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ギターを始めたばかりの頃って、Fコードを押さえられるようになるかどうかで、その後ギターを続けるか、やめるかに別れる・・とはよく言われることである。
確かに、私も初めはFコードには面食らった。
だいたい、人差し指1本で6本の弦を全部押さえるなんて、無理だ!と思った、
理不尽のようにも思えたし、プロは本当にそんなことやってるのかいな?と疑問にも思った。
だが、中学3年のころ、クラスメートと一緒にセッションした時、そのクラスメートはしっかり人差し指1本で6本の弦を押さえてるのを見て、私は軽いショックを受けた。
ならば・・・ギター弾いてる人は皆それをやってるのだな・・と思い、練習した。
最初はともかく痛かった。
苦闘する事しばし。
やっと、まがりなりにも押さえることができるようになった。
すると・・・Fコードが押さえられるようになると、弾ける曲が一気に増えた。
おそらく、ギターを始める人って、最初はCというコードから入るとおもうのだが、CとFとGの3つのコードを覚えたらかなりの曲が弾けるようになる。
弾きながら歌う場合、キーが高い・低い・・などの問題はあるかもしれないが。
C・F・G・・というコード進行の応用で、D・G・Aとか、G・C・Dとか、A・D・Eなどの基本パターンがあり、いわゆる「スリーコード」と呼ばれる。
こうした3コード進行の曲って、かなり多い。
こうなると、ギターが面白くなる。
元々、小学校の頃から、ギターに出会う前に、ハモニカや鼻歌で曲を作ってた私であったが、Fコード攻略のおかげでギターの道が開けてくると、ギターでマシンガンのように曲を多作するようになった。
と、ここまではよかった。
だが・・・いい気になって弾けるようになった気でいたら、ギターというヤツは、Fよりもいやらしく、えげつないコードを突きつけてきた。
それはB♭というコードだった。
人差し指で6本の弦を押さえることなどあたり前で、さらにそれをやりながら、1カ所のスペースをやりすごして、先の先のポジションで弦を押さえることを要求してきた。
せっかくFというコードを弾けるようになったのに~。今度は、これかい!?
参った。
こいつは参った。
中々弾けるようにならなかった。
教則本(?)通りの押さえ方がどうしてもできないので、このB♭コードは、自己流で押さえることにした。
・・・すると、教則本通りではないが、なんとか曲がりなりにも、B♭の音は出せるようになった。
やれやれだ。・・と安堵する間もなく。
ギターっていうやつのいやらしさは、そこにとどまらなかった。
更に、嫌がらせのようなコードを要求してきた。
ふざけんな!こんなの、誰が弾けるかい!・・と憤慨した(?)。
そのコードとは、E♭というコードだった。
・・鬼か悪魔のようなコードに思えた。
「甘ったれるな。いい気になるな。どうだ、これなら弾けないだろう?」
とでも言われてるかのようだった(笑)。
今でこそ、E♭コードにも色んな押さえ方があるのは分かってるし、自作の曲でも転調などの関係でE♭コードを使うことは、実はよくある。
だが、ギターを始めたばかりの頃って、コードにも色んな押さえ方があるなんてことはあまり知らなかった。
だから、E♭は、歌本などに出て来たフォームしか知らなかった。
この時、歌本などに出て来たE♭の押さえ方とは、まず第1フレットで人差し指1本で6本の弦を全て押さえて、更に、それをやりながら、第3フレットで「解放コードのDのフォーム」を付け加える押さえ方だった。
どう頑張っても、出来なかった。
実は、この押さえ方は、今でもうまくできない。
今でもうまくできないのだ、ギターを始めたての頃の自分が、こんなコードを押さえられるわけがなかった。
今ではE♭を押さえる時は、私は第3フレットをセーハ(つまり、人差し指1本で6本の弦を押さえるフォーム)した上で、ローコードのCのフォームを加える。
もしくは、第6フレットの場所でB♭のフォームで押さえてE♭の音を出している。省略コードじゃない場合はね。
第1フレットをセーハして、さらにそれに解放Dのフォームを加えるなんて、とてもとても。
この押さえ方でE♭コードを弾いてる人って・・・・多いのだろうか。
もし多いのだとしたら、ゴメンナサイというしかない。
また、少しコードを更に覚えようとすると、表記がいやらしいコードも多かった。
sus4やmaj7というコードはまだ可愛いもんだったが、-5だの、augだの、add9だの、dimだの、その他。
ギターを始めて間もないころは、これらのコードがソングブックに書かれてるのを見ると、「おとなしく普通のコード押さえればいいじゃないか。なんでこんなコードにするんだろう?」なんて思ったもんだったなあ(笑)。
コード進行の流れも、そうだった。
例えば、キーがCの場合、Cの次に妙なコードに進行する曲なんかもあり、そんな時は、「Cを弾いたら普通は次はAmかFだろう? 素直にAmかFに行けよ」などという、曲作りをする人にとっては理不尽とも思えるようなことを思ったりもしたもんだった(爆)。
ともかく、物事ってヤツは、ちょっとそれに慣れて、ちょっとでもいい気になっていようものなら、すぐに嫌がらせのような「困難な、その先」を突きつけてくるのだ(笑)。
で、「その先」には奥行きの深さがなまじあるもんだから、たまらない。
つい「その先」まで行きたくなってくるじゃないか!
まるでニンジンとロバのようなものか。←ちょっと違うと思う。
ギターもその例にもれない。
まったく手間のかかるヤツだ。
でも、可愛い。自分に腕があるかどうかにかかわらず。
私は指が短い。だから、本来ギターに向いてる指ではない。
指が短くても、どれだけ指が開くか・・こそが大事である・・とは、昔先輩に言われたことがある。その先輩も指は短かった。でも、よく開いた。
だから、複雑なフィンガリングもこなしていた。
複雑なポジショニング、コードワークもこなしていた。
その人は、クラシックギタリストだった。
私など、指もさほど開かない。
だから・・やはり私は本来ギターには不向きの指。
わかってはいるんだけど、好きだから仕方ない。
たとえ前述のような「嫌がらせ」を受けても(笑)。
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