【ヒットマン】
思い出話しなどひとつ。
二十数年この業界にいるといろいろあります。
私が、この業界に入って間もない頃(修業時代)でした。
閉店間際に二人の女性をともなった男性が入ってきた。
男性の年齢は24、5歳、女性はクラブのホステス。
仕事上がりに飲みに来た感じでした。
男性は申し訳なさそうに“まだ、いいですか?”と、ひとこと。
マスターは優しく頷き迎入れた。
しかし…、何か違う、違和感がありました。
目は充血、血走り 顔面は紅潮していた。
彼は平静を装い、そう振る舞っていた。
しかし飲み方は凄かった。
ウイスキーのロックを水のように流し込んだ。
“全然酔わねぇ”小さく呟きながら、何杯も流し込んだ。
一緒に連れて来た女性など、彼の眼中には無かった。
彼は先を見ていたのだろう。
これからの自分を…。
うっすらと夜も明け始め、彼は“遅くまですいません”と小さく告げ、会計以上のお金を置いて店を出た。
そして、その日の午後のニュースに彼の顔写真が…。
敵対する組の組長を襲撃したらしい。
昨夜彼は極限状態だったのだろう。
ひとりで家に居ると、気が狂いそうになりそうだったのかもしれない。
もし仮に彼から相談されたら、当時の私はどう答えたであろう。
思い出話しなどひとつ。
二十数年この業界にいるといろいろあります。
私が、この業界に入って間もない頃(修業時代)でした。
閉店間際に二人の女性をともなった男性が入ってきた。
男性の年齢は24、5歳、女性はクラブのホステス。
仕事上がりに飲みに来た感じでした。
男性は申し訳なさそうに“まだ、いいですか?”と、ひとこと。
マスターは優しく頷き迎入れた。
しかし…、何か違う、違和感がありました。
目は充血、血走り 顔面は紅潮していた。
彼は平静を装い、そう振る舞っていた。
しかし飲み方は凄かった。
ウイスキーのロックを水のように流し込んだ。
“全然酔わねぇ”小さく呟きながら、何杯も流し込んだ。
一緒に連れて来た女性など、彼の眼中には無かった。
彼は先を見ていたのだろう。
これからの自分を…。
うっすらと夜も明け始め、彼は“遅くまですいません”と小さく告げ、会計以上のお金を置いて店を出た。
そして、その日の午後のニュースに彼の顔写真が…。
敵対する組の組長を襲撃したらしい。
昨夜彼は極限状態だったのだろう。
ひとりで家に居ると、気が狂いそうになりそうだったのかもしれない。
もし仮に彼から相談されたら、当時の私はどう答えたであろう。