以前何度かこのブログで書いた、我が家近辺に出没していた野良の黒猫。
ここ数カ月、我が家の近くでは見かけなくなっていた。
以前は毎日のようにいたのに。
どこかで・・死んでしまったかな・・・と思ってた私。
ある時、駅から自宅に帰る道を、いつもと違うルートで帰ったら、あるアパートの前で黒猫を見かけた。
どうやら、そのアパートの一階の住人が、その野良猫に水をあげていたようだった。
家のドアの前に、小皿を置き、そこには水が入れてあったからだ。
で、野良の黒猫は、その水を飲んでいた。
その小皿は、どうやらその野良猫のために用意したものだったらしい。
その黒猫が、以前我が家の前によく来ていた黒猫かどうかはすぐには確認できなかったが、よく考えたら我が家の周辺には野良猫は数匹いるみたいだったが、黒猫に関しては以前我が家の前によく来てた黒猫以外は見かけたことはなかった。
なので、そのアパートの前で水を飲んでた黒猫は、以前我が家の前に来ていた黒猫と同一猫だったのだろう。
ちなみにそのアパートは、我が家からは2区画ぐらい離れた場所にあった。
でも、猫の足でも普通に行き来できる距離ではあったので、「そうか、あの黒猫、こんなところに出入りしてたのか。テリトリーを変えたんだろう。どうりで我が家の前で見かけなくなったわけだ」などと思った私。
猫は気まぐれだし、だいいち我が家では家の中で飼うことはできない。
テリトリーを変えたなら、それはそれで仕方ない。
ちょっと寂しくはあったけど。
なにやら、猫にフラれたような気分ではあった(笑)。
その後、そのアパートの前をたまにルートとして通って帰るようになった私ではあるが、ここんところ、そのアパートの前でも見かけなくなっていた。
どこに行ったんだろう。
今度こそ・・死んでしまったのかな・・などと思ってた私。
ほんと、しばらくその猫の姿はプッツリ見かけなくなっていた。
ところが、先日。
いつものようにドアを開けて、いざ出勤・・・と思って外に出たら、我が家の玄関のすぐ近くの地面に、あの黒猫がいた。
復活していた。久々だった。
ちょっと嬉しかったが、どうせまたすぐにテリトリーを変えるんだろう・・などと、その時の私は思い、あえて餌はやらずに、猫と目だけ合わせながらも、そのまま会社に行った。
猫は移動する私のことを目線で追っていた。
だが、その日からまたちょくちょく我が家の玄関の前に現れるようになった。
犬は3日飼うと恩を忘れないが、猫は3日たつと恩を忘れる・・・という説を聞いたことがある私。
我が家の前から姿を消してから、数か月の月日が経過していたので、以前我が家の前によく来てた時に私が餌を与えていたことなんで、この猫はもう忘れているんだろうな・・と私は思った。
実際、少し近づいてみると、その場を離れて、私と距離をとった、その黒猫。
だが、その近づいた時、私は以前与えていた餌と同じ餌を持っていた。
で、ポイッと餌を地面に投げてみせた。
すると、すごい勢いでモシャモシャ食べ始めた。で、食べ終わると甘えたように「ニャ~ン」と鳴いた。
以前私が餌を与えていたことを思いだしたのか、あるいは新たに私を「餌をくれる人」と認識したのか。それはわからない。
よく言われることだが、犬は人間になつくが、猫は場所になつく・・・と言われる。
この猫は、我が家の玄関前という場所になついていたのだろう。
だが、なぜ数カ月姿を見せなかったのか。
ここで、その猫の姿をよく見かけた場所を、私は比較してみた。
まず、2区画離れたアパートの前。そこではドアの上にせり出した屋根があった。そしてそのアパートの住人は、猫用の水差しを用意していた。
水差しを絶えず用意してあったということは、きっと餌も与えていたことだろう。
そして、私の家の正面の家の玄関前。その猫はその家のドアのまん前に、ちょくちょく行儀よく座ってた。そしてドアのほうをいつも一心不乱に見つめていた。
その家の主が出てくるのを辛抱強く待っていた感じ。
きっと、その家がこの猫には一番餌の量が多かったのだろうか。
ただ、その家の玄関は、庭の木に覆われていて、日当たりは絶えずイマイチ。
で、我が家の玄関前。日当たりがおそらく三軒の家の中では一番良い。餌もあげているが、さほどの量ではないのかもしれない。以前餌をあげてた時、「ウニャ~~~ッ」とやや低音で鳴いてみせてたが、それは「もっとくれニャ」と言っていたのかもしれない。
なので、私は今回の「帰ってきた黒猫」には、餌を以前よりは余計にあげるようになった。また、二区画向こうの家にならって、水差しも用意するようになった。
おそらくこの黒猫の今の「通信簿」の中では、こんな感じではないか。
● 2区画向こうのアパート
日当たり ×
屋根 ○
水 ○
餌 ○ (多分)
● 我が家の向かいの家
日当たり ×
屋根 △
水 ○
餌 ○
● 我が家
日当たり ○
屋根 ×
水 ○
餌 ○
以前の我が家は 日当たり○、屋根×、水×、餌△ ←こんな評価だったのではないか。
今は水は○になり、餌の量も以前より増やした。
なので、この猫にとっては今の私の家の前はけっこう都合のよい場所にレベルアップしているのだろう。ただ、日当たりは良いが、雨の日や雪の日は×だと思う。玄関前に屋根はないから。
腹ペコの時は、我が家の向かいの家(?)。
雨の日や雪の日は、二区画向こうのアパート前。
日向ぼっこしたい時は我が家の前。
餌も水も今やどの場所でも手に入るようになっているので、猫はその時の用途に合わせて、場所を選んでいるのかもしれない。
ただ・・不思議なのは、先日夜に帰宅した時、その猫は我が家の前にいたのだ。
夜は当然日当たりはない。真っ暗である。
となると、我が家の前にいるのは日向ぼっこだけじゃないのかも。
帰宅した時、何の物音もなかったのだが、暗闇の中にビー玉のような光がふたつあった。
だが、黒猫は当然色は黒いし、黒いから暗がりのなかにいると、姿が保護色のようで見わけがつかない。
でも、そのふたつのビー玉のような光は、その黒猫の目なのかもしれない。
いったん家の中に入ってからそう思いなおし、念のために餌を指でつまんで、再び玄関をあけた。
すると、「ニャ~~~ッ ニャ~~ッ」と甘えたような声で鳴き出した。しかもけっこう大きい声。
やはりいたのか・・と思って、さっきビー玉のような光が見えた場所を目をこらして見てみたが、今度はビー玉のような光もなかった。
でも、鳴き声だけは何度も聞こえる。
「あれ?どこにいるんだろう」と思って探す私。
もしや・・と思って、すぐわきに停めてあった車(私の車ではない)の下を見てみたら、闇の中にうごめく黒影が見えた。
なんだ、車の下にもぐりこんだのか。どうりで気付かなかったわけだ。
そう思い、車の下のほうに餌を投げ込んだ。と、すぐにムシャムシャ食べる音。
「お前なあ、駐車してある車の下に潜り込んでしまったら、車の持ち主がやってきて車を動かしたら、お前は車にひかれてしまうぞ・・。危ないからそんな所に入るなよ・・」と私は人間語で話しかけたが、ただただムシャムシャ煮干しを食べる音のみ。
最近では私と目が合うと、たいがいしっかり「ニャ~ン」と甘えてくるようになった。
もしかして、今現在の一位は我が家??
だが、今のところ、まだ触ったことはない。
だがなあ・・黒猫ちゃんよ、甘えてくれるのは嬉しいのだが、飼うわけにはいかないんだよ。家の中のギターで爪を研がれたら困るしね・・。
気付けば水もあげるし、餌も前よりは増やしてあげている。
昼間よく晴れてる日などは、すきなだけ我が家の前で日向ぼっこしてればいい。それで勘弁しておくれ。
もっとも、長年野良猫生活をしてきてる猫だと思うので、大人しく誰かの飼い猫になるようなタイプじゃないんじゃないかい、君は。
そのまま野良猫のまま、用途に応じて居場所を気ままに変える・・・それが一番君に合ってるんじゃないかと思うが、違うかい?
そのへん、どうニャ?
それとも、年貢の納め時じゃないけど(笑)、そろそろ誰かの飼い猫になって、おちつきたくなったのかニャ?
もし、そうだとしたら、自ら体を人間の足にすりつけてくるような「媚び方」を覚えたほうがいいかもよ。
そこまではできない君は、やはり生粋の野良猫なんだと思う。
もっとも・・そこまで私に媚びたとしても、我が家では家では飼えないんだけどね・・。
それに・・君は気まぐれだし、またいついなくなるかわからないよニャ?
写真は、私があげた餌を一心不乱に食べまくる、野良の黒猫。
私も癒されました。
もし、その黒猫専用に使える小部屋があるとしたら、飼育しますか?
野良猫は、真夏や真冬は、どうやって過ごしているんでしょうね。
特に真冬は、野性動物にとっても苛酷なはず…。
だんぞうさんが飼育することが出来れば、持ち前でいらっしゃる優しい心が、さらに優しくなりますよ(笑)
飼うなら、自宅室内で放し飼いになると思います。
でもだからこそ、ギターが心配で、飼えないんです。
天気が悪くて、なおかつ寒い日は、我が家の前では黒猫は見かけないです。
どこでどうしてるんでしょうね。