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2015年のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」。
大河ドラマを見る習慣が私にはあるので、今回も見ている。正式な放送時間帯である日曜日の夜8時には見れないこともあるので、そんな時は翌週土曜日昼間の再放送を見ることにしている。
「花燃ゆ」は、吉田松陰の妹「ふみ」が主人公。
当初、この人選で大丈夫だろうか?と思った。
そりゃ吉田松陰は有名だし、その大体の生涯は知っているし、彼がどんなことをした人物で、日本の歴史にどういう役割を果たした人物であるかも、様々な資料で見てきている。
だが・・その妹「ふみ」に関しては、松陰にそういう名前の妹がいたことは私も漠然と知っていたが、「ふみ」が一体どんな,人で、どんな生涯をおくった人なのかは、ほとんど知らないできた。
松陰と違って、ふみの生涯を記した本は読んだことがないし、実際にふみに関する資料がどれぐらい残っているのだろうか・・という不安もあった。
それに、彼女は日本の歴史上どんなことをした人なのだろうか、あるいは、彼女を主役にしてドラマを描けるほど、日本の歴史に関わった人なのだろうか?・・という疑問もあった。
だから、ふみ主役で大丈夫なのか・・という不安を持って見始めた。
で、ここまで見ての「花燃ゆ」の印象は・・
これは、幕末の長州の志士たちの「青春群像編」なんだなと思った。
むしろ、主役は、それぞれの志士たちという感じ。で、ふみはその目撃者だ。
エピソードによって、主役が変わる・・・そんな感じ。そういう意味では、主役級の俳優さんが並ぶのも分かる。
あくまでも主役をメインにするなら、手っとり早いのは吉田松陰を主人公にしてしまうことだが、いかんせん松陰を主役にしてしまうには、幕末維新の推移を長丁場で描く場合、松陰は早死にしすぎてしまう。
松陰は、安政の大獄で斬首されてしまうので、その後の徳川幕府の終焉、戊辰戦争、そして明治維新の様子を見ていない。
ドラマが、主役の死で終わるものだとしたら、松陰主役だと幕末から明治維新までを描くことができない。
もしも松陰が長生きして、徳川幕府の終焉、戊辰戦争、明治政府誕生まで見届けた人物であったなら、今回のドラマは松陰主役でいけるだろう。松陰主役でも、長州の志士の青春群像編は描けるはずだ。
だが、実際にはあまりに早い死。
だが、ふみは?
天保14年(1843年)に生まれ、、没年はなんと大正10年(1921年)である。幕末・明治・そして大正の時代を生きたのだ。
79歳まで生きた女性だ。当時としては、かなりの長寿だったのではないか。
なるほど、幕末から大正時代まで生きた人なら、幕末・維新の激動の時代の推移を見ているはずだ。
また、その経歴上、幕末・維新の重要人物とも関わっている。
彼女自身が歴史上で大きなことをしてなかったとしても、彼女が関わってきた人たちは、歴史上で大きな活躍をしている。
なんてったって、あの吉田松陰の妹である。松陰は、特に長州の志士たちの間では「師匠」的存在で、皆に慕われ、尊敬されていた人物。
その松陰の妹なら、志士たちとの交流も活発であったろうし、大事にもされていたであろう。
ということは、彼女が歴史を動かさなくても、彼女の周りの人たちが歴史を動かしていくのを、その目で近くで見ていたであろう。
そうなると、「長州の志士たちの、青春群像編」を描くには、良いフィルターであることは確かだ。
幕末の時代の推移と、明治維新までの顛末を描けることになる。
長州の志士たちの中では、志半ばで亡くなっていた人も多いからね。
もっとも、長生きして、立場を登りつめた・・という意味では、伊藤博文を主役という手もあったかもしれないが、大河としては男性主役と女性主役を毎年交互に制作していってるし、今回は女性を主役にして幕末維新を描くにあたって、あえてふみを主役にしたというのは、分かる気がする。
目撃者としてのふみをフィルターにして、幕末から明治維新までの推移や、長州の志士達の青春群像編を描く・・・という狙いなら、「なるほど」という感じで、個人的にはふみ主役というのは、「あり」かなと思った。
とりあえず、このまま見続けます、NHK様。
ところで・・ふみさんの若い頃の写真は・・ないのかな・・。