美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

本はずっと読んでいます

2023-02-06 02:53:51 | 本・映画
いつ本のことを書いたかと調べてみたら、去年の3月でした。あれからずっと夫のことで落ち着かない日々が続きましたから、ブログにあげられませんでした。

でも、本は毎日読んでいました。読んだ本は10冊以上になるでしょう。読むのは、寝る前のベッドの中です。時々は、いつの間にか眠ってしまい、どこまで読んだかもわからないということもありました。

昔は、純文学といわれた小説を読みました。古典文学も読みました。でも、今は、ファンタジーや、ヤングアダルトといわれる年代の人たちのための物語や小説を読むことが多いです。

現実の日々がとても辛くて情けないときには、あまり、人間の辛さを読みたくないのです。

若い小説家の小説や映画化された小説など、いろいろなものを読みました。インターネットで面白いといわれる本を探して。

一番最近読んだのは、「かがみの孤城」というファンタジーです。作家は辻村深月。本屋大賞を受賞した本のようです。



いろいろな理由で学校に行かなくなった中学生が7人、自分の家のかがみを通ってお城のようなところに集まり、あまり自分たちのプライバシーを伝えないままに、お互いを認め合い、友達になります。

そこは非現実の場所だから、みんな、やはり現実に戻らなくてはならないのだけれど、そこでの記憶は失われてしまうのだけれど、現実の世界でも生きていく力をそれぞれが見つけ出していくという物語です。

主人公のこころという少女が思う友達は、
私に特別なことが何にもなくても、私が運動神経が特別よくなくても、頭がよくなくても、私に、みんなが羨ましがるような長所が、本当に、何にもなくても、
仲良くなるというものです。

私もいつもそう思って生きてきましたから、それをことさらに言わなくてはならない現実を生きにくいと思います。

人をその周りの付属品を見るのではなく、その人の存在そのものを見る付き合いができれば、どんなに生きやすくなるだろうと、いつも思います。

今もまたファンタジーを読んでいます。心に響く物語なら、またブログにあげたいと思います。

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「チョコレートドーナツ」

2022-03-18 13:48:51 | 本・映画


二人のゲイの男と、ダウン症の少年の愛の物語です。

人が出会った時、恋に落ちるのは、こんな風だと納得させる二人の男の恋が始まりました。そして、母親に見捨てられたダウン症の少年とも、出会ったのです。

3人は、家族として、暮らし始めます。そこには恋があり、愛があり、楽しさと喜びにあふれていました。

でも、世間は、ゲイを偏見を持って見、少年を引き離そうとし始めます。それは、本当に徹底的に悪意と差別のなせる業です。どんなことも認めようとせず、少年を引き離します。

少年は母親に戻されるのですが、母親は面倒を見ることもせず、少年マルコは、自分のうちを探しに、町に出ていきます。そして、3日間さまよった挙句、橋の下で死んでいたのが見つかりました。

ゲイの男の一人ポールは弁護士で、そのことを少年を引き離した人たちにつきつけます。もう一人のルディはショーダンサーから歌手になり、そのことを歌います。それは、心を打つ歌声で、今もその歌を思い出して、涙がにじみます。

人は、存在したときに、もうそのままで愛されるのだと思います。愛するのは、そこにいるからなのだと思います。そういう風に、人と出会うことは、とても幸せなことなのですね。

この映画は、1970年代に、アメリカで同性愛者への差別が普通だったころのお話です。映画は2012年に作られたそうです。私は、映画館で観たのではなく、先日、NHKで放送されたものを観ました。

ルディになったアラン・カミングのとても素敵な存在感に魅せられました。彼の歌声は、心に響く歌声で、私の心は今も震えているようです。


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「グインサーガ」16巻

2022-03-11 19:24:14 | 本・映画


去年の9月頃から栗本薫作「グインサーガ」を読んでいました。

「グインサーガ」は、全巻130巻あり、それもまだ未完ということです。栗本薫さんが、50代で亡くなったためです。

そのうち、16巻が再版され、それを読んでいました。

中原のパロという王国が中心に、様々な国の攻防があり、そこでいろいろな人達が活躍する物語です。

物語の始まりは、パロの「二粒の真珠」といわれた王子と王女の双子が、ルードの森で、頭が豹の戦士と出会うところから始まります。レムス(王子)とリンダ(王女)、そして、豹頭の戦士がグインです。

その後、ノスフェラスでのモンゴールとの闘いで、グインが素晴らしい戦士であることが分かります。そして、人とは言えないかもしれないけれども、人柄も大きく豊かでリーダーとしての力があります。その時に若い戦士イシュトヴァ―ンと、モンゴールの公女アムネリスが登場します。

アムネリスは、ノスフェラスの敗北の後、モンゴールに敗北したパロのクリスタル公アルド・ナリスと政治的結婚を父親の大公に指示されますが、アルド・ナリスに恋してしまいます。このあたりで、アルド・ナリスの弟マリウスが登場します。

レムスとリンダをパロに連れて帰るという約束をしたグインは、それを守るため、アルゴスという国に二人を連れて行きます。そして、自分が何者なのかを知る旅に出ます。そこで、アルゴスの王太子スカールが登場します。

これで主な登場人物は出てきました。そして、みんなそれぞれに美しく個性的で、大活躍するのです。

3千年の歴史を持つパロは、中原の豊かな国ですが、そこを北のモンゴールという新しく貧しい国が襲い、パロを倒してしまいます。王も王妃も殺され、アルド・ナリスは重傷を負い、モンゴールに征服されてしまいます。

その時、レムスとリンダは、パロの隠された機械で、アルゴスに送られるところをルードの森に行ってしまったのです。そして、パロは再興を目指し、アルド・ナリスを中心として、モンゴールを倒します。

それでも、レムスとアルド・ナリスとの行き違いや、アムネリスのモンゴール再興や、イシュトヴァ―ンの王になろうという野望や、マリウス(ディーン)とアルド・ナリスとの気持ちのすれ違い、ノスフェラスの謎などたくさんの解決しない物語があるのです。

一番知りたいのは、グインは何者、ということでしょうね。

栗本薫の物語は、心の大きな動きのままにほとばしるように伝えてきます。私は、ああこれは、物語る人が語ってくれているのだと思いました。

物語というものには、いろいろな欠点はあると思いますが、それでも、私はこの物語をとても豊穣な気持ちで読みました。

16巻までで、あとは販売していないのですが、121巻から130巻までは、販売していましたので、買いました。大体の登場人物の個性も分かっているので、そして、何を成し遂げたいかも分かっているので、その出会いや会話を楽しもうと思います。

私が好きな人物は、アルド・ナリスです。男性ですが、美しい女性のような美貌と知性、人には見せない暗く黒く輝く瞳のナリスに魅了されます。

栗本薫さんは、こんな世界を持っていて、すごいなと思います。知識と想像力が並外れているのでしょう。

私も、子供のころ、自分にこもって自分の世界を作っていました。今、年を取って、また物語の世界に遊ぶことが、楽しみになっています。


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「グインサーガ」

2021-09-18 20:15:10 | 本・映画


「グインサーガ」は、栗本薫作のヒロイック・ファンタジーです。1979年に第1巻が出版されて、作者のなくなる2009年まで正伝130巻、外電22巻が出版された大河ロマンです。作者が亡くなったため、未完のままなのだそうです。

それが2009年に8巻で再版されました。2巻ずつが1冊になっています。それをこのたび、ネットで面白い本を探していた時に見つけて、買いました。

読み始めた時に、その物語のものすごさに引き込まれました。栗本薫は、読み返したり書き換えたりしない作家だったそうで、作家の中に、この物語のすべてがあったのだと思うと、すごいなと思います。

豹の頭の剣士を中心にした、様々な人々の織りなす物語です。今はまだ1巻と2巻を読み終わっただけなので、いろいろな人達が紹介されるという感じですが、美しく才能にあふれた人たちの絡み合いを読んでいると、ワクワクしてしまいます。

こういう物語の中では、人は美しく才能にあふれていなくてはならないのだろうし、悪は、救いがたい悪なのだなーと思います。

でも、そういう物語を読みたいと思って読んでいるのだし、そして、それで自分を慰めたり、励ましたりできるとしたら、良いのではないかと思います。

再版の2巻から4巻(3巻から8巻)までを続けて買いました。これで、当分面白い読書期間を持てますので、楽しみです。

栗本薫は、私の若いころに、作家としてデビューした人です。どうして今まで読まなかったのかと考えるに、その頃は、ヒロイック・ファンタジーというジャンルを読まなかったからかもしれません。

この頃は、そういう物語を読みたいと思い、ネット検索をしたりしています。それで、時々知らなかった本を見つけたりするのです。

これまで、本を読んできたという気持ちはあるのですが、知らない本が今もまだたくさんあるのだなとおもい、これからまたどんな本を見つけられるか、楽しみにしています。


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「五輪の薔薇」

2021-08-23 13:51:11 | 本・映画


19世紀のイギリスが舞台のミステリーです。作者は、チャールズ・パリサー、1998年に日本で出版された本です。

この本は、ずいぶん前に買って一度読んだことがあるのですが、すっかり内容は忘れてしまい、ただ、悲惨な物語だったとしか覚えていません。これでもかこれでもかと、悲惨なことが続いた本だったなーと覚えています。

それが、4cmくらいの厚さの単行本で2冊、本当に読み応えのある本でした。あまり内容を覚えていなかったので、もう1度読んでみようと思ったのです。


「五輪の薔薇」の紋章のついた馬車が、少年ジョンに与えた印象が、物語の始まりです。2・3人の召使とともに暮らす、少年とその母が、それから陥っていく波乱万丈の物語です。

人とはかかわらない二人の今の暮らしの謎、母が隠している秘密の文書の謎が、解き明かされないままに、裏切りや悪意の中で、どんどん苦しい生活に落ちていきます。

莫大な遺産の相続の話だということは、分かってきますが、誰が敵なのか、どれだけ敵がいるのかなど、謎は深まるばかりです。

誰にも助けられず、人に裏切られ、母の無残な死にも会い、それでも、ジョンは、ひたすら自分と母の正義のために、生きていきます。

少しずつ、何が起こっているのか、ということが分かってくるのですが、少年ジョンの一人だけの戦いは、いつも無残な形で終わります。そのうち、味方も現れてきて、最後にはすべての謎が解け、戦いも終わりを告げます。

その時には、たぶん17才くらいになっていたジョンは、正義ということの意味を考えるようになります。自分にとっての正義、それは本当に正義なのかと、考えます。正義と自分の欲との区別がつかないと思うのです。お金と財産について振り回されてきた人間にとっては、そういう風になるのでしょう。

この小説の、遺産相続の大きさに驚きますし、人が人を痛めつけるすごさにも驚きます。

それよりもすごいのは、19世紀の初めのころのロンドンの庶民の生活のすさまじさなどに驚きます。庶民は、時代が過ぎるほど、生きていきやすくなってきたのだと感慨深いです。

下巻になったころには、次から次へと新しい展開が起こり、もう少しもう少しと、なかなか読み止まれませんでした。

最後には、何とか平安な日が来るのですが、長い年月、世の中の悪意と戦ってきた少年ジョンは、17才くらいで、もう大人の顔を持っています。死ななかっただけ良かったかもしれませんけれども。

とにかく、分量も知識もものすごい本だなというのが感想です。もし、この長さのものすごい物語を読みたいと思われるなら、挑戦してみてください。


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