【般若心経その4】
***釈迦の仏教その3***
釈迦の仏教の続きです。
「五蘊(ごうん)」や「十二処」や「十八界」によって
この世の在り方を正しく認識することができたら、
次は「苦となにか?」を理解することです。
そこで、出てくるのが次の八苦です。
生苦:生まれたことや生きていること自体が苦しみ
老苦:老いていくことの苦しみ
病苦:病気になる苦しみ
死苦:死は必ずやってくるという苦しみ
愛別離苦 (あいべつりく):
愛する人といつかは別れがやってくる苦しみ
怨憎会苦 (おんぞうえく):
腹が立つ憎い人間と会わないといけない苦しみ
求不得苦 (ぐふとくく):
求めるものが手に入らない苦しみ
五蘊盛苦 (ごうんじょうく):
私たちの心と体(≒五蘊)が苦しみを生む原因だということ
「四苦八苦」という言い方をしますが、
四苦は生老病死の4つの苦です。
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次に、四諦(したい)と呼ばれる4種の基本的な
真理がでてきます。迷いと悟りとの因果を
苦・集・滅・道の四つに分けて説明したものです。
四諦(したい)とは、
苦諦:
この世は自分の思い通りにならず苦しみばかりという真理
集諦:
苦しみばかりであるのは、自分の欲望や煩悩が原因という真理
滅諦:
自分の欲望や煩悩を消し去り、正しい行動をすれば
苦しみから解放されるという真理
道諦:
正しい行動とは八正道であるという真理
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では、八正道(はっしょうどう)は何かと言うと、
正見 (しょうけん):
・正しいものの見方・考え方を持つこと
・偏った見方(自己中心的な考え等)で物事を見ないこと
正思惟 (しょうしゆい):
・怒りや憎しみ等の感情にとらわれず、正しい考え方で判断をすること
・偏った考え方をせず善悪を正しく見極めること
正語 (しょうご):
・嘘や悪口、二枚舌は言わず、正しい言葉を発すること
・正しい言葉遣いをすること
正業 (しょうごう):
・殺生や盗みなど道にそれたことはせず、正しく生きること
・煩悩のままの行動を慎むこと
正命 (しょうみょう):
・規則正しい生活を送ること
正精進 (しょうしょうじん):
・正しい努力をすること
正念(しょうねん):
・正しい志、意識を持つこと
正定(しょうじょう):
正しい心の状態を保つこと
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「生きる苦しみを消すための道」を示すのが、
上記の四諦と八正道です。
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(その5につづく)
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