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気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

田中邦衛さんを偲んで

2021年04月06日 | レビュー(テレビ、ゲーム、本、映画、その他)

私がこれまで見てきた全てのテレビドラマの中で、歴代お気に入りドラマのランキングをあげるとしたら、確実に5本の指に入るドラマ「北の国から」。

そのドラマで主役の黒板五郎役を演じた名優・田中邦衛さんの訃報を耳にした時、私はかなり悲しかった。

 

私が田中さんをピンポイントに知ったのは、加山雄三さん主演の「若大将シリーズ」。

その中では、加山さん演じる主役の若大将のライバル役として、田中さんが演じてたのが青大将。

主役は加山さんだったが、田中さんはそれに継ぐメインの役どころだった。

 

そして、私が田中さんという役者を好きになったのは、なんといっても「北の国から」シリーズ。

私が「北の国から」をリアルタイムで見るようになったのは、特番になってからだった。

その前の連続ドラマ時代の「北の国から」は私はリアルタイムでは見ておらず、特番でハマるようになって、後から会社の同僚から連ドラ時代の「北の国から」のビデオを借りて、全話を見た。

そして、さらに深くハマってしまった。

 

特に特番になってからは、リアルタイムで見てたせいもあり、どのエピソードも印象に残っている。

 

田中さんの他界が公になり、急きょテレビで田中さん追悼で「北の国から」の特番の中の1話がテレビで再放送された。

「初恋」というエピソード。

ちょっと近年は、「北の国から」の各特番は、内容とタイトルが一致しないでいたのだが、「初恋」に関しては「あ、れいちゃんの出てくる話だな」とは思ったし、実際その通りだった。

ここでの横山めぐみさん演じた「れいちゃん」は、天使のようにかわいい。

大半の男性が「こりゃ、純じゃなくても、惚れるわ」と思ってしまうほどの、魅力を放っていた。

途中、小屋内での「潮騒」を連想させられるシーンや、純との別れ方は切ないの一言。

尾崎豊の「アイラブユー」の挿入も、ドラマの流れの中で印象的だった。

 

 

そして、この「初恋」では、最後に私が大好きなシーンもあった。

長距離トラックの運転手として、古尾谷雅人さんが出てくるシーン。

このシーン、大好きだったんだが、どの特番に出てきていたのか、私の中であいまいになっていた。

見ている途中で気付き、「そうか、この話にでてきたんだな」と思って、ラストを楽しみにしていた。そう、この古尾谷雅人さんの出てくるシーンを。

正直、古尾谷さんの出番は、長い「北の国から」シリーズの中でも、ここだけだ。

だが、たった数分の出番でしかないのに、そのカッコよさはメイン級に匹敵する存在感と印象度。

ラストの数分しか出て来ないのに、かなり「持っていって」しまった名シーン。

古尾谷さんの訃報が届いた時、私が真っ先に思い浮かべたのが、このシーンだった。

 

 

「初恋」は、れいちゃんの魅力の爆発と、古尾谷さんの一瞬のカッコよさが、私の中では印象度抜群だった回。

 

そして・・田中さんの訃報を耳にして改めて見返したこの作品での田中さんの存在は、全てのシーンが切なく思えた。

田中さんの迫真の演技を見てると、目頭が熱くなった。このドラマの様々なシーンをも思いだして。

この人がもういないのか・・・と思って。

 

 

田中さんが、「北の国から」にキャスティングされたのは、「情けないキャラクター」が買われたのだという。

ドラマ全体の中では、五郎の「情けなさ」はカッコよく思えるシーンもあったし、共感も呼んだし、ファンに愛されたと思う。

「北の国から」以前の田中さんのハマリ役「青大将」は、見栄っ張りで情けないキャラだったが、青大将の持ってた情けなさの要素が、五郎役のキャスティングにも活きたのかもしれない・・と思ったりもする私。

だとしたら、青大将も五郎に多少繋がったことになる。

 

五郎の息子・純を演じた吉岡秀隆さんは、「寅さん」にしろ、「三丁目の夕日」にしろ、どこか「情けないキャラ」を演じたらピカイチの役者。ほんと、替えがきかないぐらい。

そういう意味では、田中さんのエッセンスを受け継いでいるのかもしれない・・なんて思ったりもする私。

なんてったって、純は五郎の息子だしね。

役者としても、吉岡さんは田中さんから受け継いだものがあるように思える。

 

五郎の娘である蛍を演じた中嶋朋子さんも、相変わらずたまらなくかわいかった。

 

 

役者さんたち、ストーリー、自然風景など、このドラマの魅力の要素はたくさんある。

 

それも、田中邦衛さんという得難いキャラクターの役者がシンボリックな存在として、いたからこそだと私は思っている。

 

そんな田中さんが逝ってしまった・・・たまらなく寂しく、悲しい。

 

 

私は富良野に行った時に、五郎の家としてロケに使われてた家を見に行ったことがある。

そこでは「この家では五郎が生活していますので、そっとしておいてあげてください」という趣旨の看板(?)が家の前に立てられていたのが印象深い。

もちろん、リアル的には「空き家」ではあっても、物語的にはまだ五郎はあの家にいるのだ・・・というロマン。

 

今は、そのロマンに私も乗りたい。

 

田中さんは他界されたが、富良野では今でも五郎さんは生きている・・・そう思いたい。

 

 

在りし日の田中さんの飾らない演技を見返すと、胸が熱くなる。

         ↓

北の国から 02 五郎のテーマ(パンフルートヴァージョン)

 

 

 

 

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (だんぞう)
2021-04-11 08:30:28
動乱は私は見てないのです。

私にとっての田中さんは、やはり「若大将」での青大将役と、「北の国から」です。

青大将はコミカルな役でしたが、北の国からでの田中さんは人情味あふれる役でした。


田中さんにスポットをあてたドキュメンタリー番組があったら、ぜひ見てみたいものです。
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Unknown (鮎川愛)
2021-04-11 02:28:22
私にとって、田中邦衛さんは高倉健さんとの共演が印象的だった映画『動乱』です。

それも田中邦衛さんが日本陸軍将校として、名演技を見せてくれます。

その他、だんぞうさんも挙げておられる『北の国から』ですね。

「人柄の好さ」が見事によく出ていますよね。

「昭和の名優たち」が次々と去っていき、本当に淋しいです。

追悼映画もそうですが、私は特に「田中邦衛さんの人となり」を知りたいので、ドキュメンタリー番組が待ち遠しいです。
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