これは仮想のスケッチ旅行であることを予め断っておきます。 但し、仮想とは言って
も、今現在の事ではないというだけで、過去の旅を紐解いています。
このコロナ禍は、こちらでも感染の第二波が襲っており、より一層の自粛が要請されおり、
国外の渡航は実質不可能、国内ならば日本の様な「GO TO 何がし」があったら、すぐにも
腰を浮かせたいところですが ...... 当面は行った積りで思い出のスケッチ旅行が無難かと。
今回の教会たちは、個人的にもお気に入りの教会が揃った地域であり、紹介したい物が
一杯あり過ぎるので、詳細については過去の投稿写真を観て戴きたく、今回はスケッチ中心
と要点のみと致しました。
● 2013/04/01 投稿 タイトル「Lónya / Vámos-atya 教会」
● 2013/04/02 投稿 タイトル「Csarda / Tákos 教会」
ティサ (Tisza) 河の渡し風景
<ロケーション> .... 朱丸がハンガリー全体での位置づけ
.... 青丸印が冒頭の風景場所、 朱丸が今回の教会位置
各村の人口; Lónya 825人、 Vámos-atya 556人、 Tákos 411人、Csaroda 578人 (2015年調べ)
前回の場所から更に時計回りに国境沿いを伝って来ると、ハンガリー第2の大河である
ティサ (Tisza) 河を渡ることになる。 Aug. 20 2008 撮影
左手の森の奥がスロヴァキア、右手の奥がウクライナとなる。 国境近くは
橋がない為にフェリーで川を渡ることになるが、川幅が狭いために自力で走る
フェリーでなく、船橋を岸よりワイヤーで引っ張って移動するタイプである。
<運賃> 人は100Ft. (約40円で、180人/回まで収容OK)
自家用車は 400Ft. (7台/回まで収容、大型車は1台/回)
<参考>
ティサ川の全長は 977Km で、源流はウクライナのカルパチア山脈の奥で、
ドナウ川の最大支流でセルビアのベオグラードの手前で合流。
暴れ川の異名を取り、昔から水災害が絶えない川で、特に春先の雪解け洪水。
参考ながら、日本一長い信濃川の全長は 367Km である。
■ ローニャ (Lónya) 改革派教会 .... カルヴィン派
教会は13世紀にロマネスク様式で建立。
屋根はジンダイ工法(板を瓦のように重ねて敷き詰める工法)を採用。
塔は1781年に建造され、高さは 26mで中心の尖塔を取り囲むように、四隅に
小さい子供の尖塔を配置している。 ここから先の東部には多いタイプである。
● 教会の見どころ
鐘楼の美しさ(上記)と内陣の説教台と壁に描かれたフレスコ画。
今までとは異なったビザンチン風、14世紀の巨匠 Lándor Frenc の作品。
この地域まで東ローマ帝国(ビザンチン)文化が伝わって来たということなのか。
■ ヴァーモシュ・アチャ (Vámos-atya) 改革派教会 ...カルヴィン派
教会は13~14世紀の間でゴシック様式で建てられた。
1776年に内陣本体と離して、西側に鐘塔を増築した。
高さ 26.5m はティサ川流域では一番高い塔である。
● 教会の見どころ
内陣天井の絵板(パネル)と信者席の仕切り板の絵(1776年の作品)
■ ターコシュ (Tákos) 改革派教会 ... カルヴィン派
教会は 1700年代の建立であるので、他の教会よりちょっと若い。
● 教会の見どころ
🔹 教会本体の作り方が、ヨーロッパでは珍しいパティチ (Patics) 工法で造られている。
日本で云うところの土壁工法(土を竹に編んだ枠に塗り込んで乾かす工法)
🔹 内陣の天井が前出したトランシルヴァニアから来た巨匠 Lándor Ferenc の作品。
🔹 郷土特産品としての刺繍(下のデザインでは全国的には有名)
■ チャロダ (Csaroda) 改革派教会 .... カルヴィン派
教会は13世紀半ばにゴシック様式で建てられた。
教会本体にも鐘塔があるのに、何故か離れた所に鐘楼もある
(14世紀の終わり頃に追加増築)
● 教会の見どころ
🔹 内陣の壁面に残されたフレスコ画(ビザンチン風)
🔹 刺繍 ... 上の写真のようなデザインで有名。
教会では販売していないが周りの民家で展示販売している。
* 地図の所に各村の人口を記した意図は、いずれの村も数百人という少ない人口で
古い文化を守り続け、自分達の村に誇りを持って村おこしをしている記事を読んだ為。
これにて「東部国境沿いの教会スケッチ(2)」はお終いです。
本ブログへのご訪問、有難うございました。
どうかお気を付けくださいね。
素敵な教会ばかりでワクワクしました!
日本建築でも天井絵が好きなのですが、
ハンガリーの教会の天井絵も素晴らしいですね!
外見も可愛らしくて素敵です(*^-^*)
実際にはなかなか訪れることが出来ないので
こうして拝見できるのはとても有難いです(*'▽')
教会の独立した鐘楼、形が面白いです。この形を絵にするのはバランスが難しそうですのに、複雑な形も板葺きの素朴な感じもあって素敵です!
やはりお好きでよく見ておられるからだろうなと思います。
川ひとつでいくつもの国と国境を接している・・・日本にいると考えられない事ですね。
この辺はちいさい村ばかりの美しい牧歌的な所です。
そんな中で素晴らしい教会が集まっており、私的にはハンガリーで一番好きな地域で、どうしたら上手く伝えることが出来るか悩んでおりました。 ちょっとでも認めて戴ければ幸いです。 これからはもっと東へ足を伸ばしたいと思っておりますので、引き続き宜しくお願いします。
秋が深まりましたね、11月に入ればタイヤを冬仕様にしなければなりません。 もうその時期に来たのかと月日は速いものですが、コロナ禍は一向に進展しませんね。 有効なワクチンが出来るまでは、じっと待つほかありませんね。 こうして国境の町を回ってみますと、教会の様相が少しづつ違い、当然ながら文化の(歴史の)流れというものがあって面白いものだと思います。 コロナ、インフルエンザには充分気をつけて下さい。
ありがとうございました。
橋の上にクルマを止めて、岸にあるモータ小屋からワイヤーで引っ張る訳ですが、ティサ川のこの辺はまだ川幅も狭いですから数分で向こう岸に着きます。 当然、クルマの乗客はクルマの中に座ったままですが、歩きの人は船橋の片サイドに長椅子状のベンチがありますので、座っても良いし、立ってても良い訳です。 天気の悪い日には船橋の上にプレハブの小屋がありますので、数人ならそこに入れる筈です。 ハンガリーは貧乏な国ですのでいろんなタイプのフェリーが各所でまだ一杯残っています。 新しい橋が出来る度に懐かしいフェリー(渡し)が無くなりつつありますが、そこに働く人の職を奪うという争議もあると聞いたことがあります。 特に田舎ですと尚更でしょうね。
エレベーターの上下に動くのを、左右に水の中を動くと考えれば良く、そんなに揺れはないと思います。 世界にはいろんな興味深い事がありますね、日本に居ると想像出来ない事が。 コメントありがとうございました。
今日のスケッチは爽やかな青空がとても印象的ですね。
ブルガリアの教会が大好きになった私ですが(*^^*)
何度見ても新鮮な気持ちになります。
コロナの事で自由になれない昨今はこうして癒しの絵の鑑賞が一番ですね。
内陣の壁面に残されたフレスコ画が本当に素敵ですね💛
まずは目の保養から💛
今日は珍しく早朝(5:00am)の目覚めでした。 天気も良さそうなので、散歩に連れていく犬はいませんが、このコメントを出したら行こうかなぁなんて思っています。 今、悩んで試行錯誤しているのがこの青空と樹々の描き方です。 雲があると描いた後にムラが出来ても気にならないのですが、雲一つない空は水彩では難しいですね。 樹々の方は気になり出すと、どんどん細かくなります。 それでも少しずつ成長しているのかなと思っています。
まあ、そう思わないと続かないかも知れませんが。
あとひと月でスケッチを始めて1年になります。 合計で125枚になりますが、目標の150枚には届きそうにありませんが、三日坊主の私には続いた方ですね。 コメントありがとうございました、良い一日を。
それとも、そう見えるのでしょうか?
内部の素晴らしさに驚きました。
ドイツ等々のカソリック教会の様に華美でなく
落ち着きのある品の良さが感じられます。
この目で実物を見る事も今は叶いコロナ禍ですので
バラトンさんの素晴らしいスケッチとお写真で楽しむしか有りませんが
全く未知だった事を知ることが出来た喜びは大きいです。
今回取り上げた教会の屋根はすべてジンダイと云われる工法で木製の板を重ねたものだそうです。 時代が同じ頃ですと同じ地域では同じ造り方になるのでしょうね。 又、同じことが壁画や内陣天井の板絵(パネル)についても云えるようにも思います。 まあそれが文化ということなんでしょうか、興味深いものがありますね。 コメントありがとうございました。