「剣の道に魅せられた男たち 江戸の剣豪 列伝」という本を紹介。
これは、分類的には「図解」である。
紙質も良く、オールカラーなので、とても読みやすく、見やすい。字も大きめだ。
剣豪に興味があるが、あまりに専門的だったり、細かい文章ばかりな本はちょっと・・・という方にはお勧めできる。
テレビや映画や劇画の時代劇には、よく剣豪が出てくる。
忍者と共に剣豪という存在は、その伝説や逸話と共に、非常に魅力的で、興味を惹かれる存在。
カッコ良かったり、神秘的だったり、謎があったりする。
たとえ主役じゃなかったとしても、悪役だったとしても、チョイ役だったとしても、その存在感は物語の中で大きないろどりをそえてくれる。
主役だったら、なおさらである。
この図鑑は、実在した剣豪の中から、有名な人物を取り上げ、ある人物はその生涯を、ある人物はその流派の説明を、ある人物は人間関係を、それぞれ極めて簡潔に説明している。
その他、・・
● 「昔の剣豪と現代剣道が戦ったらどうなるか」とか「日本刀購入のための基礎知識」などの細かいコラム、
● 各流派の解説、
● 剣術以外の流派(居合や槍、鎖鎌など)の解説、
● 日本刀の歴史や解説、
● 有名な日本刀(例えば、「村正」「正宗」その他)の歴史や逸話や特徴の説明、
● 剣豪の暮らし
● 有名な勝負
● 流派地図
● 用語解説
などなど、バラエティに富んだ内容で、読んでて実に面白い。
この本で、剣豪にまつわる基本的なことを知り、その後より本格的な本に進んでもいいだろう。
この本を読んで、剣豪に関してより深く知りたくなる方もいるだろうから。
刀に興味を持った人は、刀の専門書に。剣豪に興味を持った人は、それぞれの剣豪を描いた小説などに。
武芸に興味を持った人は、それぞれの武芸の専門書に。
それぞれ進んでもいいだろう。
そういう意味じゃ、この本は剣豪を知るにはもってこいの入門書でもある。
入門書とはいっても、かゆいところに手が届くような記事もけっこうあるので、面白い。
ともかく、読んでて楽しく、見やすい・・というのが魅力の一冊。
私はこの本以外にも剣豪関係の本を持っているが、読みやすさや楽しさでは、この本が一番かもしれない。