NHKの朝の連ドラ「まんぷく」で幻灯機が出てきて、ふと思い出した。
小学生時代に毎月読んでた、小学館の学年別学習月刊誌には毎号付録が付いていた。
色んな付録があったが、よく登場したのが幻灯機であった。
機・・・とはいっても、機械などではなく、紙製の組み立て式の幻灯機だった。
当時は「幻灯機」と漢字で書くと小学生には難しいかもしれないと判断したのか、付録の名前としては「げんとうき」もしくは「げんとう機」と表記されていたと思う。
少し厚めの紙に、機械製の幻灯機を模したイラストが描かれており、いくつもの紙製パーツに分かれていた。
それを、組み立てていくのだ。
本物の幻灯機とは違い、紙製だからチープと言えばチープなのだが、組み立てていく過程は楽しかった。
それぞれの紙製パーツには、他の紙製パーツにある切り口に差し込むための出っ張りがあり、それれを差し込んて作っていく。
出来あがると、一応箱みたいな形にはなった。
その箱には、機械式の幻灯機のように見せかけるイラストが描かれていたので、気分的には機械式の幻灯機に見せかけた外観になった。イラストなので、立体感がないのは御愛嬌、。
で、その後ろのほうには、懐中電灯を入れるための穴があいていた。
前の方には、付録についてきたフィルムを差し込む部分があった。
これで遊ぶには、フィルムを差し込み、箱の中に懐中電灯を入れて、その電灯をつける。さらに、箱の前方に差し込まれたフィルムを手で横に引っ張り、手動でフィルムを進めた。
懐中電灯の灯りの行くつく先にはスクリーンがあれば一番いいが、当時の家庭でスクリーンがある家なんてそうそうあるわけでもないので、大半は壁に映し出したのではないか。
ともかく、こうすることで、部屋がちょっとした映画館みたいな気分になるる・・・という代物だった。
この付録、ちょくちょくついた覚えがあるのだが、組み立ててる時は楽しくても、完成
してからは我が家では遊べなかった。
というのは、当時の我が家には懐中電灯がなかったからだ。
仕方がないので、天井からつり下がっていた電球にこの付録製幻灯機を近づけて、無理やり箱の中に入れた覚えがある。だが、それだと高さ的に無理があったので、うまく壁にはフィルムは写しだされなかった・・。
まあでも、懐中電灯を使ったらどんな感じでフィルムが壁に映るかはわかった。
今でいう、スライド上映みたいなものではある。
フィルムに収められているのは、普通の漫画。
なので、壁に漫画が映し出される・・そんな感じになった。
今思うと、懐中電灯ぐらい家にあってもおかしくないと思うのだが、なぜ当時の我が家には懐中電灯はなかったのだろう・・。
もしあれば、もう少しこの付録製の幻灯機を楽しめたかもしれない。
あ・・でも、フィルムを1回壁に映して最後まで見たら、それで満足してしまったかもしれない。リピートしては見なかった気はする。
となると、最初の1回上映が、この付録の肝だったのかもしれない。
フィルムの内容は、幻灯機を通さなくても、フィルムを電気や太陽に透かしてみればわかった。
なので、フィルム作品としてはあまり期待してなかったと思う(笑)。
とりあえず、漫画が家の壁に映し出される最初の瞬間が楽しかったのだろう。
当時の小学館の学年別学習雑誌の組み立て付録は、完成品を何度も楽しむような感じではなかったと思う。むしろ、組み立てている最中や、完成品の最初の使用こそが全てだったように思う。
組み立て付録の完成品は1回遊んでしまうと、机の上などに置きっぱなしになり、やがてはいつの間にか親に捨てられていた・・と思う。
気づけば、いつしかなくなっていたからだ。自分で捨てた覚えはないので、親に処分されていたとしか思えない。
親にはゴミみたいに見えていたのだろうか。
もっとも、捨てられても、思ったほどには私は怒らなかった気はする。
ソノシートなどを捨てられると怒ったが、紙製の組み立て付録は、そんなに怒らなかったと思う。
組み立ててる過程を楽しみ、そして完成品を一度遊んでみれば、それで十分だったのだろう。幻灯機に限らず、当時の紙製の組み立て付録は、たいがいそういうものだったと思う。
完成品でいつまでも遊び続けた覚えはないのだ。
そのへんが、紙製の組み立て付録の限界だったようには思う。
プラモデルなら、作ってる最中も楽しかったし、出来あがった完成品で何度も遊んだ覚えはある。
遊ばない時は、展示物みたいにもなったし、眺めて楽しめる要素もあった。
また、さすがにプラモだと、親に中々捨てられはしなかった(とはいえ、気づけばいつしかなくなっていたので、いずれは捨てられていたのだろう)。
紙製の組み立て付録は、プラモに比べたら完成品がチープだったから、親に捨てられてしまったのは、そのチープさゆえであったろう。
ただ、紙製の組み立て付録の存在意義は、組み立ててる最中と、完成品で最初に遊ぶ時以外の部分にもあった。
それは、本屋に陳列されてる時と、その付録がついた本誌が家にやってきた時だ。
紙製の組み立て付録は、ちょっとした箱に入っており、その箱が本誌に挟まっていたため、本誌の途中部分がふくらんでおり、しかも付録がなくならないように、組み立て付録がはさまって太った本誌はゴムで止められていた。
その「見た目」がよかったのだ。
組み立て付録の箱がはさまって、ゴムで止められた「太った本誌」のゴムをはずす時は、本当にワクワクしたものだった。
ゴムをはずして、本誌から組み立て付録の箱を取り出した瞬間は最高だった。すごく豪華なものを手に入れた・・というか、新しいおもちゃを買ってもらったような気分だった。
ある意味、組み立て付録の入った箱は、それがはさまれている本誌を、輝かせていたようにも思えた。組み立て付録の入った箱には、そんな効果もあった。
で、付録の、紙製の組み立て式の幻灯機も、そんな役割をしっかり果たしていたと思う。
たとえ完成品がチープであることがわかっていても、組み立て付録の箱が本誌にはさまっている光景は豪華だったし、読者をワクワクさせていたのだ。
ところで。
家に懐中電灯があった人は、子供時代に、小学館の学年別学習雑誌の「紙製の組み立て式の幻灯機」に懐中電灯を入れて遊んだことはあると思う。
何度もフィルムを壁に映して遊んでいたのだろうか。
紙製の組み立て式の幻灯機、長く遊んでいたのだろうか。
ちなみに、幻灯機なるものが生まれたのは、ウィキによると1671年、ドイツの学者によってその概念(?)が発表されたらしい。
その後イギリスでは19世紀に人気を博すようになり、日本には嘉永年間にオランダから入ってきたらしい。その後、明治時代には日本で幻灯機ブームがおこったとのこと。
案外、その歴史は古い。
だが、今では若い人にはあまりなじみはない名前かもしれない。
実は、私とて「げんとう機」という名前を知ったのは、小学館の学年別学習雑誌の付録から・・であった。
その私にしても、しばらく「幻灯機」なるものは忘れていた。
NHKの朝の連ドラ「まんぷく」で「幻灯機」が出てきたので、ふと思い出し、今回の日記を書いてみた。
投影用のフィルム…種板…ん、紙製だから種紙か(笑)
あのちょっとシャラシャラした質感の薄紙…トレーシングペーパー(?)みたいなのに
雑誌で連載してるまんがが印刷されてました。
あ、セロファンみたいなフィルムもありましたね。
私が憶えてるのは懐中電灯じゃなくてローソクを光源にする幻灯機。
レンズは二枚の樹脂製の円盤の間に水を入れて作りました。
私もだんぞうさんと同じく幻灯機を使ったのは1回こっきりでした。
きっと作る過程の方が楽しかったんだと思います。
月刊漫画誌の付録にもあったような気はしますね。
あっても、おかしくないですし。
フィルムに関しては、私がよく覚えてるのは、そうそう、セロファンみたいなヤツ!
ゲントウキに装着しなくても、太陽に透かしてみれば内容はわかりました(笑)。
だから、懐中電灯がなくてもなんとかなったんですが、仮に懐中電灯があったとしても、リピートして遊んだかどうかは微妙です。
ローソク、、、あったような気がします。
ただ、火が紙に燃えうつったりする危険性がありますね。今考えると。
ブログランキングから来ました。
昔は、本の付録が本当に楽しみでしたね。
確かにいつの間にか無くなってましたね。
楽しい昔の思い出です。
応援して帰ります。
時間の外に、ようこそ。
少年漫画月刊誌がピークだったころは、付録の数で各誌が競い合ってました。
正月特大号など、なんと!30種類の付録が付いたこともありました。
ある意味、本誌以上に楽しみでしたね。
応援、ありがとうございます。
そういうネタを扱うサイトやブログでは、そういう情報を欲しがる人は多かろうと思います。