国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄労働組合史 216

2011-06-30 10:00:00 | 国鉄労働組合史
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第四章 JR体制への移行と国労の闘い

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第四節 国労組織の再編問題
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一 国鉄分割・民営化と国労の組織方針

 分割・民営化後に対応した国労の組織改編

 さて、修善寺大会後もひきつづき検討されていた当面する組織改編について、翌1987年2月13日の全国組織検討委員会は、「新会社の発足を目前にした今日の情勢に対応するため、エリアごとに、国労の旗の下に結集し、組織と闘いを引き続き発展させることを前提」に、「現行の国労組織は全国単一体であり、組織の変更等は全国大会で決定することであるが、当面はエリアごとに『本部』を設置する」こととし、エリアごとの「本部」は労使関係を中心に取り組み、地方本部は組織強化・拡大を中心としたとりくみをする方向を提起した。さらに、その後の組織検討委員会の検討をへて6月16日の第149回拡大中央委員会には、あらためて骨子次のような組織改編についての「考え方」が提起され、次期大会で規約改正を行うことが確認された。
 一、名 称
   名称については「国鉄労働組合」を含めて組合員から公募する。なお、略称については「国労」及び「NRU」を残すこととする。〔のち、名称は変更しないことになった〕
 二、組織のあり方(基本的性格)
  ① 産業別単一組織を基本とし、一般的性格を有する。
  ② 組織の機能・運営が円滑にいくようにする。
 三、各級機関の性格及び位置付け
  ① 中央本部
   ・中央本部は、労働条件・労働協約等、労使関係及び労働条件の基本にかかわる問題の統一的な指導と全国闘争の統一的な指令・指導を行う。
   ・全国一社の交渉、国会・政府・委員会対策、統一教宣、国際組織及び中央組織との連帯・共闘等の任務を有する。
  ② エリア本部
   ・エリア本部は、各旅客会社の範囲ごとに組織し、名称を国労○○本部とし統一する。
   ・エリア本部は、当該の範囲内における旅客会社を中心とする諸問題について闘争指令権を有する決議執行機関。ストライキについては、本部の承認を得る。
   ・旅客会社及び全国一社の支社・清算事業団における資産管理部及び雇用対策部等に対応する団体交渉。
   ・エリア本部内における地方本部組織等の情勢把握、教宣等の任務を有する。
   ・北海道・四国・九州本部は、共闘組織との連帯・共闘等の任務を有する。
  ③ 地方本部、支部、分会
   ・エリア本部内における実情により組織する。
   ・各組織の機能は原則として現行どおりとする。
 四、全国協議会
  ・全国一社の日本貨物鉄道会社、清算事業団、鉄道通信会社、鉄道情報システム会社、鉄道総合技術研究所、新幹線鉄道保有機構に全国協議会をおく。
   ・全国協議会は中央本部の補助機関とする。中央本部の指導により交渉機能を有し、本部諮問にこたえる。
   ・闘争のあり方については、中央本部がエリア本部、地方本部と連携のうえ指導する。
 五、職能別組織
   ・各会社間の横断的連携、組織の強化をはかるための全国的な交流を主体とした連絡・調整機能をもつ機関として職能別組織をおく。
   ・職能別組織は、全国・エリア・地方本部におく。
 六、その他
  ① 組合員の範囲……旧国鉄、新JR関連の労働者を基本に、より広範な労働者の結集をはかる。
  ② 組合への加入方法……個人加入を基本とする。団体加入も認める。団体加入の場合は、順次個人加入に切り替えていく。
  ③ 財 政……中央本部一元化とし、交付金方式による。
  ④ ストライキ権の確立……ストライキ権の行使については、組合員の直接無記名投票により過半数の賛成を得ることとする。又は全国大会において、代議員の直接無記名投票により過半数の賛成を得ることとする。
 こうして国労は、一年余にわたる新しい状況のもとでの国労組織のあり方について検討と論議をかさねてきたが、この年9月2日から開催された国労第51回定期全国大会(東京・九段会館)において、「国鉄労働組合は、国鉄の解体を契機として鉄道運輸産業ならびに関連企業に働く労働者の単一の結集体として新たに出発する」(1987年度組織方針)ことを宣言し、必要最小限度の規約改正を行った。
 なお、第51回定期全国大会改正の新規約によって設置することになった職能別協議会は、当面エリア本部単位ごとに置かれ(設置要綱)、その区分は運輸協議会、運転協議会、公務協議会、電気協議会、工作協議会、船舶協議会、医療協議会、その他、であった(規約第14条)。

続く

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