無駄遣いなのかもしれない。
でも、飛びついてしまった。
このブログでも過去に「古い少年漫画月刊誌」に関して取り上げたことがあるが、これはその中の一冊「少年画報」の完全復刻版である。
昭和35年の1月号を、付録ごとまるまる復刻したものだ。
この月刊誌がリアルタイムで発売された時代には、150円であった。
でも、この完全復刻版は、送料込みだと6000円以上にもなった。
もちろん、物価の相場の違いもあるが、こういう商品はよほどの物好きじゃないと買わないだろうから、どうしてもこういう値段になってしまうのだろう。
付録はもちろん、紙質も、色合いも、本誌内のページのサイズも(ところどころ小さいサイズのページも、まるで付録のように混ざっている)、当時のまま。
これを、こういう商品専門店で、リアルタイム当時の現存するものを買ったら、さらに値段は高くなるかもしれない。
そういう意味じゃ、新品状態で、当時のままで入手できるのは、嬉しい。
昭和30年代に隆盛を迎えていた少年漫画月刊誌に興味をお持ちの方もいるかもしれないので、復刻されたこの「少年画報」の1960年1月号の本誌の内容を記しておこう。
実に盛り沢山な内容になっており、掲載されてるのは漫画だけではなく、絵物語、グラビアなども豊富。カラーページも豊富。その色合いは、今の感覚で見るとレトロで実に良い味を出している。
また、ページのサイズや色もバラエティに富んでいて、基本A4サイズの本誌の中に、ややA4より小さいページや、A4の半分以下の小さいサイズのミニページも含まれている。
本誌収録の作品は、主に以下の通り。
ちなみに、敬称略で失礼します。
●「義貞 暁の鎌倉攻め」 ・・・折りたたみページになっており、開くと本誌よりも横に長くなる。格調高いカラー挿絵に、歴史逸話の文章が簡潔に添えられている。
●「ばんざい、月世界一番乗り」・・・あの小松崎茂の臨場感あふれるイラストに、文章が添えられている。これまた折りたたみページで、開くと本誌よりも長い横長になる。
●「まぼろし探偵」 ・・・桑田次郎による、カラーページによる連載漫画。少年探偵漫画。
●「スロープシューターレースの紹介」・・・モノクロによる、写真記事(ニュース)。
●「赤胴鈴之介」・・・武内つなよしによる、カラーページを含む連載漫画。時代劇漫画。
●「わんぱく記者」・・・寺田ヒロオによる色つき連載漫画。ページサイズが、少し小さいサイズになっていて、そこがアクセントになっている。寺田さんらしい、ほのぼの系。
●「スーパーマン」・・・アメリカ・ナショナルコミックス社発行の漫画の日本語版。色つき。この回は、なんと!スーパーマンとバットマンが共演して力を合わせて敵をやっつける話だ。まさに夢のコラボ。カラーページ含む。
●「かみなり童子」・・・原作・川内康範 漫画・矢野ひろし 色つきの連載漫画。時代劇。
●「まぼろし探偵 かるた」・・・本誌閉じこみの付録。少し厚紙になっており、切り抜いて使う、かるた。ちゃんとした「かるた」になっている。絵はもちろんオールカラー。ちなみに、切り抜いて使わない場合、裏面は「人気者、早ならべ競争」という付録になっており、第44代横綱・栃錦関と、読売ジャイアンツ長嶋茂雄、その他の人気者の顔のアップによるお面・・というかブロマイド(?)が裏面に印刷されている。
●「豆パンチ」・・・わちさんぺいの色つき連載漫画。ほのぼのユーモア系作品。
●「ビリーパック」・・・河島光広の色つき連載漫画。アクション系?
●「スター仮面」・・・あそうしょう六の連載漫画。仮面ヒーロー作品。藤子不二雄さんの「シルバークロス」に少し似てるキャラ。
●「今年はぼくらの番だ」・・・大相撲の小結・柏戸(かしわど)関、前頭・若三杉(わかみすぎ)関、前頭・富士錦(ふじにしき)関の3人の力士と、相撲評論家・小島貞二さんとの対談記事。
●「怪人白銀仮面」・・・作・渡辺剣次、絵・吉田郁矢のコンビによる新連載探偵小説。江戸川乱歩の「怪人二十面相」系の作品か。
●「映画になった、まぼろし探偵 地底人襲来」・・・映画版「まぼろし探偵」の紹介記事。
●「科学のアンテナ」・・・科学の色々な雑学を紹介したコラム。
●「とんちダイヤル」・・・三遊亭小金馬による、とんちコラム。
●「そよ風吹之助(そよかぜふきのすけ)」・・・ムロタニツネ象による連載漫画。ギャグ時代劇。モノクロ作品。ただし、ページはピンク色。
●「ロッキー山脈の怪事件」・・・作・上野登史郎、絵・秋吉巒(らん)による、 読み切り小説。
●「びっくりニュースタワー」・・・世界の珍しいニュース紹介の記事。
●「質問なんでもこい」・・・ハガキによる、読者の質問に答えるコーナー。
●「青空大将」・・・山田常夫によるシリアスな時代劇漫画。モノクロ。堀江卓さん系の絵柄(?)。
●「小画クラブ」・・・本誌の半分以下のサイズのページに掲載されている、読者の投稿コーナー。やや水色系のページになっている。ちなみに「小画」とは、もちろん「少年画報」の略である。
●「恐怖の40分 航空物語」・・・文・田村一郎、絵・高荷義之による、物語。
●「南海 輝く日本一!」・・・プロ野球の写真記事。1959年、南海優勝の記事。
●「手塚先生の、まんが訪問 たこたこあがれ」・・・手塚治虫が、毎号色んな人を訪問する連載企画らしい。この号では「武者絵だこ」を作る人を、手塚治虫が訪ねた。正月号ならではか。文も挿絵も手塚治虫が担当している。今となっては貴重な企画かも。
●「あばれ剣法」・・・作・山手樹一郎、絵・石原豪人 による、時代小説。この作品は当時ラジオ東京で放送されていたらしい。石原さんの挿絵は、さすがに素晴らしい。
●「まぼろし探偵 仮装コンクール入選者発表」・・・読者がまぼろし探偵に仮装した写真を投稿して、それが掲載されていた。
●「宇宙びっくりお話会 月の裏側のぞいたら」・・・当時の五島プラネタリウム(今はない)の解説係長だった草下英明と、小学生のお話会。草下さんが子供たちに、月の裏側についてレクチャーしている。想像図や、月の裏側の写真なども掲載されている。
●「金星金太」・・・平川やすしの連載漫画で、時代劇と相撲漫画をドッキングした作品。モノクロ。
●「お正月 初笑い大放送」・・・色々なお笑いネタが詰め込まれた、バラエティ豊かな企画。漫画あり、小噺?)あり、ユーモア雑学(?)あり、落語あり、架空座談会あり、クイズあり、お笑い芸人かるた会あり、とんちあり、漫才あり、・・などなど、ページのあちこちに、色んなお笑いネタがごっそり詰め込まれている。漫画は、この月刊誌お馴染みの漫画家が担当している。また、漫画家から読者への年賀状もある。
●「だんがん選手」・・・石川球太の連載野球漫画。石川球太というと、後年の動物漫画のイメージや、劇画風の画風のイメージが強いが、この時代は丸っこい線だ。石川球太が野球漫画を描いていたとは・・。今となっては貴重な作品かもしれない。モノクロ。
●「さるとび佐助」・・・福田三郎の連載漫画。ユーモア時代劇。モノクロ。
まあ、本誌の方は、だいたい上記の内容である。
当時、少年月刊誌は、盛りだくさんな印象を持ってたが、その印象は今こうして改めて読んでみても変わらない。
そう、ともかく盛りだくさんな内容であることは間違いない。
いかに当時の少年漫画月刊誌が充実していたかが、よくわかる。サービス精神にあふれている。
本誌だけでもこんなに盛り沢山なのに、そのうえ更に付録が盛りだくさんだったのだから、子供の満足度は高かっただろう。
今の漫画月刊誌は内容は漫画ばかりだが、昭和30年代の漫画月刊誌は、上記の通りに漫画のほかにも色んな企画が目白押し。
目立つのは、時代劇作品が多いということ。時代劇モノが、当時いかに人気あったか・・という証明だろう。
この月刊誌の全体的な印象としては、なんとも豪華な、飽きさせない内容になっている。
付録に関してはまた改めて紹介したいと思っているが、とりあえず、この号にどんな付録がついていたかだけでも記しておこう。
付録
1、まぼろし探偵 かるた
2、別冊漫画「まぼろし探偵」
3、別冊漫画「ビリーパック」
4、別冊漫画「赤胴鈴之介」
5、別冊漫画「KO小僧(ノックアウト小僧)」
6、別冊漫画「豆パンチ」
7、別冊漫画「かみなり童子」
8、別冊漫画「風小僧」
9、別冊漫画「イナズマ君」
10、別冊漫画「鉄腕ベビー」
11、別冊漫画「とんちゃん」
12、人気者 早ならべ競争
もう・・なんていうか、信じられないボリューム。昭和30年代の少年漫画月刊誌のボリューム、恐るべし!
当時は、これだけの内容で一冊150円だったのだ・・・・。
手間ヒマかけて作ってたんだろうなあ。
今、これと同じボリュームの月刊誌を新たに発行したら、一冊いくらぐらいの値段になるのだろう。
つくづく物価の違いは恐ろしい(笑)。
↑ こんな豪華ケースにパッケージされて届きました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます