アマチュア無線局 JH0FHB

25年越しの14MHz SSB無線機の製作

タスコ電機 CW500の修理

2016年04月16日 | アマチュア無線


知人に譲ってもらった、タスコ電機製のモールス信号解読器「CW-500」です。
今回、電源スイッチの動作不良を修理しましたのでその状況を公開します。
【不具合症状】
電源スイッチを操作しても電源がOFFにならない。

上の写真の、左側の「POWER」スイッチを操作しても電源をOFFにできない。
本来であれば、スイッチを押す毎にON-OFFが切り替わるべきものです。
スイッチ自体の動作は、「モーメンタリ動作」と言う動作だと思われます。
これは、スイッチを押すとON、離すとOFFになる動作です。
実際の電源回路では、スイッチを押すとON、離すとスイッチ自体はOFFで電源回路は
ONを保持。
再度スイッチを押すと、スイッチ自体はONで電源回路は、OFFと言うフリップフロップ
動作だと考えられます。
スイッチ自体の不良とは考えにくいのですが、譲り受けたもので取説も回路図も有りません。
とりあえず基板を外して、電源ラインのパターンを追うことにします。

メイン基板は、上の写真の様なもので写真の左下のジャックがDC12Vの入り口です。
写真右下の緑のLEDが電源のLEDでその近くに電源スイッチが有ります。
おそらくフリップフロップで電源を制御していると思いパターンを追ってみると
東芝製のTC-4027BPと言うICにたどり着きました。
早速、データシートを確認するとこのICは「J-Kフリップフロップ」であることが
分かりました。

電気的動作を確認してみるとやはり、OFFになる動作をしていません。
このICの故障で有ることにほぼ間違いないと判断し交換をしてみることに
しました。
TC-4027BPは、残念ながら手持ちの部品が無かったので購入しました。
【ICの交換作業】
まずは、基板に付いているICを外さなければなりません。
今回は、半田吸い取り線で無事に外しましたが失敗するとパターンを壊します。
取り外しが困難と感じたら、迷わずにICのリードを1本ずつカットしてから
IC本体を撤去し、リードの半田を1本ずつ溶かして外したほうが賢明です。
【取り外したIC】

IC交換が容易にできるように、外したICのランドへICソケットを取り付けてICを
装着してみました。
直ったかどうかワクワクしながら、電源スイッチを操作してみると正常に動作しました。
やれやれ・・・
どんな修理でも、直った瞬間はやはり嬉しいものです。

ところで、本機に関して以前から気に入らなかったことの一つに表示部分の照明機能が
無いことが有りました。
今回の修理を機に、表示部分が光る様に内部へLEDを組み込む事を考えました。
しかし、もともとの設計が照明機能を考慮していなかったらしく表示部を光らせることは
思った以上に大変でした。
色々な試行錯誤の末、部屋の明かりを消しても何とか視認できる程度にはなりました。

この機械は、モールス信号の解読機能の他にモールス信号の受信トレーニング用の信号発生
機能が有ります。
短波帯のアマチュア無線では、現在でもCW (モールス信号)による通信が盛んに行われて
おりますので、本機の活躍の場はまだまだ有りそうです。

コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする