昔の少年雑誌には、その雑誌に連載している漫画家の自宅の住所が明記されてることがあった。へたしたら電話番号まで書いてあることもあった。
ページの隅っこのほうに。
どういうことかというと、ファンが先生に激励の手紙を出せるように、雑誌にその漫画家の住所や電話番号が記されていたのだ。「先生に励ましのお便りを出そう」という言葉と共に。
今なら先生のHPや、ファンに対応するためのメルアドなどが記されのだろうが、昔は先生の住んでる家(部屋)の住所や電話番号などが記されてたことがあったのだ。
今考えると信じられないことだが、これ本当。
編集者としては、ファンが漫画家に励ましの便りを出せば、先生もモチベーションがあがるだろうという、一応は「配慮」のつもりだったのかもしれない。
今はあれこれ個人情報の管理の問題や、セキュリティの問題なども社会問題として認識されているし、実際それらのずさんな管理による犯罪・事件も多い。
なので、もし今漫画家が連載している雑誌に、その漫画家の住所や電話番号などが記されていたら、大変なことになると思う。
少年雑誌に、漫画家の住所や電話番号が記されていた時代、それによる事件などはなかったのだろうか。
また、漫画家も、自分の住所や電話番号などが雑誌に載せられているのは、どんな気分だったのだろう。
嫌じゃなかったのかな・・。
その後、漫画家の住所や電話番号が雑誌に掲載されることはなくなっていったことを考えると、やはり何らかの事件みたいなものはあったのかもしれない。
電話番号が書かれていたら、仕事中にファンから電話がかかってきたら、はっきり言って仕事の邪魔になっただろう。
集中できないだろうし、またそれによって作品の完成のペースも遅れることになり、それはその漫画が連載されている雑誌にとっても不利益なことになる。
住所が書かれていた場合、地図を頼りに、その漫画家の自宅(あるいは仕事場)を訪れるファンもいたのではないかと思う。
怖いのは、その住所や電話番号を見てるのは、ファンだけとは限らないこと。
雑誌に掲載されていたのでは、ファンだけでなく不特定多数の人が見れることになる。
もしも、その漫画家になにがしかの不満を持つ人が、その漫画家の自宅や職場におしかけたら・・・?
迷惑電話をかけまくったら??
今の感覚で考えると、ちょっとゾーッとする。
巷ではエスカレートしたストーカーによる事件もあるから、なおさら。
当時は今よりはのどかで平和な時代だったのかもしれないが、どんな時代にも、色んなタイプの人はいるからね。
雑誌社の人や漫画家も、性善説で読者を見ていたのかもしれない。
今は・・・・悲しいことに、見知らぬ人に対しては性悪説で見ていたほうが良い場合は多い気はする。
昨今の様々な事件の報道を見ていると。
マンガの枠線の左側に、ありましたね。
ちなみに右側には、マンガの次週の予告の文句、
上側の欄には、雑学の豆知識、
下側はマンガ雑誌のロゴが、ありました(笑)
マンガ家さんだけでなく、芸能人や小説家のかたの
住所、電話番号なども、比較的オープンだったと思います。
更に、当時の少年マンガ雑誌には文通コーナーや、
懸賞の当選発表などで個人の住所なども、公開されていました。
一言でいって、のどかで良い時代でした。
昔でも、一部の異常者が、こういった個人情報を悪用して
犯罪を犯すことがありましたが、数は少なかった。
ボクたちの生活は、高度に発達した情報化社会のおかげで
格段に便利になりましたが、同時に人間のこころの荒廃という
負の局面も合わせ持つ時代に、なってしまったようです。
年月がたつにつれ、漫画のコマ割がより大きくなったり、ページの端っこまでコマがあるケースが多くなり、その結果ページの隅の余白がなくなり、そういう豆知識コーナーが減っていった気がしてます。
当選発表にも個人の情報が掲載されてたんですね。
個人情報の漏洩が社会問題化されてる今では、そんなことをしたら、大変なことになりそうです。
ホントに、今となっては、あの時代はのどかだったと思います。
当時でも、ああいう個人情報を悪用してた人はいたんでしょうが、今ほどではなかったんでしょうね。
確かに人間の心の荒廃には繋がってる気はします。
これだけ情報があふれかえってる時代で、皮肉なことだと思います。
本当に漫画雑誌や読書の子供たちにとって、のどかと言うかおおらかな時代だったんですね。
「中野区」とか「杉並区」とか「石神井」なんて地名を知ったのは、「○○先生に励ましの〜」のコーナーだったような気がします。
でも、実際にはファンレターを出そうなんて考えた事、なかったですね・・・あんなに夢中になって読んでたのに。なんでだろ?不思議だな?
昔は当たり前のように掲載されてました。
今のご時世を考ええるとうそのようです。
昔がおおらかだったのか、今がリスキーすぎるのか。
時代が変わった・・・と言ってしまえばそれまでですが。
たぶん読者というか、国民の意識が変わったのかもしれません。
ファンレター・・私も、出そうと思ったことはないです。
というか、どう書いていいかわからなかったからだと思います。
返信は来ないもの・・・ということも何となく察してましたし。
だいいち、本当に先生に読んでもらえてるのかなあ・・なんて思ってもいました。