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上田駅前からバスに乗り、バス停「さなだ」で降りたら、宿の送迎車が待機してくれていた。それに乗り、宿に向かった。
辺りの景観はますます山間になっていく。
このへんが、景勝地「角間渓谷(かくまけいこく)」。
やがて宿に着いたのだが・・・宿は圧迫感のある岩山のすぐ下に建っていた。
よくこんな立地に建物を建てたものだ・・。
↑ この日の宿「岩屋館」の背後には、迫りくるような岩山。
↑ 少し近寄ってみた。岩の迫力をますます実感。
↑ これは翌日の朝。朝日に紅葉が映える岩山。
↑ これも翌日の朝。岩屋館の木造の建物が、いい感じ。
↑ 清流をまたぐ渡り廊下。
↑ まるで岩山に埋もれているような立地に建つ宿。岩山の圧迫感が、半端ない。
↑ 角間渓谷の案内板。
↑ このへんは、猿飛佐助伝説が眠るエリア。佐助ゆかりの場所なのだ。師匠・戸澤白雲斎の指導のもと、厳しい忍者修行に励んだ場所が、このあたり一帯。
宿の前にせりだすように迫ってきている岩山は、猿飛佐助が修業したと言われている岩山。
↑ 猿飛の術で、このへんを軽々と跳びはねていたのだろう。
↑ 佐助がピョン。無敵の忍者を目指して。「おいら、大人になったら真田の信繁(幸村)さんに仕えるんだ!」と思ってたのかな?
↑ 佐助がピョン、ピョン。忍者修行は辛いぞ。だが、負けるもんか。見てくれ、おいらの猿飛びの術。
↑ 佐助がピョン、ピョン、ピョン。こんなもの、なんのその。へへんだ!
宿のそばには、岩山に一直線に登っていく長い階段があった。
岩屋観音や、猿飛岩の遊歩道への道。
↑ 角間渓谷と書いてある碑の脇に長い階段が現れた。落石注意の看板も。佐助なら、落石も軽くよけてしまうのだろうが、一般人には危険。
↑ 念のために、文字に寄ってみた。この写真なら、「角間渓谷」「落石注意」の文字がはっきり見えるでしょう?
↑ こりゃ、けっこうあるぞ。この階段。一直線に登っている。しかも急。石段は古い。この先に待つものは何?あなたは登りますか?
↑ えっちらおっちら階段を登り、今登ってきた階段を見下ろしてみた。谷だ。山だ。渓谷だ。
けっこう険しい階段で、やっとの思いで登り切った。
↑ 階段を登りきった者を、ひっそり静かに出迎えてくれたもの。
↑ 階段を登りきると、こんな看板が。せっかく登ったのだ、行ってみようではないか。
少し歩いたら、岩屋観音があった。
↑ 角間渓谷の岩屋観音。岩山をくりぬいて建てられている感じ。静けさに包まれていた。一日に、いったい何人くらいの人がここに来るのだろう・・。
で、その観音から山中に道らしきものがあった。一応遊歩道になっているらしいのだが、私が訪れた時は辺り一面落ち葉だらけ。
↑ 岩屋観音から、このように山の中を散策路が続いていた。人っけが・・ない。
一面を覆う落ち葉のおかげで足元がすべりやすく、道幅が狭い所もあり、うっかり滑ったら転落してしまいそうで、けっこう怖い箇所もあった。
↑ このへんは一応ルートらしくなっているので、まだ遊歩道は分かりやすい。ただ、足を滑らしたら、谷に転がり落ちて行ってしまうだろう。
↑ とにかく歩く。進む。それしかない。その先へ。落葉を踏む音が、サクッ、サクッ。
その遊歩道を慎重に歩いていくと、そこに猿飛岩が現れた。
↑ お、何か看板らしきものが木にかかっている。それにしても、これだけ落ち葉がたくさんあると、忍法「木の葉隠れ(このはがくれ)の術」の修行にも、もってこいだね。
↑ おお、猿飛岩ではないか。佐助君、君はここにいたんだね。なにやら、岩の下のほうが気になるぞ。奈落の底が待っている・・・って気配が・・。下方がなにやら薄暗くなっているのが、気になる・・。
で、その岩に近付いて、何気に下を見てみると、これが怖いのなんの。
足元が落ち葉で滑りやすいうえに、道も狭く、道かどうかもおぼつかない状態で、足元には切り立った崖があり、柵もなにもない。
うっかり落ちたら、岩山の下まで真っ逆さまに落ちてしまい、アウトである。
崖の遥か下には小さな川の流れる音が。
↑ うわっ!!! 写真じゃ分かりづらいかもしれないが、実際にはかなり怖い。写真で見ると、まるで落ち葉の滑り台のように見えてしまう。だが、かなり実際にはかなり急。足元は落葉だらけで、滑りやすい。滑ったら、この岩山の隙間の崖を真っ逆さまに転がり落ちて行ってしまう。
佐助はこんな場所をヒョイヒョイと飛びながら修業していたというのか。とんでもない奴だ。さすが天才忍者。
だが、佐助は架空の人物だからともかく、実在の人物では・・いくらなんでも無理ではないのかなあ・・。
それとも、山伏などはこういう場所で修業をしてたのであろうか。
私には・・無理だ・・・。
猿飛岩の近くには見晴台があったが、あいにく周りは木でおおわれ、辺りを見渡すことはできなかった。
↑ 猿飛岩近くの見晴台。案外、視界が開けているというわけではなかった。
↑ 御覧の通り、掘立小屋みたいなものがあり、一応そこにはベンチらしきものもあった。
↑ 木が多く、視界が開けない。違う季節なら、もっと視界が開けるのかな?
↑ 一応、見晴台近辺の風景。もっと見晴らしたいなあ。
↑ 見晴らし台あたりから。やはり、木が視界を邪魔していた。天然の「木遁の術」??
しばし猿飛岩の近くの展望台にいた後、道なき道みたいなルートを、時には探しながら、時には滑り降りながら降りていった。
↑ 一応ここもルートのようだ。狭い・・。左右は崖。落ち葉が足元をすくいそうで怖い。
↑ 途中、道なき道みたいにもなったルートではあったが、なんとか下方が透けて見えてきた。ルートは、合ってたみたいでホッ。
やがて、崖下の川沿いの道に到着。
ここまで来れば、安心だ。
↑ 角間渓谷を流れる角間川の流れ。この流れが渓谷を浸食し続けてできたのが角間渓谷。佐助もこの水を飲んだのかな?
その後さらにその川沿いの道を奥まで行こうとしたが、あいにく途中で通行止めになっていたので、やむなく引き返し、やがて宿に着いた。
相変わらず宿の前の岩山はぐいぐい迫ってきていた。
↑ 宿が見えてきた。 無事に帰ってきたぞ。
↑ 角間渓谷遊歩道のマップ。猿飛佐助修行の地・・とも書いてある。人里離れた地ではある。
↑ 角間渓谷自然遊歩道マップ。これによると、近くには幸村と佐助の出会った場所があるとされている。かくして、このへんで佐助は幸村にスカウトされたのでした。
↑ 鬼ケ城の案内板も。色々な伝説が眠る渓谷なんだね、角間渓谷は。
今夜の宿、あまりの山奥なうえに、険しい崖でおおわれているため、携帯が圏外なのはもちろん、テレビも地上波が入らない。
だが、宿の外の駐車場に出れば圏内になるみたいだった。
困ったのは、この年に放送されていた大河ドラマ「真田丸」がこの日は見れないこと。
旅先ではあまりテレビをつけない私であるが、「真田丸」は毎週見てたし、しかも今自分は「真田丸」の舞台になった地域に旅行にきている。なので、他の番組はともかく、この番組だけは見たかったのだが・・。
地上波のテレビ番組が見れないので、夜20時からの「真田丸」は見れないのは仕方ないのだが、代わりにテレビはBSは見れる。ならば、夕方18時からBSで放送される「真田丸」を見ればいい…と思ったら、夕飯が18時からで、しかも食堂で食べることになること。
食堂にはテレビはない。ならば夕飯の時間を少しずらして、夜19時くらいからにしてもらおうと思ったら、それは勘弁してほしいとのこと。夜19時からの夕飯であれば、夜18時からの「真田丸」を見てから食堂に行けばいいわけだし、そうすれば「真田丸」も見れるのだが・・。
しかも客室には、「真田丸」のガイドブックも置いてあったのに(笑)。
真田の里に旅して、真田丸が見れないのは・・残念。
いやなに、普段の年なら、夕飯が18時からの固定でもいいし、地上波が入らないのもかまわないのだが、よりによって上田が大きくかかわる大河「真田丸」が放送されている年ぐらいは、せめて夕飯の時間を19時からにする選択肢も用意してほしかったかなあ。
この角間渓谷だって、真田幸村の配下の大スター猿飛佐助伝説のある場所なんだものね・・。
まあ、ならば、この日放送分の「真田丸」は、翌週の土曜日の昼間の再放送を待つとするか・・。
残念だったのは、それぐらいかな。あとは、立地もいいし、温泉もいいし、食事も不満なし。
特に、この宿のある場所や環境は、特筆ものだと思う。こんなに険しい岩山が、すれすれまで迫っている宿なのだ、建物を建てる時はさぞかし大変だっただろうなと思う。
↑ あらためて、岩屋館の入り口。 そろそろ館内に入ろう。
↑ 「日本秘湯を守る会」に所属している証の提灯が館内に。
↑ 宿自慢の露天風呂への階段。いい感じ。
↑ 露天風呂への階段を見下ろしてみた。
温泉は2種類。ひとつはふつうの透明な湯だが、もうひとつの炭酸温泉のほうは茶色い湯であった。
特に炭酸温泉のほうは、いつまでも入っていられそうな湯であった。
心地よかった。いい湯だ。
極楽、極楽。
↑ 岩屋館の露天風呂。奥の湯は、炭酸の湯で、ゴボゴボしている個所がある。天然のジェット風呂??
↑ 露天風呂の脇にあった脱衣所。一応混浴だが、実際には女性専用の時間帯もある。
ちなみに、露天風呂の方には、内湯と同じ2種類の湯だけでなく、りんご風呂というものもあった。うっかりすると見落としてしまいがちな位置にあるので、御注意あれ。
そこには浴槽の湯にりんごが多数浮かべてあった。
せっかくだからそこにも入ろうとしたが、湯が冷えており、寒空の中ではちょっと入れなかった。逆に夏などは気持ちいいのかも。
↑ りんご風呂。浴槽にリンゴがプカプカ浮いていた。
なにはともあれ・・・こんな山奥まで来て入る温泉は・・・やはり格別。
ちなみに、岩屋館は、「秘湯を守る会」に加盟している宿である。
↑ 泊まった部屋からの眺め。翌朝。やはり青空との対比は景色を鮮やかにする。佐助よ、こんなところで修業してて、崖から落ちるんじゃないぞ。落ちたら・・きっと痛いぞ。
↑ それにしても、かなり険しい岩山ではある。中国にも、こんな岩山がなかったっけ?
ちなみに、角間渓谷のそばには、真田家ゆかりのスポットがけっこうそろっている。
長谷寺、山家神社、真田本城跡などなど。
角間渓谷まで来るなら、上記の真田スポットは、上田駅から角間渓谷までの道のりの途中でルートのロスが少なく立ち寄れるだろう。
角間渓谷は山奥のため、通常の観光タクシーやツアーには組み込まれていない場合もあるので(第一、バスは角間渓谷までは入ってこれないと思う)、来るならマイカーやレンタカーや、宿の送迎で来るか、もしくはタクシーに乗った時にここをルートに組み込むように頼んだほうがいいとは思う。
ちなみに私は、上記の真田スポットは翌日にまわることにした。
ともあれ、とりあえずこの日は、この宿で就寝・・・・・。外の闇と静けさに癒されながら。
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