回り、

スケッチなどするのも面白い。

 

■トゥーロニィ改革派教会 (Túrony református templom)

                                  Jan. 04 2020 筆

  教会自体はアルパート王朝時代より存在し、14世紀になって現在実在する塔を除く部分

 (内陣+祭壇)がゴシック様式で建立された。 18世紀になって、内陣はバロックで改築

 され、1827年には塔が増築された。             

                                                       Dec. 30 2019 撮

                    

 スリット様の細長い窓(上の5個と祭壇側の2個)と建物補強用の脚ゲタがゴシック様式。

 

  教会入口               祭壇がある後方

   Dec. 30 2019 

 

 ● 教会内部                              Dec. 30 2019

                                                                                                   Nov. 22 2008

  現在は改革派(カルヴァン)の教会として使用されているが、11年間、時間が止まった

 かの如く何も変わっていない。  世界モニュメント復興事業団のサポート申請をしていた 

 ようだが、却下されたようだ。  

 祭壇や装飾具は何処かに持ち去られ、壁画は漆喰で塗り潰されている状況では、建物が古く

 とも歴史的価値がないと判断されたのであろう。 実は、オスマントルコ軍の通った地域には

 こういった教会が非常に多いのだ。 これも一つの歴史なのであろう。

                                    Nov. 22 2008  

 

 内陣の壁や祭壇内には、かつて壁画が描かれている形跡はある。

   Nov. 22 2008

 

                                  Dec. 30 2019

 

■ マーンファ (Mánfa) ローマカトリック教会

  この教会もまた、同様な危機的状況に置かれており、現在は閉鎖されたままで使われている

 形跡はない。 もはや管理もされていなくイタズラ書きが虚しい。

<スケッチ>                            Jan. 04 2020 筆

  アルパート王朝時代の12世紀に、ロマネスク様式で建立されたがオスマントルコ軍

 の襲撃により一度は破壊されたが、オスマン帝国の去った後の15世紀より随時再建され、

 今日の姿になっている。                     Dec. 30 2019 撮

 

                                   Nov. 11 2018

 

                                                                                                      Dec. 30 2019

 

 塔の真ん中をコラム(円柱)で仕切るのは典型的なロマネスク様式だ。

    Dec. 06 2008

 

 塔横の入口門とスリット様の窓は14世紀の後半に、ゴシック様式で拡張された。

  

 

  南門はコラム(円柱)を両サイドに飾った美しいロマネスク様式であるが、脇のイタズラ

 書きには悲しい気持ちにさせられた。                   Dec. 30 2019

 

 内陣は祭壇も無くなっており、古そうな物は手水鉢くらい。        Dec. 06 2008

 

<ロケーション>

  

 

 

  これにて「ペーチをスケッチ(1)」は、お終いです。

  今年も本ブログを宜しく、お願い申し上げます

 


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