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この日は、午前は襟裳岬を散策できたが、午後は襟裳から帯広までの移動だけで半日かかってしまった。
帯広に着いたら、天気は完全に回復していた。
この日の宿は、十勝川温泉にとってあったので、帯広駅から更にバスに乗り換えて十勝川温泉へ。
十勝川温泉は十勝川の川沿いにある温泉街で、大きな宿がいくつもある。
立地的には、平野の中だ。
宿に着いたらもう夕方だったので、この日はそのまま休息することにして、翌日どうするかを考えた。
宿にはレンタル自転車があるので、翌日はそれを借りて、十勝川温泉を自転車で散策することに決めた。
↑ 宿の窓からの眺めを、川にズームしてみた。
↑ これは最終日に撮った、部屋の窓からの風景写真。宿が十勝川ぞいにあるのがわかるだろう。遠くには橋が見え、更にその遥か向こうには山脈が。
↑ 最終日に宿のロビーで撮った1枚。
話によると、早朝6時頃から、近くの十勝が丘公園で、熱気球に乗れるという。
熱気球には私はそれまで乗ったことがなかったので、一度乗ってみようと思った。
熱気球は風などの影響を受けやすいので、朝6時の段階で、業者がその日飛ばすか飛ばさないかを判断するらしい。その判断は、宿の方で業者に確かめてくれ、その結果を内線で客室に連絡してくれるそうな。
で、もし飛ばすことになった場合、客はすぐに十勝が丘公園の熱気球乗り場に行かねばならない。
ということは、朝6時の業者の判断がわかるまでに、いつでも会場に行けるように着替えなどの仕度をすましておかねばならない。
となると、前日は早めに寝たほうがいいことになる。
とはいえ、私は翌日は5時くらいには目が覚めてしまった。窓の外は、またしても霧。
霧があたりを覆っていた。熱気球はどうなるんだろう、この濃霧でも飛ばすのだろうか・・などと思いながら一応着替えだけは済ましていると、5時半過ぎに私の泊っている部屋に内線があった。熱気球は飛ぶ・・という連絡だった。
思ったよりも30分ぐらい早い連絡だったが、すでに外出の準備は済ましていたので、問題なし。
宿から十勝が丘公園は歩いてすぐ。
そそくさと私はその公園に向かった。
↑ 宿から十勝が丘公園への一本道。あの坂道の途中に、十勝が丘公園はある。
すると、早朝にもかかわらず、けっこう客がいて、順番を待っていた。
私よりも早く乗り場に来た客はそこそこいて、すでに熱気球は飛んでいた。
あとは、順番待ちするだけ。
傍からみてると、熱気球はさほど高く飛んでるようには見えなかった。
↑ 熱気球は、先客を乗せて、すでに飛んでいた。
↑ 下から見上げてると、たいした高さには見えなかったのだが。
熱気球は、公園内に置かれた車とロープで結ばれ、一定の高さ以上には上がらないようにされていた。
なんだか少し残念な気もしたが、それがないと、どんどん高く飛びあがってしまうのだろう。安全面から業者はそれを避けたかったのだろう。
本音を言えば、熱気球でどこまでも高く上昇してみたい気もしたが、もしもの時のリスクを考えると、業者としてはそうもいかないのだろう。
↑ 熱気球が着地。客の入れ替えが行われる。
↑ あの籠に乗り降りするのは、ちょっと大変だった。誰か人が乗っていないと、すぐに浮いていってしまうのだ。
ほどなくして、私の乗る番がやってきた。
熱気球は初体験だったので、気持ちはハイになった。
で、上昇し始めてみると、傍で見ていたよりも視界は高かった。
↑ 熱気球を、籠の中から見上げてみた。籠にのらないと、撮れない写真。
↑ さあ、ふわっと浮き上がる。ふわっ。
↑ 遠方が見えてきた。 風が顔にあたる。 ♪私は風~~という歌が、あったっけ。カルメン・マキさんの歌で。
↑ 私は風~~ ←まだ歌ってる(笑)。
↑ 高所恐怖症の人には、キッツイかな。「こころ旅」の火野さんとか。
↑ カメラごしに見てばかりいないで、肉眼でもみろよ、自分。熱気球に乗る機会なんて、そうないんだから。
↑ とりあえず、無事に飛んでよかった。晴れてよかった。
上昇した高さは、さっき私が下で見てたぐらいの高さでしかなかったのだろうが、実際に乗り込んで下界を見下ろしてみると、思ったよりも高く、遠くまで見渡せた。
早朝の十勝が丘公園、中々爽快なり。
↑ 熱気球がどこまでも飛んでいかないように、こうして高さを地上からコントロールしていた。
↑ 高さはこのへんまでかな。個人的にはもっと高く上がってもいいんだけど。
その後宿に戻り朝食を食べた後、少し一休み。朝が早かったので、この日はすでに1イベントこなしたことになる。
で、少しお腹がこなれてきたところで、レンタル自転車を借りて、再度出発。
とりあえず、まずはガイドセンターに立ち寄った後、宿の窓から見えていた橋を渡ってみることに。
↑ 十勝川温泉の観光センターのそばにあった、大きなマップ。
流れる十勝川、中々広い。
場所は郊外とはいえ、車の流れが中々絶えない。この地にあっては、欠かせない橋なのであろう。
十勝中央大橋・・・という名の橋だ。
↑ 自転車でスイスイ。宿の窓から絶えず見えていた橋にやってきた。
↑ この橋、車通りが多い。けっこうひっきりなしだった。
↑ 十勝川。広大な北海道の大地を、ゆうゆうと流れる。
↑ 一応、「とかち川」の証拠です(笑)。
↑ 「とかちちゅうおうおおはし」。「十勝中央大橋」。
↑ カヌーで川下りするオプションもあったが、時間に縛られるので、パス。自由に過ごしたかった私。
その後、朝方熱気球に乗るために一度行った「十勝が丘公園」に行ってみた。
この後、この公園の後方(?)にある山の展望台まで登らなければならない。
自転車で山道を登るわけだから、けっこう苦労しそうだ。
なので、その前に一休み。
↑ 十勝が丘公園の看板。十勝川温泉の定番スポットかな。
公園には大きな花時計があった。ハナックという名前らしい。
十勝川温泉エリアでは、ちょっとしたシンボリックな存在のようにも思えた。
↑ 十勝が丘公園内の花時計、親子連れが、花時計の近くで休んでいた。
↑ 花時計、ハナック。
ハナックのそばでしばし休息をとった後、いよいよ十勝が丘展望台への山道を登り始めた。
山道を自転車で登るわけだから、きつくないわけがない。
それはわかってはいたのだが・・。
↑ さて・・・あの山道を自転車で登っていくのだ・・。きっと、しんどいだろうな・・。でも、行くしかない。ならばいつ行くか?今でしょ。
坂が始まってほどなくして、私は自転車を降りて、押して登っていくことに。
最近の普段の運動不足が祟ってか、想像以上にしんどい。
ちょっと登っては休み、ちょっと登っては休み・・を繰り返すはめに・・。
吹きだす汗が止まらない。
どうにもとまらない。噂を信じちゃいけないよ。もう、どうにもとまらない。
ヒーハー、ひぃはぁ。フウ・・ふう・・。
や、やっとの思いで、展望台到着。どれぐらい時間がかかったろう。
自分の軟弱な体力が恨めしくもなった。
そういえば、小豆島に行った時、かなり長くて高い山道を自転車で登ってきている人がいたが、その人の体力はとんでもなく思えた。いやはや、あの人はすごかった・・。
展望台につけば、その展望の良さに疲れは吹っ飛ぶかと思ったが、これがすぐには中々吹っ飛ばなかった。
おまけに、動いている間よりも、停まってからの方が、汗の吹きだし方が多いような気もしてくるから始末が悪い。
その展望台の名前は「十勝が丘展望台」。確かに眺めはいい。
遠くまで見渡せた。
平野が広がっており、その様には北海道らしさを感じた。
遠くには山脈が続いているのもおぼろげに見えた。
↑ いや~、しんどかったっす。やっとこさ、とうちゃこ。十勝が丘展望台。
↑ 十勝川温泉きっての展望スポットなのだろう。
↑ だだっぴろい平野が広がっていた。
↑ 遥か向こうの山にズーム。
↑ この展望台、車で来れば、すぐに着いてしまうんだろうなあ。自転車で登ってくるのはきつかった。でも、自転車には帰りは「下り」の風を感じる御褒美がある。いっさいペダルをこがなくても、引力が勝手に私を運んでくれるはず。
↑ この展望台、どこかに日よけの屋根があってほしかった・・。
それはいいのだが、展望台のある山自体の高さは、それほどでもないはずなのに、あんなに疲れ果てるとは、トホホ・・。
十勝が丘展望台には、日差しを遮る場所がなく、照りつける太陽をもろに浴び続けることに。あっという間に減る、ペットボトルの飲料水。
眺めはきれいだったはずなのだが、それ以上に疲労感のほうが強烈に記憶に残ってしまった。
そこまでの道はずっと登り坂だった。ということは、同じ道を帰る時は、ずっと下り坂。
さぞかし気持ちいいことだろう。
それが救いであり、楽しみでもあった。
登りに苦労したぶんだけ、その爽快感は格別であろう。
太陽に照らされ続けながらも、せっかく来た十勝が丘展望台の眺めをしばし眺めた後、私はその場を離れることにした。
そう、お楽しみであり、登り坂のご褒美でもある、下り坂を。
坂道を下ったら、さきほど行った十勝が丘公園に戻り、そこでかき氷を食べよう。
頭の中は、かき氷を食べる自分の姿でいっぱいになった(笑)。
そうなると、もういてもたってもいられない。
一気に下り坂を私は下り始めた。
ぐんぐん出るスピード。ペダルを踏んでいないのに、加速していく。
風が顔にあたる。体にあたる。
火照った体が風を欲していたが、この瞬間報われた。
坂は「登りの時はごめんな。この下り道で、勘弁してくれ」「さっきはよく頑張ったな。これはご褒美だぜ」とでも言っているかのようであった(笑)。
ブレーキをふまないと、カーブが危ない。対向車が来たら危険。
ところどころブレーキを踏みながら坂道を下っていったら・・・
あら??
すぐに終わってしまった。
もう終わり???
登りの苦労はなんだったんだ?
あっという間に坂は下りきってしまった。
大した距離じゃなかったのだ、その坂は。くねくね曲がってはいたけれど。
下りは、ものの1分たらず・・に思えた。実際にはもう少しかかったのかもしれないが、それぐらい短く感じた。まるでワープだった。
さて、十勝が丘公園で、かき氷を食べた後、私はそこからちょっと離れた「十勝エコロジーパーク」に自転車で行ってみた。
↑ 十勝エコロジーパーク内の池。
↑ 同上。水面は穏やか。
↑ このパーク、歩きだけでルート踏破すると、けっこう時間がかかるだろう。かなり広いから。
園内は、子供向けのアトラクションや、キャンプ場やコテージを備えた、自然公園という感じ。
歩いてまわったのだが、これが中々広い。散策道はあれこれ入り組んでおり、全部を踏破するのは、炎天下の中だときつく思えた。
いったん屋内に戻った後、「この暑さのもと、園内をすみずみまで歩くのはしんどいので、自転車で周れないものか・・・」と思い、自転車で園内を周っていいかどうかスタッフに聞いたところ、あっさりOK。
そこで、その公園まで来るのに乗って来た自転車を園内に持ち込み、自転車に乗って再出発。すると、歩きで周っていたさっきまでとは印象が全く違った。
色々交差する、盛りだくさんのルートは、自転車で周るにはもってこい。
一気に楽しくなった。
入り組むルートがいちいち楽しく、爽快。
というか、この公園は、自転車で周るのが一番なのではないかと思えた。
むしろ、自転車で巡るために設計された公園のようにも思えた。
↑ 一応、パーク内の湿原展望スポットなのだが、高さがないので、イマイチ湿原を実感できなかった。バードウォッチングに良いらしい。
↑ 自転車でスイスイとパーク内のルートを走っていたら、いつしか川べりまで出てしまっていた。ルートは、自転車で周るには、もってこい。
広い敷地内、それなりに変化のある豊富なルート。
歩きで周っていた時は、やたら虫にまとわりつかれたが、自転車で一気に進むと、虫は関係なし。
気の向くままに、ルートを探索してまわり、最後は一番遠回りっぽいルートを選んで進んでいたら、いつの間にか十勝川の川沿いまで出ていた。
??? もしや、パークの敷地をいつの間にか出てしまっていたようだった。
↑ 十勝川の川べり。
自転車で園内を周る・・・という条件をつければ、このパークはお勧めだと思った。
さて、時計を見れば、そろそろ夕方。
私は宿に帰った。
この旅行の最後の夜を過ごすために。
つづく。 (←軽やかに) 残り、あとわずか。
懐かしい名前が登場すること、たっぷり読ませていただけることに惹かれて、ご挨拶もせずに読者登録致しました。どうぞよろしくお願いします。
35年以上も前に、襟裳岬を訪ねたとき、本当に何も無かったなぁと思い出しました。
コータローの「岬めぐり」を頭の中でリフレインしながらドライブしていました。
書き込みと読者登録、ありがとうございます。
長文が多くて、すみません。
35年前に襟裳岬に行かれたのですか?
アクセスに苦労しませんでしたか?
でも苦労の分だけ、到着した時は感慨深かったのではありませんか。
岬めぐり、、私はその歌は遠い能登半島あたりをイメージしたんですが、実は三浦半島がモデルだったことを知った時は、意外でした。
これからもよろしくお願いします。