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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ドラマ「妖怪人間ベム」を、今振り返る

2012年01月29日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

さて、そろそろ「妖怪人間ベム」のことでも書こう。

2011年、秋の日テレのドラマ群の中で健闘した、ドラマ版の「妖怪人間ベム」のことを。

はじめ、ベムがドラマ化されることを知った時、私は嫌な予感がした。

というのは、私は幼少時代にアニメ版の「ベム」(リメーク版ではない、オリジナル)にどっぷりハマっていたから、思い入れもひとしおだったからだ。

ドラマ化される随分前に、このブログでもベムのことは取り上げたことがあるくらいだ。

こちら→  http://blog.goo.ne.jp/banbo1706/e/8e5009d866eb33367cf0c4d01d020378

 

上記のリンク先の記事で書いたベムのネタは、漫画版のベムが復刻されて、漫画の中でベムの素性や設定が明らかにされており、オリジナルのアニメ版では謎だったベムの正体について触れたネタであった。

・・まあ、それほどベムは私の中で思い入れの対象だったわけである。

なので、今ベムがドラマ化されて、めちゃくちゃにされてしまったらどうしよう・・・そんな思いがあった。

過去の名作を、現代風という口実のもとで、製作者のエゴ丸出しでリメークされると、ろくなことがない・・・という前例は多かったからね。

なので、ドラマ版のベムが始まった時、期待感もあったが、それ以上に不安感の方が大きかった。

 

で・・・始まった。 見た。 目を凝らして。 これ見たさに、飲み屋を早めに切り上げて帰宅したくらいだった。

すると。

 

冒頭のほうで、見たことのあるカット割り、画面構図で映像が流れ、そしてナレーションが流れた。

こ・・これは・・・・ 

それは、あの懐かしいアニメ版ベムのオープニングを、カット割りや構図やナレーションまで、ほぼ当時のコンテのまま実写で再現した映像ではないか!

もちろん、ナレーションの言葉は同じで、ナレーターも同じ。

そして、画面構成・構図も大体同じ。

その時の私の反応は、「そうそう、こういう感じ」「こうでなくっちゃ!」。

いきなり「つかみはオーケー!」って感じで、オリジナルのベムへのリスペクトが感じられたのが、実に嬉しかった。

この瞬間、このドラマ、仮にある程度の不満があったとしても、目をつぶろうと思った。

そして、ドラマ本編に入る。

ベラはイメージ通り。よっしゃ!いい感じ。オリジナルのヘベラへのリスペクトであふれていた。話し方も、容姿も。杏さん、カッコイイ。

ベロは、オリジナルとは感じが若干違うが、演じる福君の可愛さで許せる範囲内。

だが、ベムは・・・オリジナルと随分違う。

まず、ベラより背が低い・・ってのが気になった。それと、マッチョじゃない体型、スキンヘッドじゃない頭にも。

それと、3人が妖怪人間に変身した時・・特にベラの着ぐるみ(?)には、少しチープ感を感じた。

 

これが第一印象だった。

亀梨さんのベムは、オリジナルとは別物とみなすことで自分を納得させ、回数を重ねて見続けていると、徐々に見慣れていった。

やがては、「これはこれで、ありだね」と思えるようになった。

物語の方は、オリジナルはおどろおどろしく怖い作品であったが、このドラマ版は決して恐怖ものではなく、おどろおどろしさもない。

その代わり、現代社会の人間の心に救う闇が描かれ、それに対峙するベムたちの苦悩・・・自分たちのアイデンティティにかかわる苦悩が主体になっており、見ていて、悲しい物語になっていた。

妖怪人間であることの悲しさはオリジナルでも描かれていたが、ドラマ版ではベムたちの敵は妖怪ではなく、人間の闇であったという点を考えれば、オリジナルよりもより悲しく、大人の物語になっている印象があった。

なにせ、ドラマ版のベムは、毎回「敵役」になるのが人間だから、ベムたちは「敵役」を倒すわけにはいかない。それをやったら、物語中でのベムの言葉を借りれば「ただの妖怪になってしまう」ことになる。

人間が持っていない特殊能力を持つ妖怪人間は、普通の人間とまともに戦ったら負けるわけがない。

妖怪人間は、普通の人間は勝てる相手ではないのだ。

敵が妖怪であれば、ベムたちもある意味心置きなく(?)戦えるだろうが、相手が人間では、自分たちのアイデンティティを考えればやっつけるわけにはいかないのだ。

 なので、敵役である人間を、やっつけるのではなく、悪事をやめさせる。

大人の鑑賞にたえる現代ドラマということを考えると、オリジナルにあった設定「正義」を前面に出し過ぎると、青臭くなりすぎる。

正義というものを掲げて大人のドラマにすると、その曖昧さから言って無理もあるだろう。

「片方から見れば悪でも、もう片方から見れば、それは正義」だったりもしてくる。

ベムたちが持ってた「正義の心」を「善」と捉え、人間は善悪あわせもつ存在という捉え方での締めくくりは、無難だったと思う。

 

ともかく、思った以上にドラマ版「ベム」は良かった。少なくても悪くはなかった。

オリジナルの「ベム」に思い入れを持ってた私でも、面白く見ることができた。

アレンジされてた部分も、納得できた。

アレンジされながらも、そこかしこにオリジナルへのリスペクトも感じられた・・という点もよかった。

 

オープニングを見てていつも思っていたのだが、「妖怪人間ベム」はハリウッドなどでリメークしてもおかしくない気がする。

オープニング映像では、どこかアメコミみたいな雰囲気も感じたし、だいいち「ベム・ベラ・ベロ」という名前自体が、日本人系の名前ではない。

オリジナルアニメ版では、3人の顔は日本人離れしていたし、町や建物の外観などは非常に無国籍な雰囲気にあふれていた。

妖怪人間に変身した姿なども、決して和風なデザインではなく、海外のモンスター映画が似合いそうな感じだった。

オリジナルは」あまり日本を感じさせない作品であったし、そこがまた独特の世界観を持ちえた要素だったろう。

そして、今回のドラマのオープニングでの「妖怪人間ベム」のロゴも、外国風な気がした。

なので、ハリウッドでリメークされても、違和感はないと思う。

 

実現したら、さしずめ・・・  MONSTER MAN   BEM ?

 

 

なお、写真は、アニメバージョンでリメークされたベム。

 

 


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