時間の外  ~since 2006~

気ままな雑記帳です。話題はあれこれ&あっちこっち、空を飛びます。別ブログ「時代屋小歌(音楽編)(旅編)」も、よろしく。

復刻版「少年画報」紹介シリーズ 12  「鉄腕ベビー」 by  笹川ひろし

2014年06月03日 | 漫画・アニメ、そして特撮

平成の世に復刻された、少年漫画月刊誌「少年画報」昭和35年度正月号の紹介シリーズ、その12。

付録紹介としては、その10。

今回取り上げるのは、笹川ひろしさんの「鉄腕ベビー」である。

笹川さんといえば、個人的にはアニメ演出家のイメージが強いが、出発は漫画家として、であったようだ。

私が笹川さんの名前をはじめて目にしたのは、初期のタツノコプロのアニメのスタッフクレジットだった。

「ハクション大魔王」「新造人間キャシャーン」「タイムボカン」などが代表作で、タツノコプロの看板的存在に個人的には思えていた。

今回取り上げる「鉄腕ベビー」は、笹川さんがアニメ演出として名をはせる前の、漫画家時代の作品である。

少年画報では、デビュー作「探偵学校」という作品の後に連載されたようだ。「探偵学校」が連載されたのは1958年9月から1959年3月号までらしいから、「鉄腕ベビー」はそのあとの時期が連載時期だったことになる。

 

私は漫画家としての笹川さんは知らなかったので、この「鉄腕ベビー」も知らなかった。

ちょっとこの作品について調べてみようと思ったのだが、あまりにも資料が少なく、途方に暮れてしまった。

ともあれ、読んでみて思ったのは、「鉄腕アトム」を連想させられるな・・ということだった。

そういえば笹川さんは、手塚さんに見出されて状況し、手塚さんのアシスタントをしていたらしい。

どうりで、画風などに手塚さんの影響を感じるわけだ。

タイトルからして「鉄腕」だものね。

このベビーの最大の特徴は、人間の親指ぐらいの大きさしかないということ。

一寸法師みたいなものだ。

このベビーがどんな能力を持っているのか、なぜこんなに小さいのか、そのへんはこの付録を読んだだけでは何ともいえない。

とりあえず、空を飛ぶ能力があるのは分かった。

そして、このサイズの割にはかなりの腕力があるようだ。

何か必殺技みたいなものがあるかどうかは、何とも言えない。少なくてもこの付録には、ベビーの必殺技らしきものは出て来なかった。

武器らしい武器も、この付録の中では出て来なかったので、普段持っているかどうかは分からない。

目の上には、たくしあげたメガネみたいなものがあり、そのメガネは左右が羽のようなデザインになっている。

背中にはマントを はおっている。

ベビーには両親も健在で、この別冊付録を読んだ限りでは、ベビーの両親は普通の人間っぽい。

人間の両親から生まれた存在だったとすると、親指サイズで、しかも空が飛べるベビーの正体というか設定は、一体何なんだろうという謎(?)は残る。

サイズといい、空を飛べることといい、どう考えても普通の人間とは思えないからね。

また、ベビーはチョコレートが好きなようだ。チョコを食べると元気百倍・・とベビーが自ら語っているシーンがある。

そして、ベビーはアトム同様に優しくて勇敢で、性格的には「良い子」という感じ。

全体的には、アトムが親指サイズになった感じ・・・そんな印象を持った。目の感じも、少しアトムを思い起こされる感じだ。

 

できれば、この付録に、ベビーの設定や、それを含む「それまでのあらすじ」でも書かれてあれば、もっとここに書ける要素は増えたかもしれない。

 

笹川さんは前述の通り、後にタツノコプロのアニメに大きく関わることになるのだが、タツノコプロでこの「鉄腕ベビー」をアニメ化するという話はなかったのかな。

笹川さんが関わったアニメ作品にはギャグやユーモアの要素が強かったが、このベビーはギャグという感じではなく、一応ストーリー物という感じ。

もしもこの作品がアニメ化されて、笹川さんがそれに関わっていたら、笹川さんが後のアニメ作品で発揮したユーモア路線がこのベビーにももっと盛り込まれたのかもしれない。

 

ともあれ、一寸法師サイズの鉄腕アトム・・・・そんな感じの作品である。

もしかしたら、少年画報が笹川さんにマンガ依頼をする時に、「アトムのような作品を!」という注文でも出したのかもしれない。

で、笹川さんが描いた作品がこれだった・・・と考えると、個人的にはしっくりくる。

 

 

 

 

 

↑ 別冊付録「鉄腕ベビー」の、裏表紙。

表表紙といい、この裏表紙といい、やはりどこか鉄腕アトムに通じるものを感じる。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6月10日 時の記念日 | トップ | タイム・スクープ・ハンター »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

漫画・アニメ、そして特撮」カテゴリの最新記事