毎度おなじみ、 ブログ「時間の外」の名物企画「ソノシート紹介シリーズ」、その23。
「大復刻怪獣ソノシート」ボックスに収録されていた復刻版としては8作目。
今回は「マグマ大使」である。
この作品は手塚治虫先生の漫画が原作であった。
ウィキペディアによると、漫画版の方は「少年月刊誌・少年画報に 1965年5月号から1967年8月号まで連載」されたらしい。
テレビ版の方は、「1966年(昭和41年)7月4日から1967年(昭和42年)9月25日まで全64回(52話 + 再放送12話)がフジテレビ系で毎週月曜日19:30 - 20:00(39話まで)、19:00 - 19:30(40話から)に放送された」とある。
実は私は、漫画版はほとんど読んだ記憶がない。私の「マグマ大使」の記憶は、もっぱらテレビの特撮ドラマ版である。
日本初のカラーによる特撮テレビドラマ・・という意義が、この作品にはある。
てっきり「ウルトラマン」のほうが早かったのかと思ってたが、実際には「ウルトラマン」よりも「マグマ大使」のほうが早かったようだ。
もっとも「マグマ大使」のほうが「ウルトラマン」よりも早かったとはいっても、放送時期でいえば「ウルトラマン」よりも13日早かっただけなので、制作時期も放送時期も「マグマ大使」と「ウルトラマン」は「同期」といってもいいだろう。
つまり、当時の子どもたちは、「ウルトラマン」と「マグマ大使」を同時期にリアルタイムで体験できたことになる。
今思えば贅沢な体験だったのではないだろうか。
それまでには、「超能力を持った巨大なテレビヒーローが、人間のかなわない巨大怪獣と戦う番組」なんてなかった・・はずだから、どちらも新鮮だった。
マグマ大使の着ぐるみは、顔の部分はお面だった。
以前、何かの深夜番組で、マグマ大使のドラマの一部の映像が紹介された時、画面はマグマの顔のアップを下から撮ったアングルだった。
その時・・・ああ、なんということであろう、マグマを演じてる人の顔の素肌が・・・お面のすみっこに見えてしまっていたのだ・・。
てっきり、マグマの着ぐるみは、ウルトラマンの着ぐるみのように、頭から足先まですっぽり着ぐるみの中に入るタイプかと思ってたのだが、マグマに関しては、顔の部分だけは・・・お面だったとは。あれは悲しかったなあ。
マグマのキャラクターは、黒目のおおきい「つぶらな目」と、ライオンのたてがみのようなロングヘアーが魅力的で、ロケットに変身できるという能力は斬新だった。
もっとも、あの容姿のどこをどう折りたたんだり格納したりすればロケットの造形になるのかは、ナゾだった。
なにせ、マグマ大使の姿と、ロケットになった姿とでは、ボディの色に共通点はあるものの、それ以外には共通点が無かったようなきがするから。
マグマの腹は三段腹だし、わりとダボダボの体だったのだが、ロケットになったマグマはボディはスリムでシャープなボディだった。
マグマのあの特徴的な角は、ロケットになった時にどこにいってしまうんだろう。
ロケットになった時の翼や運転席は、マグマ大使の姿をしてる時はどこに格納されてるのだろう。
いやはや、その変身ぶりはナゾだらけだった。
少年なりにあれこれそのナゾを考えてみようとしたのだが、結局そのナゾは解けなかった(笑)。
マグマ大使を誕生させた・・というか作った(?)のはアース博士なのだが、そのアース博士は、絶海の火山島でマグマ大使・モル(マグマの妻という設定)、ガム(マグマとモルの子供・・という設定)の3人と一緒に暮らしていた。
だが、そのアース博士は、どうやって生計をたてていたのだろう。マグマたちを作りあげるには相当費用もかかっただろうし、マグマたちの維持費も相当なものだったのでは・・と思うのだが。
また、マグマ大使・モル・ガムの3人は「ロケット人間」という設定だったのだが、その設定もナゾだった。
ロケット・・ってことは、マグマたちの正体は、オール機械による「ロボット」だったのだろうか。それともサイボーグ?
まあ、ロボットと考えれば一番無難な気はする。
とりあえず、上記のように「突っ込みどころ」はたくさんあったのだが、子供はそういう細かい突っ込みを感覚的に受け入れて番組を楽しめてしまう才能があったから、そのへんの設定のナゾは子供の想像力にゆだねられていたのかもしれない。
マグマの敵はゴアという宇宙人だった。
ゴアは、その顔がアップになると、顔の肌がゴツゴツして、けっこう気色悪かった(笑)。
だが、ゴアは宇宙人という設定だったので、マグマよりは分かりやすかったかな。
ゴアの手下は「人間モドキ」という植物生命体で、頭からタイツみたいなものをかぶったような姿をしてたような記憶があるが、もしかしたらそれは、別の番組のキャラだったかあな・・・どうも記憶が曖昧で、すみません。
マグマ大使は、本放送の後にも何度も再放送された。
なので、本放送は見てなくても再放送で見たという方も多いのではないだろうか。
本放送の時には気付かなかったことで、再放送で気づいたことがある。
それは、一つのストーリーが延々と何回分も続き、一つの事件が完全解決するまで時間がかかる・・ということだった。
ウルトラマンは、基本的には1話完結だった。
なので、1話見ると、無事に事件が片付いた感じがあって、スッキリした。
だが、一つの事件の完全解決にマグマ大使は数回分の放送分を要した。
その辺が、少し物足りなかったかな。
多分それは、一体の怪獣の着ぐるみを何週分も使いまわすことで、製作費を抑えてるのだろう・・・と、子供心に、そんな「大人の事情」まで考えたりしてたものだった。
その点、私はマセてたのかもしれない(笑)。