アメリカ製の古いアニメ「ポパイ」は、誕生してからもう長い年数がたつ。
だが、今でもおりにつけ使われ続け、ピークの頃ほどではなくても、息の長い人気キャラとして、日本でもおなじみのキャラクターとして浸透している。
日本では、雑誌の名前になったりもしてるので、その認知度は今も現役クラスであろう。
幼少の頃にテレビ放送されたポパイを私は見た覚えがある。
ポパイは普段はしょぼい水夫なのだが、ここぞという時に、ある食べ物を食べると、一気にパワーアップして、それまでやられっぱなしでいた相手プルートゥに対して、そのパワーアップした力で逆転してしまう。
で、その「ある食べ物」とは、缶詰に入ったホウレンソウであった。
ピンチになると、ポパイはホウレンソウの入った缶詰をあけて、そこに入っているホウレンソウをモリモリ食べる。すると、それまでとは見違えるようにポパイは強くなる。
これを見てると、ホウレンソウを食べると速攻でパワーアップできるかのように思え、家の食事でおかずにホウレンソウが出ると、元々私はホウレンソウが嫌いではなかったことも幸いし、パワーアップしたポパイを連想しながら、けっこう食べたものだった。
だが、当然のごとく(?)、ホウレンソウを食べても速攻で強くなれるわけでもなく(笑)。
そんなことを考えると、ポパイのホウレンソウは、普通のホウレンソウとは違う、特殊なホウレンソウなのかと思って、自分を納得させていた覚えがあった。
特殊なホウレンソウだとするなら、一体どこが特殊なんだろう。と、幼少時代の私は考えた。
当時すぐに思いついたのは、ポパイのホウレンソウは、缶詰に入ったホウレンソウだ・・ということだった。
日本でホウレンソウが食卓に総菜として出る場合、私はホウレンソウが缶詰に入っているのは、見たことがなかった。
なので、ポパイのホウレンソウは、普通のホウレンソウではないから缶詰に入っていたのだろうと思った。缶詰に入っていなければいけない、特殊なホウレンソウなのではないかとも。
日本で、ホウレンソウを売ってそうな店に行っても、缶詰に入ったホウレンソウは見かけなかった。
だとすると、アメリカ産のホウレンソウは、日本のホウレンソウとは違うのではないか?とも思った。
でも、アメリカ産のホウレンソウが全て「食べると速攻でマッチョになる、特殊なホウレンソウ」なのだとしたら、アメリカ人皆が主食として食べてるはずだ。
でも、アメリカ人といえば、当時の私のイメージでは、ホウレンソウよりもむしろステーキなどの肉類が食事のメインに思えていた。
だとすると、ポパイのホウレンソウは、アメリカ産であるだけでなく、アメリカ産のホウレンソウに更に秘密の成分や栽培のされ方で作られているのではないか。
もしかしたら、秘密の「博士」がいて、その「博士」が独自の研究で育てたホウレンソウなのではないか。
その「博士」とは、例えば・・日本で言えば、鉄腕アトムの天馬博士やお茶の水博士、鉄人28号で言えば敷島博士、サイボーグ009でいえばギルモア博士・・そんな博士が、ある極秘の任務で作りあげたホウレンソウだったのでないか。
そしてその極秘の任務とは、軍事に関する任務だったりして。
今思えば、アメリカのヒーローには、普通の人間に、ある細工をしたり、なんらかの偶然の奇跡がふりそそぎ、常人以上のパワーや能力を持ったヒーローが多い。で、そんなヒーローは、人間というより、突然変異によるミュータントだったりする。キャプテンアメリカや超人ハルク、スパイダーマンがそうであったように。
ということは。
ポパイは、優れた天才博士が極秘につくった「特殊ホウレンソウ」を食べていたか、あるいは、ポパイそのものがホウレンソウを食べると超人になるように体質改造されたミュータントだったのではないか。
だいいち、普通の人間が普通のホウレンソウを食べても、食べた瞬間に速攻で超人になどなるわけがない。
・・・とまあ、ずいぶんとりとめのない、しょ~もないことを書き綴っている私だが、「ポパイのホウレンソウ」について少し検索してみた。
すると。
普通に考えれば、ホウレンソウ嫌いの子供にホウレンソウを食べさせるために、啓蒙の意味合いを含めて、ホウレンソウを食べると強くなるアニメキャラ・ポパイを登場させた・・・そんな風に思う。
だが、実は、ホウレンソウを食べると強くなるポパイは、政治的(?)・経済的・ライフスタイル戦略のために生まれたキャラだったようだ。
「全米ベジタリアン協会」という組織があり、采食主義を広めるための宣伝戦略として、協会の参加者が資金を出し合い、漫画家やイラストレーターの協力をあおいで、生まれたキャラがポパイだった・・ということが書かれてある記事をネット上で見つけた。
そう、ポパイは、采食主義者の団体が、宣伝のために誕生させたキャラだったらしいのだ。
なので、ホウレンソウじゃなくても、野采なら他のものでもよかったのだろう。レタスでも、ピーマンでも、キャベツでも。
ホウレンソウが缶詰でアメリカで売られていたのは、広大なアメリカでホウレンソウをアメリカ中に流通させるのが当時はむずかしかったらしく、その対策として缶詰にして流通させていたらしい。
狭い日本なら、缶詰にする必要もないのだろう。だから日本では缶詰ホウレンソウはあまり見かけなかったのかもしれない。
ともあれ、ポパイ誕生のいきさつに関しては、まあ、なるほどな・・という感じではある。ポパイの誕生のいきさつは、それで合点がいくが、それにしても日本人の私としては、缶詰に入ったホウレンソウというものに対しては、別の興味もわいてしまう。
缶詰のホウレンソウって、おいしいのかな?どんな味がするのかな?という興味だ。
今でもアメリカでは缶詰入りのホウレンソウは売られているらしい。ポパイと結び付けたパッケージで売られているのもあるらしい。まあ、あれだけ長く認知されてるキャラなのだし、メーカーとしても、商品販売促進に使わない手はないだろう。
で、アメリカの缶詰ホウレンソウを食べてみた日本人の感想は・・・。
賛否両論らしい。
匂いが、けっこう強いようだ。ホウレンソウの感触としては、相当「煮込んである」感じらしい。
食べてみた人の感想を読んだ限りでは、慣れないと最初はとっつきにくいのかもしれない。
まあ、私自身は食べたことがないので、そのへんはなんとも言えないが。
でも、話のタネに、一度くらい食べてみたい気はする。積極的に・・というほどではないけれど。
少なくても、ポパイのように、ピンチの時に缶詰のフタをあけて、一気に食べ干す・・というのは私には難しそうな気はする。
もちろん、食べたからといって、ポパイのように即座にマッチョになるということもないであろう(笑)。
前述の通り、ホウレンソウを食べて即座にマッチョに変身できるのは、ポパイがきっと常人ではないから・・としか思えないし。
もし、私がこの缶詰ホウレンソウを食べて、即座にポパイのように突然変異のようにマッチョになったら・・・・きっと私もミュータントなのであろう(?)。
となると・・・このブログを読んでくださっている皆さんは、ミュータントの書いたブログを読んでいることになってしまうのです(笑)。
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