この記事は、数日前に一度投稿したのですが、加筆したくなったので、一度引っ込めて、加筆したうえで再びここに投稿しました。
このバンドを私が知ったのは、いつだったろう。
どこで知ったのだろう。
おぼろげな記憶だが・・多分テレビで見て知ったんだと思う。
確か、音楽番組だったと思うのだが、ピンポイントではその番組名前をあげられない。
ともかく最初に見た時、強烈なインパクトを感じた。
まだ日本のロックというものが、ややアングラ的だった時代だったと思う。
フォークはすでにヒットチャートにも登り、若者はもちろん、やや上の年代にも受け入れられていた。
だがロックは・・。
まだ当時の日本のロックは試行錯誤の時代だったのではないか。
特に、日本語をロックにどう乗せるか・・・という課題において。
そんな時に現れた外道のこの曲には、その試行錯誤を打ちのめすような破壊力を感じた。
日本語をロックにどう乗せるか・・だって?うるせえな、これでどうだ。
とでも、この曲で言ってるように思えた。
そんな感じ方を私はしたから、外道を見てて、ちょっとした痛快感を持った。
このバンドがどんなバンドかというと、1973年にデビューし、1976年に一反解散。
だがその後、復活と解散を繰り返しつつ、メンバーの入れかわりも繰り返しながらも、現在も活動継続中だそうな。
この外道の中心メンバーは、なんといってもギターとボーカルを担当する加納秀人さん。
個人的イメージでは、この人がいれば外道という感じがする。
バンド名「外道」の由来は、ウィキによると「加納が警官に「この外道!」と叫ばれたことから命名された。」とのこと。
ピーク時、外道のファンは暴走族が多かったらしく、そのせいかライブ出演を断られることも多かったらしい。
ファン層が危ないバンド・・・そう思われたのかもしれない。
なぜ暴走族のファンが多かったのか、それは私にはよくわからない。
当時私のイメージする暴走族は、リーゼントヘアーの人が多かったと思うのだが、外道の加納さんは決してリーゼントではなく、当時のロックミュージシャンらしくロングヘアーだったしね。
なんでも、当時のドラムの人が元々暴走族の顔役的な存在だったから・・という説があるが、そのへんもあったのだろうか。
曲の感じ、演奏スタイルなどが攻撃的で、怒りやエネルギーをたたきつけるような破壊力が、暴走族に受けたのかな?
当時のロックの持ってた不良性、ここにあり!という感じだったし。
アウトローな魅力と格好良さがあった。疾走感には心地よさも感じた。
私は外道を初めて見た時、「日本のヒットチャートに登ってくるのは難しいだろうけど、ついにこういうバンドが日本からも出てきたか!こういうバンドに人気が出たら面白いなあ。」と思った覚えがある。
前述の通り、見た時に「痛快感」を感じたから。
ともかく、その演奏スタイル、この曲、ビジュアル、かなりインパクトを感じたのは確かで、一度見ただけで脳裏に深く焼き付けられてしまった。
この「香り」という曲は、後のパンクロックにつながる要素を感じるんだけど、どうだろうか。
だいいち、まず外道というバンド名そのものがパンクしていると思えるし。
とはいえ、パンクに影響されて出てきたバンドではない。
世の中にパンクロックが登場する前に、出てきたバンドだから。
ということは、やがて出てくることになるパンクロックに先駆けて、こういうロックをやっていたわけで、その意味では先進性があったバンドではないか。
そう、外道は、その後の日本のロックの「さきがけ」のひとつであったことは間違いない。特に、そのスタイルが。
このバンドが持ち前の破壊力で、いくつものものをぶち壊して、切り開いたからこそ、今の日本のロックにもつながっている部分は確実にあるはずだ。
メロディがどうのこうのとか、歌詞がどうのこうのとかではなく、全体的なこのテンションと勢いにカッコよさを感じるかどうか・・だと思う。理屈ではなく。
私は、カッコよさを感じた人間の1人であった。
若かった私は、この音楽性にアンチコマーシャリズムな姿勢を感じて、私の感じた「痛快感」は、そこからくるものだったかもしれない。
また、その音楽性を考えると、「外道」というバンド名もすごくかっこよく私の耳に響いてくる気さえした。
商業的には大成功した・・というわけではないかもしれないバンドだが、今では日本のロックの歴史の中では伝説的なバンドとされている。
なんでも、外道が全国区になったのは、いち早くあのオノ・ヨーコさんに「凄いバンドがいる」と認められたからだそうな。
当時の日本の音楽界でロックがまだアングラ的だった時代に、こういう攻撃的で爆発力を持ったバンドがすでに登場していたのだ。そんな点は、日本のロック界は誇ってもいいのではないか。
日本のロック界に風穴をあけた偉大な先人として。
ちなみに、先ほどオノ・ヨーコさんの名前を文中で出したが、加納さんが音楽の道に進むきっかけになったのは、ビートルズだそうな。外道の音楽性を考えると、少しそのへんは意外ではある。
・・・とまあ、あれこれ書いてきたが、加納さんは例えばカラオケ屋などに行くことがあったら、どんな歌を選曲するんだろう(笑)。
そのへん、少し興味ある。
https://www.youtube.com/watch?v=uHfBhJsqrD8
又、映像も洋楽ロックに見えます。
キャロルや忌野清志郎さん以前に、このようなミュージシャンがいたことは特筆すべきですね。
まあ、ウッドストックは60年代でしたが・・。
外道が活躍した頃には、キャロルもキヨシローもすでに活躍していました。
外道はキャロルとは違った路線でロックに切り込んでいたと思います。
当時すでにキャロルはブレイクしてたはずです。
キヨシローは、後の「雨上がりの夜空に」みたいな路線ではまだなかったと思います。