幕末のヒーローと言えば、坂本龍馬の名前をあげる人は多い。
私自身も大好きな人物である。
子供の頃から龍馬の名前はテレビや本などで知っていたし、かっこいいイメージは持っていた。ただ、おおまかなことは知ってはいても、つっこんだ所までは知らないまま・・というか、漠然としていた。
それが、私にとって龍馬をより細かいところまで分かるようになったきっかけが、このコミックだった。
一般的には司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」という小説がきっかけになった人は多いようだ。現に、このコミックの原作者でもある武田さんも、その中の1人らしい。
だが私にとっては、このコミックだった。
このコミックは、連載当時から「とびとび」では読んでいた。
だが「とびとび」だったので、途中の経過はあちこちで抜けていた。
そこで、一度最初から最後までフルで読んでみようと思った。そのきっかけは、当時私はひょんなことから仕事で竜馬のことを調べることになったからだ。
で、改めて読み始めてみたら、もう面白くて。先が気になって、一気に全巻大人買いしてしまい、読破。
このコミックで、竜馬の生い立ちから最後までを、このコミックならではの脚色はあるにせよ、知ることになり、私の中の竜馬への関心は一気に爆発。
その後、竜馬に関する色んな文献をよみあさったり、映像作品を観たりするようになるにつれ、私の中の竜馬熱はまずます加速。
やがてはいてもたってもいられなくなり、それまで行ったことのなかった四国への旅にも繋がった。
竜馬の郷里である高知には、都合3回ぐらい行っている。
で、竜馬ゆかりの場所を散策したりもした。だが、まだ行けてない場所もあるので、いずれまた行くことになるかもしれない。
このコミック読破後に、あれこれ竜馬関連の文献や映像作品を見ると、このコミックならではの特徴もわかった。
それは、竜馬と武市半平太と岡田以蔵の3人を仲良しトリオみたいな感じで扱った点。
竜馬と半平太は縁戚関係でもあるし、互いに認めあっていた形跡はあるので、実際に仲は良かったようだ。
また、竜馬と以蔵の関係も、竜馬が勝海舟の護衛で以蔵を推挙したことでもわかるように仲は良かったのだろう。
ポイントは、半平太と以蔵の関係だったかもしれない。
幕末ファンならご存知のように、やがて半平太は以蔵を「要人暗殺のための捨てゴマ」みたいな感じで使うようになったイメージがある。
実際にはどうだったかは分からないが、残されている文献や、さまざまな作品での描かれ方に接していると、そんな印象は受ける。
以蔵の剣の腕を、半平太は自身の思想のために利用したのだ。
しまいには、以蔵の自白を恐れて、半平太は以蔵を毒殺しようとさえしている。
かつての仲良しトリオのうちの二人だった両者は、こんな結末を迎えるのか・・と思うと切なかったし、悲しかった。
他の竜馬関連作品を見てみると、半平太と以蔵は幼少の頃からの「仲良しトリオ」という感じよりも、最初から主従関係みたいな関係だったので、最後のその二人の結末もある程度自然な流れのようにも思えた。
だが、この「お~い竜馬」では、幼少の頃からの仲良しトリオ的な扱いだったので、切なさが際立ったと思う。
このコミックでの竜馬は基本的にすごく明るく、人好きで包容力があり、無邪気な面もある。もちろん、それだけでなく、厳しく決めるところはしっかり厳しく決めている。
そのメリハリが非常に魅力的。
なぜ竜馬が周りの人たちに愛されたり認められたりしたか?・・・という点を、このコミックでは自然に描いている。
文献によると、実際の龍馬は、普段は物静かだったという証言がある。また、土佐の地元人にとっては龍馬は怖い存在だったという話もある。
まあ、龍馬は志士として活動していくうちに、勝海舟をはじめとする幕府側の要人とのつながりがあったし、倒幕側の桂小五郎や西郷隆盛とも交流があったわけだし、また、命をつけねらわれるようにもなっていったし、地元の庶民たちが「近寄るのが怖い」と感じたのも分かるような気はする。
、
竜馬がリアルでどんな人であったかは、会ったことがない現代人には結局は分からない。
なので、残された文献などの資料で推測したり、各自がそれぞれのイメージで彼を捉えるしかない。
この「おーい竜馬」もまた、原作の武田さんや作画の小山さんなりの龍馬像なのであろう。
作者が竜馬に惚れ込んで描いているのが、よく伝わってくる。
この作品の中での明るくて、人好きで、無邪気でありながらも、決めるところはしっかり決める龍馬は、他の龍馬作品同様に、龍馬作品のスタンダードのひとつになれる魅力がある作品だ。
武田さんの竜馬好きは有名だが、その面目躍如といった内容の傑作。小山さんの作画も、魅力的。
私も特に「幕末ファン」です。
史実はもちろん、プレステ2『風雲新撰組』『風雲幕末伝』まで大好きです。
『お〜い竜馬』は読破したことはありませんが、坂本龍馬の生涯は「黒船来航から維新直前の悲劇まで」を克明に辿っていますから、わかりやすい内容でしょうね。
私は、特に土佐勤王党盟主・武市瑞山に興味あります。
長州における吉田松陰とは、また違う「革命家」としての魅力を持っています。
「暗殺こそ政治革新の最も手軽な方法」だった幕末、現在のような近代国家と民主主義社会の価値観で、是非を判断してしまうことは、もったいないですからね(^^;)
現在でも、アラブ諸国始めヨーロッパでも、「殉教」の大義名分の下、政治家ではない、一般庶民の命が多数奪われています。
「人間の本性とは何だろう?」と、常々考えています。
『お〜い竜馬』も、「近代国家とは何か?」「人間の本性とは何か?」、私にヒントをくださる漫画であることを祈りながら、大型ブックオフを巡ってみます(*^^*ゞ
私も大好きです。
プレステでは、「維新の嵐」というゲームで遊びました。
自分で好きな人物を選んで、日本全国をめぐり、要人を説得して、日本の世論をかえていく・・というゲームでした。
「おーい竜馬」は、高知の坂本龍馬記念館に全巻おいてありました。
私はすでに自宅で読み終えていたので、記念館では読みませんでした。
武市瑞山といえば!
ちょっと前に、深夜ドラマで「さむらい先生」という作品があり、幕末土佐の武市半平太が、平成の時代にタイムスリップしてくるというドラマで、個人的に大好きなドラマでした。
もしまだ御覧になっていないドラマなら、一度観ることをお勧めします。
半平太が、どこかユーモラスでありながら、かっこいいんです。
大義名分・・それを正義とするなら、争っている者同士、どちらの側にも正義があったりしますよね。
一方だけが全部正しくて、もう一方は全部悪い・・なんてことは、ありえませんよね。
歴史がそれを我々に教えてくれてます。
歴史には、そんな魅力があると思っています。
それにしても、鮎川さんとは共通する趣味が多くて、驚くやら、嬉しいやらです。
今後もよろしくお願いします。
AmazonにてDVDーBOX見つけましたので、購入したいです!
『スター・ウォーズ』など、典型的SF映画は苦手ですが、タイムスリップ映画は「異なる時代の人から観た現代(又は近世)」など、興味深いですo(^-^)o
ところで、幕末・明治初期に暗殺された人物は、本当に「英傑」ばかりですね。
もちろん小者を暗殺しても、政変を発生することなど出来ませんが…。
特に具体的な「近代国家」を考案していた横井小楠暗殺は、極めて残念至極です。
横井小楠こそ暗殺の魔手を逃れて、明治政府参与として、さらに出世して生きていれば、近代日本は、もっと開明していたはずです。
そして、天皇制軍国主義や韓国・中国侵略植民地支配という大過も犯さなかったかもしれません。
かえすがえす本当に残念です。
しかし、「歴史」とは、本当に興味深いですね(≧∇≦)
笑えるんだけど、かっこよさもあって、武市ファンには勧めたいです。
幕末に熱く生きた人達は、命がけで生きてたんですよね。
だから、迫力も説得力もあり、魅力的なんだと思います。
横井小楠は、確か龍馬とも交流があり、龍馬は横井小楠の影響も受けてたと思います。
幕末は、優秀な人や魅力的な人が早死にしすぎてると思います。
本当に、もったいない、、、。
戦争に関しては、敗戦から日本はいまだに完全には立ち直れてない気が、私はしてます。
かつての被植民地支配国である韓国・中国に対する賠償問題も然りです。
そして、第二次世界大戦以前や真っ只中では、「鬼畜米英」などと罵詈雑言に侮辱していた相手に対して、惨敗後は(如何に周辺諸国が軍事大国であろうと)アメリカ合衆国に国土を明け渡し(在日米軍基地)、媚を売り、尻尾を振るだけの「犬」に成り下がっています。
アメリカ合衆国から完全独立と韓国・中国と盛んな文化交流が復活したとき、日本は初めて「もはや戦後ではない」「日本は完全に立ち直った」と言えるのではないでしょうか?
現状日本のままでは、幕末・明治初期において、暗殺によって倒れた英傑たちに、顔向けできませんね。
いくら経済的に豊かになっても、テクノロジーが進歩しても、外交などでは、そのトラウマが、つっかえ棒になってる気がしてます。
また、周辺諸国からそれを見透かされ、国益を損なった外交をしてるように思えることが、、、あります。悲しいことです。
時々私は思うのです、かつて命がけで国事に奔走した幕末の志士たちは、今のような日本を夢見て熱い命を燃やしていたのだろうか?と。
勝海舟や、龍馬、松陰、高杉晋作、新撰組、徳川慶喜などのゆかりの地にいくたびに、そう思います。
明治生まれのお祖母さまが高知出身という友人がいました。彼が小さい頃いたずらして叱られる時の決まり文句が「悪いことばかりしてると竜馬さんが来るよ」
というのがあったそうです。
彼が「りょーまさんなんてしらないもん!」と口答えすると、
お祖母さまは「竜馬さんはね、ぼろぼろの着物を着て、体中毛むくじゃらで、右手に大きな刀、左手には鉄砲を持った大男なんだよ」と恐ろしげな声で彼に囁くように言ったそうです。
彼は私と同い歳なので、お祖母さまに叱られてたのは恐らく昭和30年代の終わり頃でしょうか。
その頃の子供なら十分怖がったのでは、と思います。
それにしても高知にはそんな話が伝わっているのでしょうかね。
幕末時代での土佐の庶民のでは、捨丸さんの仰る通り、龍馬は怖がられてたそうです。
龍馬は、幕府の要人や、薩長や各藩の要人と繋がりがあり、一方では人斬りなどとも繋がりがあったわけですから、庶民レベルでは関わり合いになりたくなかったのは、わかる気がしますね。
一度、そういう視点で描いた龍馬ドラマも見てみたいですね。
新鮮な龍馬ドラマになると思います。