高周波トランスの分解と検証
【2017.08.06】
私の住む長野県佐久市の、今日の最高気温は33.2℃まで上昇した。
島根県益田市では39.3℃を記録したと言うが、体温を超える危険な暑さだ。
まだ暑い日は続く、とにかく無理はしない事だ。
さて、今回は「その58」で実験を行った高周波トランスの分解を行ってみた。
「その58」で行った実験結果が予想と違っていたことに疑問を持ち続けている為である。
私は、これまでに「その48」ではバーニアダイヤルを分解し、「その54」では壊れたICをひたすら削り、中身を覗いてみたりしてきた。
部品を分解して構造を調べたり、部品の製作過程を想像する事が楽しいとは以前にも述べた通りである。
今回、分解する高周波トランスの特性は下記の通りであった。(分解前の実測値)
① 一次側のインダクタンス:260μH~480μH
② 二次側のインダクタンス:38μH~75μH
【分解の様子】
シールドケースから、無理やりコイル部分を引き抜く。
上掲の写真の様に、シールドケース(写真右側)からコイル部分(写真左側)を引き抜くと細い導線でコイルが巻かれていることが分かる。(写真左側上部の茶色い部分)
この細~い導線で巻かれたコイル部分を、ほどいてみたくなる性分で有る。
コイルの巻かれているボビンの直径をノギスで測定すると約2mmだった。
この小さなボビンに、細い導線を何周巻き付けて有るのか?
端子に半田付けされたリード線を外して、時間をかけてゆっくりとほどき始めた。
結構根気のいる作業だが、ゆっくり慎重にほどくことが楽しいと感じる性分で有る。
【漸くほどいた導線】
写真左側の線が、一次側に巻かれていた導線で写真右側の線が二次側に巻かれていた導線である。
【導線の長さの測定】
ほどいた導線の長さを測定した結果が下記の値である。
◆一次側の導線:83cm
◆二次側の導線:26.5cm
【導線の長さから巻き数を計算】
コイルボビンの直径が2mmだから巻き数は下記の値となる。
★一次側の巻き数≒132ターン
★二次側の巻き数≒42ターン
【巻き数とインダクタンスの検証】
N1:一次側の巻き数
N2:二次側の巻き数
L1:一次側のインダクタンス
L2:二次側のインダクタンス
N2=(√L2/L1)×N1の公式に当てはめて計算してみると・・・
う~む、理論値ではN2は約50ターンであるが実際には42ターンだ。
この結果から、私は ほどいた導線の長さを計り間違えたのではないかと思い、測定し直してみたが間違ってはいなかった。
理論上の数値と異なる結果に直面する事は、たびたび起こる。
これでまた、新たな体験を積み重ねることができた。
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