長らく続けてきた「復刻版・少年画報」紹介シリーズも、終わりが近づいてきている。
ずいぶんチビチビと時間をかけて紹介してきているが、今回は付録の「人気者 早ならべ競争」。
付録紹介シリーズとしては、その12で、ラスト。
この当時の少年月刊誌は、付録の数で競い合っていた。それがしのばれる、付録の数。
この号でも12種類の付録がついていたから。
で、この号の12大付録としては、ラストにカウントされてるのが、これ。
「早ならべ競争」。
この号の付録の最大の目玉は、「まぼろし探偵かるた」であった。
さらにそれに続いた多数の別冊付録の数、数。
おそらく、付録がはさまれた本誌は、付録で相当ふくらんでいたのではないだろうか。
この「早ならべ競争」は、どちらかというと、余白を利用したような付録だ。どうひいき目に見ても、他の付録に比べ、一段落ちる印象は否めない。けっこう「手抜き感」は・・ある。
というのは、この付録は、目玉付録の「まぼろし探偵かるた」の裏面に描かれているからだ。
かるたは、ご存知のように1枚1枚が小さい札になっており、それぞれ小さく切り離さなければ使えない。
だが、この「早ならべ競争」は、かるたの札が何枚分も描かれた紙の裏側に大きく描かれているので、もしも表のかるたの札が1枚1枚切り離されたら、この「早ならべ競争」の紙はバラバラになってしまい、使えなくなる。
つまり、読者は、表のかるたで遊ぶか、裏の「早ならべ競争」で遊ぶか、二者択一しなきゃいけない。
表のかるたを選んだら裏の早ならべ競争は遊べない。裏を選んだら表のかるたは使えない。そんな関係になっている。
一見、究極の選択にも思えるが、実際には・・そうでもない。
というのは、おそらく大半の読者は、目玉付録であるかるたで遊ぶ方を選ぶであろうから。
表のかるたを選ばず、裏の早ならべを選んだ読者は・・・ほとんどいないのではないか。
・・・・とまあ、なんとも可愛そうな立場にも思える付録だが、この「早ならべ競争」には、6人の有名人の顔がアップで収められている。
どの人の顔も、A4サイズで、本誌の1ページ分と同じ大きさのスペースに収められているので、それぞれの有名人は、顔の「どアップ」という感じ。
もし自分がA4サイズの誌面に、顔がどアップで載せられたら・・・かなり恥ずかしいかもしれない(笑)。
ちなみに、収められている6人のリストを記しておこう。
・ まぼろし探偵
・ 南海ホークス 杉浦忠選手
・ 第44代横綱 栃錦関
・ 赤胴鈴之助
・ 第45代横綱 若乃花関
・ 読売ジャイアンツ 長嶋茂雄選手
上記の通りだが、このうち「まぼろし探偵」と「赤胴鈴之助」は漫画であるから、当然「絵」である。
他の4人は、実在の人物なので、写真である。
野球界から2人、相撲界から2人が選ばれている。当時人気絶頂だったという、いい証明だろう。
で、この付録の遊び方としては・・
「青色と緑色の組に分かれ、カードを早く正しく並べたほうが勝ち」
・・ということだ。
まぼろし探偵・杉浦忠選手・栃錦関の3枚のカードが緑色のカードになっている。
赤胴鈴之助・若乃花関・長嶋茂雄選手の3枚のカードが青色のカードになっている。
・・・・・??
カードを「正しく並べる」って、どういう基準が「正しい並べ方」なのか、イマイチ分かりづらい(笑)。
それに、「早く並べる」と言っても、青組も緑組もそれぞれ3枚づつしかカードがないので、遊び始めたら、あっという間に勝負は決してしまいそうではある。
そのへん、どうもこの付録の遊び方は、あいまいな感はある(笑)。
まあ、この「早ならべカード」は、目玉付録の「かるた」の裏面に印刷されているので、あくまでも「かるた」の裏面を真っ白くしておくぐらいなら、有名人の顔をアップで印刷して余白を埋めておこう・・それぐらいの意味でしかなかったように思えるから、遊び方は適当でもよかったのかもしれない。
そう、あくまでも「余白を埋める」・・それだけの意味合いの「付録」でしかなかったように思える。
ある意味、「苦肉の策」?
第1付録のかるたと、この「早あわせ」付録を比べると、第1付録ののかるたの出来に比べ、この「早あわせ」はどうも見劣りするのは否めない。
↑ かるたは上記の絵札や文字札を1枚1枚切り取って使う。
切り取ってしまったら、裏に印刷されてる「早あわせ」はバラバラになってしまうのは、上記の写真を見てもおわかりいただけるかと思う。
御覧の通り、絵札などは、かなりの出来である。さすが目玉付録。
なまじ、表のかるたが出来がいいだけに、余計に裏面の「早あわせ」が色あせて見えてしまうのは・・・まあ仕方ないかもしれない。
ちなみに、この「早あわせ」に使われた顔は、サイズがそれなりに大きいので、子供にとっては「お面」にもなりそうな気がした。
紙自体も厚紙になっているし。
単なる「早あわせ」カードとして使うには、紙質が上物。
ただ、付録としての扱われ方は「早あわせ」は、不幸な立場ではあったと思う。
それにしても・・・
この「早あわせ」で使われた力士や野球選手、こんなにアップで顔を使われてしまって、ちょっと恥ずかしくなかったかなあ・・・。
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