先日、時間があったので、昔買ったDVDを見返してみた。
そのDVDとは、NHK少年ドラマシリーズの「幕末未来人」。
このシリーズのDVD化がなされた時に購入した作品なので、入手して初めて見たのは今からかなり前のことになる。
購入した時に見たきりで、その後見返してなかったので、かなりの部分を忘れてしまっていた。
なので、たまには見返してみようと思い立ったのだった。
で、見返してみて。
やはり、かなりの部分を忘れていた。
覚えていたのは、ある実在の侍が主人公たちとかかわったことと、ラストシーンだった。
あとはほとんど忘れていた。
なので、新作を見るに近い感覚で見返すことができた。
ともかく、面白かった。
見始めたら先が気になって、やめられなくなってしまった。
これは・・昭和の高校生2人が、ひょんなことから幕末時代にタイムスリップする話。
もっとも、この作品の中では、「タイムリープ」と言っていたが。
「タイムスリップ」という概念は今ではかなり一般的だが、このドラマが制作された当時は、タイムスリップという言葉はなかったのか、あるいは一般的じゃなかったのもしれない。
そう、この作品は、タイトルでもわかるように、タイムスリップものである。
物語は和田と伊藤の2人の高校生がひょんなことから幕末時代にタイムリープ(タイムスリップ)してしまうところから始まる。
幕末の時代に行ってしまった2人は、現地で異人(外国人)の娘を助けたことから、その異人の家族と面識ができる。
ちなみに、異人の娘の家族を狙っていた人物は実は剣の達人で、和田と伊藤にとっては、その後大きく関わる敵になっていく。
その後、わけあり風な侍と面識を得て、行き場のない2人はその侍の家に居候することになる。
そのわけあり風な侍との関わりもあり、その後2人は幕末の事件などに巻き込まれることになる。
和田は昭和の時代では、どちらかというとガリベンタイプであったようだ。
伊藤は昭和の時代で勉強は苦手だったようだ。だが、順応性は高く、スポーツ的な筋はいいタイプだったようだ。
やがて二人のその資質は、幕末で生きていくうえで、生き方の違いに結びついて行く。
和田は、やがて桂小五郎との知己を得る。
一方、伊藤は沖田総司との知己を得る。
それぞれのこの出会いが、2人の生き方や考え方を変えていくことになる。
桂小五郎は、皆さんもご存知のように幕府を倒し、新政府の中心人物になった人物。
昭和に帰りたくて仕方なかった和田は、桂小五郎に協力すれば昭和への帰還に繋がるのではないかと思うようになった。
一方、伊藤は、昭和の時代では自分らはもう死んだも同然と考えた。なので、幕末の時代に順応し、幕末の時代に生きていく覚悟を決めるようになった。幕末の時代というものを気に入ったようだった。茶店(?)でチンピラ侍(その中には、前述の宿敵もいた)に絡まれたところを、たまたま沖田に助けられたことをきっかけに沖田に心酔するようになり、沖田を慕って剣術を学び、新撰組に入隊することに。剣の素質を、沖田に認められたことも大きかった。
伊藤や和田の面倒をみてくれた「わけあり侍」を殺した「敵」に仇打ちをするため・・というのも伊藤にとっては大きなモチベーションになった。
歴史の流れでは、沖田総司の所属する新撰組は、やがて消える運命。
それを知ってる和田は、伊藤には新撰組入隊をやめさせようとする。
すると伊藤は、必ず勝つと決まっている方につくようなマネはしたくないと言い放つ。
幕末にタイムスリップした場合の現地での生き方の違いや、考え方の違いは見ていて面白かった。
私がもし幕末にタイムスリップしてしまったら、どちらの生き方を選ぶだろう・・そんなことを私は考えてしまった。
案外、和田のタイプになりそうな気もするが、現地に行ってみたらわからないだろう。なにせ昭和に戻れる保証などないのだから。
生き方の違いはどうであれ、和田は、「禁断の書物」というものを持っていた。
それは昭和の時代に学校の授業で使う「年表」であった。
当然昭和の時代の「年表」には、昭和までの日本の歴史が記されている。
幕末の時代がどうなっていくのかも書かれている。つまり幕末の時代に起こる出来事の結末が書かれている。
実際「生麦事件」などのことを言い当てたことをきっかけに、和田の持つ「年表」を、まわりの幕末人たちから狙われるようになる。
幕末の人間にとっては、「年表」を利用すれば、いくらでも悪用もできるわけで。
特に伊藤や和田を利用しようとして、家に住まわせた悪徳商人にとっては、なんとか年表を手に入れて大儲けをしようとたくらんでいた。やがては、あくどい手口で、和田の持つ「年表」を書きうつしてしまう。
さて、年表を手に入れた悪徳商人は、その後どうするのか。
その後の日本の未来にも関わってくる大ごとを、その商人はたくらんでいた。
基本的に「年表」通りに時代は進んでいたが、奇妙なこともあった。
その奇妙なこととは・・基本的に年表通りに時代は進んではいたものの、様々な事件の起きるペースが年表よりも早まっていたことだった。
どうも、時空のひずみが出ているようだった。
そのためか、歴史上の有名人物の運命が年表とは違う結果になっていくことでも、それは明らかだった。
もし「タイムパトロール」みたいな存在があったとしたら、和田たちの持ち込んだ「年表」で歴史が変わっていってしまったら、時空犯罪扱いされるだろう。
また、和田と伊藤には、不思議な美少女との出会いもあった。その美少女は、なぜか昭和の曲「雪の降る町を」を知っていて、よく口ずさんでいた。幕末の時代にはなかった曲だ。
ちなみに、その美少女を演じていたのは、若き日の小手川裕子さん(なんと、小手川さんにとってはデビュー作!)。
その美少女は一体何者なのか。なぜ幕末の時代で昭和の曲を知っていたのか。
時空のひずみによって、幕末の日本はどうなっていくのか。
そして・・和田や伊藤の運命は??
様々な謎をはらんで、やがてドラマは結末に向かっていく。
これ以上のことはここでは書かないでおこう。
とりあえず、見終わると、あれこれ考えされられる内容になっていた・・ということだけは書いておこう。
少年ドラマという枠ではくくりきれない、幅広い世代に訴えかけてくる作品だったと思う。
視聴者に深く問いかけてくるような作品であり、決して軟弱な結末ではなかった。
昨今「JIN(仁)」「信長協奏曲」「信長のシェフ」「さむらい先生」をはじめ、タイムスリップものは人気がある。
なので、ぜひこの「幕末未来人」そのものをリメークしてもらいたいものだ。
少年ドラマとして埋もれさせておくのが、実にもったいない。
「お宝」のような作品だと思う。
タイムスリップものが人気がある今だからこそ。
同系の作品で「幕末高校生」という映画があったが、設定などは共通するものの、この「幕末未来人」と同じ作品というわけではない。
私自身「幕末高校生」も見た覚えがある。
その時この「幕末未来人」と共通する要素は感じた。
それもそのはず、「幕末未来人」、も「幕末高校生」も、どちらも眉村卓さんの小説を原案にして、それぞれアレンジした作品のようなので、設定が共通するのは当然なのだろう。
でも、アレンジの仕方は違うし、物語も違う。その「深み」で、私はこちらの作品の方が好きだ。決して「軽い」作品にはなっていない。
私はこのNHKドラマ「幕末未来人」そのものをリメークしてもらいたい。
大傑作だと思うから。
さて・・
あなたがもし幕末の時代にタイムスリップしてしまったら、あなたはどうしますか?
帰れる保証がなくても、元の世界に帰ることに固執しますか?
それとも、元の世界では死んだも同然なのだから、タイムスリップした時代に順応するようにしますか?
もし私が幕末へタイムスリップしてしまったら…。
しかも主戦場でもあった京都に…。
私なら、開明的・進歩的な先生方に「将来の危険」を告知に行きます。
横井小楠・佐久間象山・坂本龍馬など、彼らに「史実上の命日」を…。
そうなると、私が「歴史の歪み」を発生させてしまうことになりますね!
如何に優秀賢明な人物であっても、彼らが生きていれば日本の未来は、もっと自由で民主的な国民国家になるということが判っていても、恐るべき極めて非情な運命「暗殺」という史実は忌避させるべきではないのでしょうか…?
しかし、「いづれ近いうち自分が誰かの刃に倒れることは充分わかっている。
時代の宿命だ。
君の忠告には感謝するが、革新や動乱の時代に流血は付き物だよ」などと言われてしまえば、返す言葉が見つかりません(涙)
それで主人公の2人は、現代へ帰還することが出来るのですか??
中古か、ネットショッピングで探さないと、かかなか見つからないかもです。
でも、もしみつけたら、ぞのチャンスを掴んだほうがいいと思います。
面白いですよ。
歴史の流れを大きくかえてしまったような人物の運命を未来人が変えたら、もしタイムパトロールがいたら、捕まってしまうかもですね。
でも、気持ちはわかります。
ひとつ言えることは、歴史を政治的・思想的に大きく変えた人物は、それぞれの時代で、真の意味で命がけで生きていたということですね。
主人公二人の結末は、このような公の場所では書かないでおきます。
完全にネタバレになりますから。
ラストについては仰るとおり言わぬが花ってやつですが、当時はなんだか釈然としない気持ちでしたね。
NHKってなんだかタイムスリップものをたくさん制作してますね。
少年ドラマシリーズではその代名詞とも言える「タイムトラベラー」シリーズをはじめ、
この「幕末未来人」や「夕映え作戦」など枚挙にいとまがありません。
最近ではこれらの流れを受け継いだ「アシガール」なんて作品もありました。
またゴールデン枠の大人向け作品でも「幕末未来人」と同時期に制作された「およね平吉時穴道行」なんかは半村良先生の作品のファンだった私にとって好きな作品のひとつです。
また近年では阿部寛さんが主演の「あっぱれ夜十郎」がありました。あ、これも半村先生原作だ。
両作品とも歴史改変云々ではなく、娯楽作品でとても楽しめました。
タイムスリップものの定型というか、過去へ迷い込むのは歴史オタクの秀才タイプとスポーツ大好きの熱血直情タイプの二人。
海外の同系作品でもこの辺は変わりませんね。
「幕末未来人」や近年ヒットした「信長協奏曲」では日本史の年表や教科書が登場してるのが他作品と違うキモになってますね。
でも、なんの知識も過去世界で役立つ技術も、もちろん歴史が記された書物も持ってない、それ以上に自分の置かれた立場に抗う気力も持たない人間がタイムスリップしてしまったら・・・
かのいしいひさいちさんのマンガで「お百姓さんとして、のんきな一生を送りました」というのがありました。
うん、私はきっとこのタイプに違いない(笑)
「幕末未来人」リメイクされるとしたら、主役二人のうちどっちかは某男性アイドル事務所の子になるでしょうね。
でも、あの商人役はぜひ國村隼さんで(笑)
そういう意味じゃ、釈然としない要素はありました。
あとは視聴者の想像や判断しだい・・。
実は「タイムトラベラー」のDVDも私は持っています。
ただ、NHKに残されていたタイムトラベラーの映像は一部だけで、あとはテープに上書きされてしまい、映像が残ってなかったようです。
とりあえず、残っていた映像だけDVDで復刻した感じでした。
今考えると、もったいない限り。
昔は、番組をテープやDVDに収録して販売するというビジネスモデルが定かではなかったのでしょうね。
タイムトラベラーは名作の誉れ高い作品だったので、完全復刻されれば喜ぶファンはいたでしょうね。たくさん。
いしいひさいちさんの作品のその結末、一番現実味がありそうです(笑)。
あまたのタイムスリップものでは、タイムスリップした人はたいがい歴史上の出来事や人物にからみますからね。
幕末未来人がリメイクされたら、ジャニーズ系のタレントさんが使われそうな気もします。
ぼくは、この「幕末未来人」というドラマは知りませんが、
タイムスリップ、タイムトラベルに関する小説や漫画はだいすきです。
手塚治虫先生の漫画には、そんな話しがいっぱいありますね。
ただし、このタイムスリップについては、合理的に考えますと、いつもパラドックスに陥ってしまうんですね。
つまり、国家の歴史であれ、個人の人生であれ、過去に遡って修正はできない、ということなんです。
また、例え、タイムスリップで過去の歴史を体験したとしても、それに介入はできないし、
また、介入したつもりでも、結局は定められた事をやったに過ぎないと云うことなんですね。
(例えば、タイムスリップで過去に旅して何らかの活躍?をしたとしても、動かす事の出来ない歴史には「謎の怪人」の行為として記録されてるワケです。もちろん、歴史は毫末も動きません。)
まあ、この話しをしますと、結局は、「宿命論」の話しになっちゃいます。、、、とても面白いんですけど、堂々巡りになるんですね。、、、、でも、それでも飽きないです。
一人の人間がタイムスリップして過去へ行ったとして、
たどり着いた時代においてその人間は本来存在していなかった異物な訳です。
バタフライエフェクトなんていうカオス系力学を持ち出すでもなく、
異物はそこに存在するだけで事象に対してなんらかの影響を及ぼす訳で、
過去へのタイムスリップを扱った物語の多くが、それをモチーフにしていますね。
時代という大きな流れは、その異物を呑み込み何事もなかったかのように流れ続けて行くのか?
それともその異物をひとつの分岐点として新たな流れを産み出してゆくのか?
考え始めると頭がクラクラしてきちゃいます。
私はやっぱり「のんきなお百姓さん」でいいや(笑)
昔はタイムマシンで、過去と未来を行き来できる作品が多かった気がしますが、最近は過去の世界に偶然いってしまい、帰ってこれるか定かではないというパターンが多い気がします。
過去の世界にタイムスリップした場合、よく問題になるのがタイムバラドクスといわれる状況ですね。
タイムトラベルものにつきものの問題ですが、タイムスリップ自体が現実ではありえないので、タイムバラドクスの結果がどうなるのかは、結局は解決できてませんし、答えの出ない問題なのでしょうね。
もし未来においてタイムマシンがあるなら、未来から現代に来てる未来人がいるはずですが、そんな話は聞きませんから(笑)。
ただ、物語の設定としては、ほんとに面白いです。
会ってみたい歴史上人物は、多くの人がいるでしょうから。
その結果、命を落とす可能性もありそうです。
確かに、呑気なお百姓さんとして、庶民の中に埋没してるほうが、長生きできると思います。
へたに優越感を持とうとしたり、野望を持ったりして、人にひけらかしたくなると、墓穴を掘りそうではあります。
まあお百姓さんがのんきな一生を送るとは限りませんが・・・
年貢はきついわ、旱で飢饉になるわ・・・うう、そう考えるとあまり良い選択とは言えないかも・・・。
過去に行って誰に会うかを選べるのであれば、二十代前半の自分でしょうね、やっぱり。
これから起こる事、出逢う人間、こと細かく教えてやりたいと思います。
もっとも自分の性格を考えると、未来から来た自分なんていう妙なオヤジの話を信じるとは思えません。
その一方、ギャンブル・・例えば競馬や競輪などの結果を先に教えてもらえたら・・・なんて思う人は確実に多いでしょうね(笑)。