時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

ウクレレと私

2019年08月27日 | 音楽活動

私が初めてウクレレを買ったのは、高校時代だった。

当時すでにギターは弾いていたが、何かギター以外の楽器も弾きたくもなっていた。

だが、貧乏な高校生には、まとまったバイトでもしない限り、普段の小遣いでは、とてもじゃないが楽器などは買えなかった。

しかも、毎月の小遣いはレコード集めに消えていたし。

 

でも、何かギター以外の楽器にも手を出したかった。

そんな時、手ごろだったのが、オカリナであった。高校生でも買える値段だったから。

そして、実際にオカリナは買ってみた。それも、複数。

オカリナを買ったのは、中学時代に音楽の授業で使っていたリコーダーが好きだったからで、休み時間などには学校でもよく吹いていたので、笛というものが身近だったからだ。

 

で、買ったオカリナを気分転換に吹いたりしていたのだが、やがて・・やはり弦楽器がほしくなってきた。普段ギターを弾いていたから、どうしても弦楽器の方が、より自分に馴染み深くも思えたし。

だが、ギターとなると何万円もする。

それに、一応・・安物だったけど、ギターは持っていたし。

となると、ギター以外の弦楽器を弾いてみたくなっていた。

貧乏な高校生でも買えそうな弦楽器・・となると、選択範囲は狭かった。

そんな私が目を付けたのが・・・ウクレレであった。

 

もちろん、ウクレレにもピンからキリまであった。

マーチンなどもウクレレを作っていたが、とてもじゃないがマーチンの新品ウクレレなど買えるわけがなかった。

そんな金があったら、ギターを買ったほうがよかったし。

 

ウクレレなら、楽器屋だけでなく、店によってはレコード屋でも売られていた。

カスタネットやオカリナなどの小物と共に、商品の陳列棚に置かれて、売られていたりした。

しかも、安かった。これが楽器屋で売られているウクレレなら、もっと高価なものもあったのだろうが、なにぶんそこはレコード屋。

楽器の専門店ではなかった。

だからこそ、学校の音楽の授業の教材で生徒が買いにくるのをターゲットにして陳列されていた、安物だったのだろう。

そう、それこそ「申し訳」程度に。

当然、選択の幅などなかった。楽器屋なら、何本もの同種の楽器を弾き比べて購入することもできたかもしれないが、レコード屋では、1本か2本置かれていただけだった。

値段は3000円くらいだった。

この値段なら・・なんとかなりそうだった。

 

そこで、毎月小遣いの中から1枚づつ買っていたLPを、ある一か月だけは我慢して、貯めて、翌月に思いきって買ったのだった。

 

その時は、ついにギター以外の弦楽器を入手したわけで、嬉しかった覚えがある。

 

確か・・吉田拓郎さんがギターを弾く前にはウクレレを弾いてて、いざギターを入手した時、当初はウクレレ方式で弾いていた・・という話を耳にしたことがあったので、ギターが弾けるならウクレレもひけるだろう・・という安易な気持ちで私はウクレレに手を出したのであった。

 

だが、いざ入手してみると、思ったほどにはウクレレは弾かなかったと思う。

もちろん最初は弾いていたけど、なんというか、ギターにあった「低音弦」がない分だけ、物足りなく思えてしまったからだったと思う。

とはいえ、せっかく買ったのだから、「たまに気分転換で弾く」ぐらいはしていたけれど。。

ちなみに、ウクレレを買ったばっかりの頃、ウクレレを持つと条件反射的に弾いてしまっていたのが、牧伸二さんの「♪ あ~やんなっちゃった」であった(笑)。

 

 

やがて大学生になり、カセットデッキが2本入れられるダビングデッキを入手して、自作曲の多重録音を始めた時には、ウクレレはそれなりに導入した。

ウクレレで弾き語りしたり、ウクレレでリードギター(?この場合、リードウクレレか?)を弾いてみたり。

だが、入部した音楽サークルの練習や、学園祭でのライブみたいな「人前で弾いて歌う」場所には、ウクレレを持っていったことはなかった。

 

結局、私にとってウクレレは、多重録音の時のバリエーションのひとつにしかならなかった。まあ、それでも不満は感じなかった。

ウクレレを本格的に極めようとして普段練習している人にとっては、そんな私のウクレレの扱いは失礼だろうと思う。

 

その後。

年月が過ぎ去って、ひょんなことからウクレレの教則ビデオを楽器屋で発見し、なんとなく買ってみた。

そして帰宅してそのビデオを観たら、目からうろこだった。

その教則ビデオでウクレレを弾いていたのは、オータ・サンというウクレレの達人だった。

 

ウクレレがこんなに深い楽器だったとは・・・と、びっくりした。

改めてウクレレの奥深さを教えられた気がした。

 

もっとウクレレを弾いてみよう・・と思い、私は中古楽器専門店に行った。

その店では、高価なウクレレも売られているのを知っていたからだった。

 

で、その中古楽器屋で、私は思い切って、マーチンのウクレレを中古で買ったのだった。

 

値段は数万円したと思う。だが新品で買うよりは安い。

 

で、購入したマーチンウクレレを家で弾いてみたのだが、これが甘くてトロンとした良い音がした。

高校の頃に買った3000円のウクレレとは、深みが違った。

 

あらためて、これはギターとは別の楽器であることを認識した。今にして思えば、当たり前のことだが(笑)。

それまでは、私はウクレレをギターの変形バージョンみたいな捉え方をしていたと思う。

へたしたら、簡略化したギター・・そんな捉え方だったと思う。

 

もっとウクレレに向き合ってみよう・・そう思って日々を過ごしていたら、ある時そのマーチンウクレレのボディが割れていたことに気付いた。

真っ青になった。

たぶん、掃除か何かの時に、うっかり落とすか、衝撃が当たって割れてしまったのではないかと思うのだが・・。

 

ショックだった・・。

思いきってウクレレを買い直すことも考えたが、別のウクレレを買ったら、ボディが割れたマーチンウクレレはますます弾かなくなるだろう。

それだとそのマーチンウクレレに申し訳ない。

 

そう思うと、中々買い直すことができないままでいる。

かといって、ボディが割れたウクレレなど、いくらそれがマーチンのウクレレであっても、楽器屋が買い取ってくれるとも思えず。

 

で、今だにそのウクレレは我が家にあり、眠っている・・。

 

 

ハワイに行く機会でもあれば、現地で「自分へのおみやげ」がてらで、カマカのウクレレでも買ってきたいところだが・・。

カマカのウクレレは日本でも売っている店はあるが、あくまでもハワイ現地で、ハワイに行った記念に買いたいと思ってるが、ハワイに行く機会は自分には中々訪れない。

 

かくして、我が家のウクレレは、当初私に失礼な扱われ方をし、二台目のマーチンウクレレはアクシデントでボディが割れ・・・どうにもかわいそう。

 

マーチンのウクレレを修理に出す選択肢もあるが、修理代の額によっては、新たに別のウクレレを買えるような値段になりそうな気もしている・・。

 

もしも3台目のウクレレを入手することがあれば、今度こそしっかり向き合いたい。

 

このままじゃ、ウクレレに対して申し訳ない限りで、どうもいけない。

 

ウクレレの音色って、実に可愛くて優しいんだよね。

 


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4 コメント

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Unknown (鮎川愛)
2019-08-27 22:38:11
だんぞうさんは、本当にとっても優しい御方ですね。

以前、赤坂ライブの際、だんぞうさんの友達がおっしゃっていた通りです。

「だんぞう君は、本当に優しいからね」と。

ウクレレ・ボディが壊れたなら、買い替えることは、やむを得ないと、誰しも考えることです。

ひどい場合は、素っ気なく捨てることも…。


しかし敢えて買い替えることもせず、もちろん捨てることもなく、今でもだんぞうさんに保護されているウクレレは、本当に喜んでいますよ(笑)


さて、ウクレレと言えばハワイアン。

ハワイアンと言えばウクレレ。

だんぞうさんのオリジナル楽曲にも、ハワイアンがありますか?

それとも一般的な楽曲でも、伴奏にはウクレレがふさわしいものがあるのですか?
返信する
Unknown (だんぞう)
2019-08-28 17:03:45
自分では、自分のことをあまり優しいとは思ってないんです。
ドライなところもあると思いますし。

ウクレレに関しては、ブランドがマーチンだから、そういう気持ちになってるんだとおもいます。
マーチンというブランド名に、それだけ私が思い入れがあるからなのでしょうね、きっと。

マーチンへの愛情は、自分の中に確実にあると思います。


ハワイアンっぽい自作曲ですか?
ありますよ。
かなり意識して、ハワイアンっぽいメロディーをつけた箇所がある曲があります。
ウクレレやスチールギターが似合いそうな曲で、「パイナップルの夜」という自作曲のスロータイプバージョンです。
返信する
Unknown (捨丸)
2019-08-29 23:52:54
子供の頃うちにありました、ウクレレ。
当時我が家にはおじが同居してまして、私が生まれた昭和三十年代にハワイアンバンドをやってたそうです。

元々ギターなんかが好きで我流でやってたらしいのですが、ある日友人からバンドに誘われてウクレレやスチールギターを弾いていたようです。

バンドを辞めた時、場所をとるスチールギターは置いてきたそうですが、ウクレレは持って帰ってきたみたいです。
バンドをやってる当時の写真も見ましたが、お揃いのアロハにリーゼント、おじは首にレイをかけてスチールギターを演奏してました。
アマチュアながら色んな所に呼ばれて演奏していたそうです。

おじにウクレレを教えてもらった事があります。もちろんちゃんとした曲ではなく、あの頃の子供たちならみんな知ってるあの名曲(笑)
そう♩あ〜あ〜あああ、やんなちゃった、あ〜あ〜あんがあんが驚いた♩です。

小学校のクラスのクリスマス会で、友人と二人でこの曲を歌ったのですが、たまたまそれを見かけた教頭センセに「もっと子供らしい歌を歌いなさい」と、お小言をいただきました。
これがほんとの♩あ〜あ、やんなちゃった、あ〜あ、驚いた♩でした(笑)
返信する
Unknown (だんぞう)
2019-08-30 10:25:27
昭和30年代あたりは、ハワイアンが日本では大人気だったらしいですね。

そういう話は聞いています。

ロックバンドがまだ一般的ではなく、その代わりにハワイアンバンドが主流だったのでしょう。
もしくはスイングジャズあたり。

リーゼントでアロハですか?
リーゼントは少し不良っぽいイメージがあったと思うので、もしかしたらハワイアンも不良っぽいイメージがあったのかなあ・・。
まあ、そのへんのことは私には分かりませんが。


今でこそウクレレも多様なイメージを持たれてますし、ウクレレミュージシャンも多いですよね。
でも、私が子供の頃はなんといってもやはりマキシンさんでした。

ウクレレ持つと誰もがマキシンの歌を歌ってましたっけ。
そう、あ~~やんなっちゃった・・ですね。
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