やり残したこと。やり残していること。
誰にでも、そういうものがあるのではないでしょうか。
私にもあります。いくつも。
その中の一つが、自分のアルバムを作ることでした。
中学の時にビートルズや拓郎を聴いて、自らもギターを持ち、自作曲を数多く作るようになってから、いつか自分の自作曲でアルバムを作りたいと、いつも思ってきました。でも、それを実現するためのお金もなければ、技術もなかった。
中学の頃から、アルバムの代用品として、カセットテープに自作曲を吹き込み、アルバム代わりにするようになりました。
だが、しょせんはカセットテープ。いつかは、正式なアルバムを作ってみたい・・というのは、いつも、ず~~っと思っていたのでした。
でも、中々実現しないまま・・・時はただただ過ぎていき。
で、今の年代になり、色々思うことが多くなりました。
やり残しているものを、自分が元気でいるうちに、少しづつでもクリアしておきたい・・という思いは強くなったのです。
やり残していることの中の、大きなことのひとつ、「自分のアルバム」を、多少の無理はしても、やれる時に実現させておかないと、いつそれが不可能になるか分からない。
人生、一瞬先に何が起こるか分からないから。今回の震災で、その思いは更に強まりました。
私は、LPレコードで育った世代なので、本当はLPレコードという形で作りたかった。
それも、見開きジャケット、帯つき、歌詞カードつきで。
だがそれは、今の世の中の中であっては、あまり現実的ではないのです。
なので、CDで作ることに。
自分の青写真としては、アルバムは全3部作で作るつもりでした。
学生の頃から今まで作りためた自作曲は、もう今では数えきれないくらいの「数」があります。へたしたら今では2000曲近くあるかもしれない。
その中で、自分で「この曲は形として残しておきたい」と思える曲を厳選しても、とても1枚で収まる量ではありません。
自分が生れて、これまで生きてきて、作ってきた曲・・・自分なりのこれまでの音楽活動の総括をしておきたかったのです。
それを3枚のアルバムに収めたかった。
で、LPで育った私なりのこだわりはありました。
それは、LPサイズの長さでアルバムを作ることでした。
昔、LPをカセットに録音する時、たいがい1枚アルバムは45分テープのカセットに収まったものです。
それに慣れてしまっていた私にとっては、アルバムというのは、それぐらいの長さがちょうど良かった。
LPと違い、CDはA面とB面の区切りがなく、「第1部(A面)と第2部(B面)」がつながっている分だけ、真ん中あたりに収録されてる曲は、あまり印象に残らなかったりもしました。
LPは、第2部(B面)を聴くためには、盤を裏返す作業があり、A面が終わった段階で一息つくこともできました。
この「区切り」の存在は大きかったのです。何気に。
ノンストップで1時間を超えるCDアルバムだと、一度聴くと、しばらく聴かなかったりしますが、45分以内に収まるなら、もっと気軽に聴けるかも・・・そんな思いも、私がLPサイズにこだわった理由でした(もちろん、2枚組のアルバムは、別)。
で、いざ!というわけで、今回アルバムを作るにあたって、当初どんな選曲にするかはけっこう迷いました。
学生時代から今までに自分が作りためてきた曲の中から、ベストセレクションみたいな選曲にすることも考えましたが、それよりも今の自分の心境に近い曲を収録したいと思いのほうが強くなりました。
現在「時代屋」というユニットで、ライブで披露する機会の多い曲を、「現役曲」としてまずケジメをつけておこうと思ったのです。
でも、それでも、3枚のアルバム構想はいまだに頭の中にあるし、しかもLPサイズの長さというこだわりもあり、一通り選曲ラインナップを書きだした中から、今回のアルバムで漏れた曲は多かった・・。
現役曲としては「あの店エレジー」「月のうさぎ」「ふりはらえ!」「古道にて」などが外れてしまいましたし、時代屋でmiyaちゃんに託していた曲「精霊の街」「よどみない流れ」「風の礼文島」「ありがとうが言えなくて」などは、まったくの手つかずのまま残されています。
また、学生時代の曲は、今回のアルバムでは、中学の頃に作ったM-5がかろうじて収録された程度で、それ以外の「学生時代に作った曲」もまた手つかず。
バンド時代に作った曲も、今回は1曲も選曲されず、ごっそり残っています。
まあ、その分、最近私がライブで演奏する機会の多い曲は、いくつも収録することはできました。
この先「3部作」構想がどうなるかは分かりません。実現するかどうかは、まだ未知数です。
だいいち、もう今は、アルバムの時代ではない・・・そんな声もあります。
でも、とりあえず、まず1枚だけでも完成させることができた喜びと、安堵感は・・・実に大きいものがあります。
重い腰を上げて、今回アルバムを作るにあたって、どんな手法にするかは色々考えました。悩みました。
当初、「打ち込み」を使うことも考えましたが、あえて「打ち込み」なしで、スタジオに一人でこもり、アコースティック楽器を直に演奏して多重録音する、「アコースティックアルバム」にしました。
いつかは、ドラムやエレキ、ベースや鍵盤などのバックメンバーを揃えて、バンド形式でレコーディングできたらなあ・・という夢はありますし、打ち込みでやってみたい気持ちもあります。
私が音楽をやる理由は、極めてシンプルです。
自分の作った歌を、誰かに聴いてもらいたいからです。それに尽きます。それ以上でもなければ、それ以下でもないのです。
これまで、自分が音楽を通じて色んな人に出会ったりしてきたのは、究極的には、それがあるからかもしれません。
それがかなうなら、何も自分で歌ったり演奏しなくてもいいぐらいです。
いつか、理想通りに「3部作」が完成したら・・・もう、私は思い残すことはないかもしれません。
・・・いや、待てよ・・・
民族楽器をいくつも導入し、オーケストラをバックに従えて、かつてPCで作った秘蔵の「自作の組曲」群を、マイク・オールドフィールドやデビッド・リンドレイなどのように曲によって弦楽器を持ちかえて、ライブで生演奏で披露する・・そんな夢もかなったら、その時こそ本当に「思い残すこと」はなくなるのかもしれません(笑)。←・・まあ、これは実現の可能性は低いですが(笑)。
まあ、それはさておき。
これからも折に触れて、このアルバムに関することや、「思ったこと」などを綴っていくかもしれません。
もちろん、欲を言えばきりがないし、このアルバムの今の仕上がりに何から何まで満足しているということはありません。
むしろ「本当は、もっとこうしたかった」という部分の方が多いくらいです。
でも、今の自分が1人で歌を作ってアレンジして、全パート演奏して歌って、時間や金銭的なジャッジメントをして、1人でどこまでやれるか・・というと、このアルバムということになります。
ともあれ・・・・やっと、発表です。
一人でも多くの人に聴いていただけると嬉しいです。
で、貴方の胸に、このアルバムの中のどれかが、なんらかの形で響いたら、こんな幸せなことはないのです。
購入してくださる方は、メールやコメントいただけると嬉しいです。
『 空を見ていた。 』
by DANZO (時代屋だんぞう)
収録曲
1、 Boy in the sky(少年編)
2、 進化
3、 空の少年
4、 里山の向こうに君が見える
5、 失恋の言葉(うた)
6、 母校が消えた日 ~昭和の子守唄~
7、 岩瀬の湯
8、 ゆれはば
9、 もっと早く出会えていたら
10、 少年編~青年編
全曲 作詞・作曲・編曲・歌・演奏 DANZO
ジャケットデザイン DANZO & ティティナ
イラスト DANZO
税込価格 2000円
私にとって、やり残していたことのうちの一つが、今ここに形になりました。
さて・・・貴方の「やり残していること」は、どんなことでしょうか。
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