時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

帰ってきたマーチンHD28カスタム

2016年06月19日 | 音楽活動

リペアに出していたマーチンHD-28カスタムが無事に退院してきた。

このギターをリペアに出したのは、今回で3回目。

けっこう維持費がかかってはいる。

だが、このギターへの愛着はひとしお。

なんといっても、私が初めて買ったマーチンギターだ。

というか、私が初めて買った舶来ギターが、これ。

十代の頃、ギターのカタログや専門誌を見ては、ずっと憧れていたマーチンギターだったが、貧乏学生には買えるわけもなく、ただただ手をこまねいていただけだった。

それだけに社会人になって、やっとの思いで2年の月賦で初めてマーチンを入手した時の感激は忘れられるものではない。

 

新品で買ったこのギターだが、手放さずに弾き続けているうちに、ン十年の月日が過ぎている。

 

経年変化のせいもあり、ここ数年塗装に問題が出てきて、まるで埃がこびりついたような外観になり、しかもいくらそれを除去しようとしてもとれないでいた。

そこで、思い切ってリペアに。

思ったよりリペア代はかかったが、退院してきたこのギターは、見違えるような外観になっていた。

まるで新品で買った時のような外観に戻った。

リペア代は、国産ギターなら1級品のギターが1台買える値段だった。

これまでの3回のリペア代を合計すると、舶来のブランドギターを新品で買える額になる。

だが、ン十年も私につきあってきているこのマーチンは、お金では換算できない存在。

 

新品のような外観になったこの子を見ていると、まるでマーチンの新品ギターを新たに買ったような気分だ。

 

すっかりきれいになったこのギターを改めて弾いてみる。

ギターを抱きかかえ、親指で軽くポロンと弾いてみると、自分では軽くポロンと弾いてるつもりなのに、かえってくる音は低音のブオーン!という音。

そう、まさに・・ブオーン!なのだ。深い。

この低音の響きは、さすがマーチンD28系。

そして、高音部の明るく光るようなキラキラ音。そう、高音には、まるで灯りがついているような鈴鳴り。

 

・・・やはり、こいつ、良いギターだなあ・・・と改めて実感。

こりゃ・・・やはり手離すわけにはいかないよ。

 

このギター、実はライブでは使ったことがない。

最近の塗装のくすんだ感じゆえ、なんとなく人前に出すのが憚られていたのだ。

だが、リフィニッシュされ、すっかりきれいになった今の状態なら大丈夫。

 

いつか人前に出してあげたい。

 

まあ、ライブでは使ったことはないけど、家ではしょっちゅう弾いてきたし(なにせ、何十年ものつきあいだ)、私が20代の頃に組んでたポップスバンドがスタジオでレコーディングした時は、大活躍させた。

その時は、まずは普通のエレキバンドとして、私はエレキを持ち、他にはドラマー、ベーシストなどと一緒に曲のベーシックを録音した後に、私は1人で再びスタジオに戻って、こもって、このマーチンHD-28カスタムを3回くらい音をかぶせた覚えがある。

その3回のうち、2回はコードストローク。右のチャンネルと左のチャンネルに音像を配置するようにミキサーに注文。

そして、もう1回は真ん中のパンポットに、このギターでリードギターを入れた。

そう、リードギターは、エレキではなく、このアコギで入れたのだった。

 

サウンドが出来上がってみたら、ライブではエレキバンドのサウンドの曲なのに、スタジオ録音バージョンでは、このアコギ・マーチンHD-28カスタムがサウンドの全体像を包み込み、このギター特有の深くてキラキラした音が、曲のサウンドに大きく貢献してくれた覚えがある。

低音の厚み、高音のキラキラが。

 

当初、メンバーは、ベーシックトラックにシンセストリングスを複数かぶせてサウンドの厚みを出すことを考えていた。

もちろん、シンセストリングスは欠かせなかった。

シンセストリングスをベーシックトラックにかぶせた後、私は更にこのマーチンを複数回かぶせることで、更に厚みを増そうと思ったのだった。

それは、やはりこのギターが持つ低音の厚みと、高音のキラキラ感が、絶対にサウンドの厚みに役に立つと確信していたからだった。

それは・・やはりこのギターがあったからこそだった。

 

その時レコーディングしたサウンドは、ライブでは再現はできなかった。

ライブではその曲は、セットリストの中の1曲・・という感じで、あくまでもライブの中間曲という感じだった。

 

だがもし、あのサウンドを再現できたら、ライブの中でも大事な位置にその曲を配置できたかもしれない。

もっとも、再現するとなると、このマーチンが何台も必要になりそうだが(笑)。

 

分厚いストリングス、複数のマーチンHD-28カスタム、両方が。

更に言えば、複数のカスタネットも(笑)。

 

 

まあ、なんにせよ、十代の頃さんざん憧れ続けて、社会人になってやっとマーチンを買った時に、自分が選んだギターが・・これ。

初めてのマーチン、初めての舶来ギターが、これ。

 

何回ものリペアーで維持費がかさんでいるが、私にとってはこのギターにはそれだけの価値があると思っている。

格別な思いいれがあるだけに、リペアは必要経費だね。

 

リフィニッシュにより、トップについてた傷も修復され、経年変化で色がくすんでいたのも明るくなり、ほんと・・新たなマーチンを買い直したような気分だ。

 

でも、これは新品ではない。慣れ親しんで愛用してきた1本であるのは間違いない。

 

新品でン十年前に買ったものを、自分が使い続けるうちにセミビンテージになっていってくれたら・・こんな嬉しいことはない。

 

 

 

 

 

 


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