リリーさんがイギリスでビートルズゆかりの場所を巡って歩いた一冊。
ビートルズゆかりの場所の写真満載で、時にコメントもあり、また紙質も良いので、かなり楽しめた。
ビートルズファンなら、イギリスでこんな旅をしてみたい・・と考えたことがある方は多いのではないだろうか。
私もその中の1人。
なので、こういう本を読むと(見ると)、無性に羨ましく思ってしまう。
いつかこんな旅ができたらいいな・・という思いは心のどこかにくすぶっているけど、なにぶん場所はイギリスなので、中々実現できないでいる。
ストロベリーフィールズ、ペニーレーン、生家、ジョンとポールが出会った教会、プロモーション映像を撮った場所、アビーロードの横断歩道、アビーロードスタジオの内部、映画のロケ地、映画「レットイットビー」で屋上でライブ(?)をやった場所、キャバーンクラブなどの若かりし頃のビートルズが出演してた店、などなどのカラー写真がふんだんに出てくる。
ビートルズファンなら、ぜひ自分も一度行ってみたいと思える場所が、たくさん。
ビートルズを思い浮かべ、「ここであの映画を撮ったのか」とか「ここがあの歌の題材になったのか」とか「ここで子供時代を過ごしたのか」、「ここが出会いの場所か・・」などと思いながら写真を見ると、楽しいし、場所によっては感慨深いものもある。
写真を見てそう思うぐらいだから、現地に実際に行って、この目で見たら、更に感慨深いものがあるだろう。
ちなみに、もし私がこんな旅をしたら、ぜひ行ってみたい場所がある。
その場所は、この本では取りあげられていなかった。
まあ、それは仕方ないのだ。なぜなら、その場所はビートルズゆかりの場所というわけではないからだ。ただ、ポール・マッカートニーゆかりの場所であることは間違いない。
その場所はどこかというと・・
ズバリ。
キンタイア岬である。
そう、ウィングスの大ヒットシングル「夢の旅人」の舞台になった場所だ。
個人的にポールの楽曲の中でも、ベスト3に入るぐらい好きな曲。
この曲の良さや雰囲気もさることながら、プロモーション映像も大好きだった。
牧歌的で、のどかで、広がりがあって。
以前・・というか、大昔。年代的には、1960年代半ばから後半あたりの頃。
ビートルズのメンバーと、ビーチボーイズのマイク・ラブがどこかに一緒に行った時、ポールはマイク・ラブとヒットソング作りに関して話したそうな。
その時、マイク・ラブはポールに、こう言ったという逸話がある。
ポール「なあ、マイク。ヒット曲作りのコツは君は何だと思う?」
マイク「ヒットソング作りのコツは、歌詞に地名を入れることかな。」
そういえば、ビーチボーイズのヒット曲には、地名を入れた曲がけっこうある。
「ココモ(歌詞の中に、これでもかとばかり様々な地名が出てくる)」「思い出のスマハマ(なんと!日本の須磨らしい)」などなど。
ポールがマイクのその言葉をどう受け取ったかは分からない。
だが、この「キンタイア岬」は間違いなく地名入りの曲ではある。
「ペニーレーン」もそうだね。「バックインザUSSR」も広い意味ではそうだ。
あれほど有名なミュージシャンによって歌われ、しかも大ヒットした曲の舞台になった場所ともなれば、その歌がきっかけでその地を訪れる旅をする人はけっこういるだろう。
私も、昔聴いた拓郎さんの「竜飛崎」という曲がきっかけで、青森の竜飛岬に実際に旅したこともあるぐらいだ。
そんな私だから、いつかキンタイア岬にも行ってみたい・・・と思うのは自然なことかもしれない。
いっそ、世界のロックやポップスやフォークの「御当地ソング」の舞台になった場所ばかりを訪ねた旅行記みたいな本が出てくれれば、きっと私は買ってしまいそうだ。
もしそんな本が実現するなら、キンタイア岬にもぜひ行ってみてもらいたいものだ。
まあ、それはさておき。
話を元に戻して、リリー・フランキーさんの「ビートルズへの旅」という本。
こんな旅を実現したリリーさんに羨ましさを覚えると同時に、ゆかりの場所にかつてのビートルズの痕跡が・・・空気の中に残っているような気がして、見ていてしみじみとさせられる。ビートルズファンなら特に。
ゆかりの場所もまた、ビートルズ神話の一部なのだ。
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