本日も引き続き国会審議の質問をアップさせていただきます。質問者は日本社会党久保三郎衆議院議員です。
氏は、ノンキャリアの国鉄職員で戦前は助役まで昇進するも戦後は戦後すぐ国鉄労働組合の結成に参加し、国労水戸地本委員長等を歴任して昭和22年の第1回統一地方選挙で日本社会党公認で茨城県議会議員選挙に立候補し当選、3期務めたのち、昭和33年、日本社会党公認で茨城1区から出馬し、当選したそうです、国労出身者の議員として君臨しますが昭和56年1月に亡くなったそうです。
特にここでも最初に議題に上げているのが、「地方交通線の問題であります。手っ取り早い話が、国鉄の経営から地方交通線を切り離そうというのが主体であります。それだけに問題は深刻なんでありますが、地方ローカル線、地方交通線をどうするか、なるほどこれは大きな問題でありまして、国鉄経営だけの問題ではありません。そういう意味で、取り上げることについてわれわれはやぶさかではありませんけれども、取り上げ方と結論の出し方については、法案に盛られているような手法ではいけないというのが手前どもの考え方で一貫してまいりました。」
現在もまたぞろ、JRにおける地方交通線の廃止問題が出てきていますが、この辺に関しては当時以上に今のほうが深刻であろうと思われます。
最近復活した名松線という線路があります。2009年10月8日の台風18号の被害により、家城駅 - 伊勢奥津駅間がバスによる代行運転となっていたましたが、2016年3月26日地元の協力もあり運行が再開されたことは記憶に新しいと思います。
名松線は元々名張と松阪を結ぶ路線として計画されたものですが、並行して走る近鉄に大きく水をあけられ名張まで延長することは今後もない路線ではあります。
元々代替道路が未整備ということで第1次選定から外れた経緯がありますが、この路線の場合地元の熱意とJR東海もそれに応えられるだけの余力があったと言えましょう。
ただ、JRがあくまでも民間企業であることを考えれば収益性に問題が生じるとなれば将来的に撤退することもあり得るわけで予断は許さないでしょう。
本題から外れましたので、話題を戻したいと思いますが、さらに久保議員は質問を続けます。
「地域交通の維持整備計画を策定する要領について、この三日に政令を改正をしながらそれぞれの陸運局長に通達を出しております。地方自治体が何らの権限を持っておりませんから、この法案と同じように、その部分については木に竹を接いだようなぎこちないというか、一貫しないものがありますけれども…質問が続いています。
ここで質問されている、「地域交通の維持整備計画を策定する要領」というものがどんな資料か持っていませんので、詳細は判らないのですが地方交通網の維持発展のための方策を講じるよと言った内容のだと推測されますがもし資料等をお持ちでしたらご教示いただけると幸いです。
伊勢線最終日
さらに、国鉄のローカル線廃止についても質問しているのですが、ある一定の基準を定めたもののその基準がかなり曖昧というか、廃止基準について場合によっては個別対応しますと言う言い方ですと、「百線あれば百基準をつくらなければ始末がつかぬ」のではないかと言う意見を久保議員はされています。
先の名松線の例もそうですが、廃止すべきであるが廃止できない路線であったり、同じ例では参宮線のように、輸送基準で行くと全く近鉄に歯が立たず廃止しても然るべき路線ではありますが、伊勢神宮並びに二見浦の最寄り駅ということで神社仏閣等がある路線ということで基準から外されました。
当時の部内資料かと思うのですが、自宅で線区別の保守管理方針が書かれていた冊子か資料があったのですが、それによりますと参宮線も保守は最低限度とし、廃止しない程度に維持する方針であると言ったことが書かれていました。(当時は、松阪や鳥羽、紀勢東線部分も天鉄局が管轄で、昭和61年のダイヤ改正で名古屋局に移管、そのままJR東海に引き継がれました。
> 一定の基準を決めたならば、自動的にも等しいように線路を廃止してバスに転換する、なるほどそれで用の足りるところもあるでしょう。しかし、足りないところもある。いままで議論してきたのは
> いずれにいたしましても、地域交通の維持整備は緊急の課題である。それは民主的な手法によってどこまでもやるべきだと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
これに対して時の内閣総理大臣、鈴木善幸首相は下記のとおり答弁しています。
鈴木首相の場合は狙って就任したと言うよりも消去法で浮かび上がって来たようなところがありました。
三木首相の頃から進められていた行財政改革を目玉としたかったという点もあったかと思いますが、少なくとも鈴木首相時代の目玉政策の一つが行財政改革であり、当時 3K赤字と言われた(米・国鉄・国民健康保険)問題として大きくクローズアップされた時期でもありました。https://wikimatome.org/wiki/3K%E8%B5%A4%E5%AD%97
首相としても、国鉄財政の再建はなんとも成し遂げたいという意思表示がありますが、これも言ってみれば目玉になる政策が無かったことに起因しているかもしれません。
実際、当時の国鉄は借金の利払いなども起因して借金が雪だるま式に増えていた時期であり国鉄の赤字解消は急務と言われていました。
> 国鉄財政の再建という観点のほかに、また国鉄が本当に大量輸送機関としての機能を十全に発揮できるかどうか、そういう国鉄にしなければならない、こういうようなことを考えまして、今回の地方交通線の合理化、整理ということを御提案を申し上げなければならないわけでございます。現在の国鉄法におきましても、国鉄は運輸大臣の認可を得ることによりまして、地方交通線等の整理あるいはバスへの転換、これができるわけではございますけれども、しかし政府・与党、特に与党の自由民主党の方から、地元の承認、了解がなければそういうことはやるべきでない、こういうことを決議で枠をはめておるわけでございます。
他にも多くの鉄道情報がございます。
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***********************以下は、国会審議の本文となります。*******************
○小此木委員長 久保三郎君。
○久保(三)委員 まず第一に総理にお伺いしたいのは、いま交通問題ではいろいろな問題がありますが、当面深刻な問題を抱えておりますのは、幹線の交通体系ではなくて、都市と言わず地方と言わず、地域におけるむしろ生活的な交通の問題だろうとわれわれは思っております。その点について総理はいかがお考えでありますか。しかも、これは民主的な手法によって、地域のニーズに合った体系をつくらせるというのが基本でなくてはいけないと思っておるわけであります。
そこで、長年当運輸委員会を中心にして地域交通の維持整備についてわれわれは議論をしてまいりました。あるときには当委員会の全会一致の決議によって政府に施策の推進を要求してまいりました。今回提案されている国鉄再建法でありますが、なるほど幾つかの問題を取り上げてはおりますが、中心的な課題は地方交通線の問題であります。手っ取り早い話が、国鉄の経営から地方交通線を切り離そうというのが主体であります。それだけに問題は深刻なんでありますが、地方ローカル線、地方交通線をどうするか、なるほどこれは大きな問題でありまして、国鉄経営だけの問題ではありません。そういう意味で、取り上げることについてわれわれはやぶさかではありませんけれども、取り上げ方と結論の出し方については、法案に盛られているような手法ではいけないというのが手前どもの考え方で一貫してまいりました。また、すでに運輸大臣が通達を出しておりまして、御存じないと思うのでありますが、先ほど申し上げました地域交通の維持整備計画を策定する要領について、この三日に政令を改正をしながらそれぞれの陸運局長に通達を出しております。地方自治体が何らの権限を持っておりませんから、この法案と同じように、その部分については木に竹を接いだようなぎこちないというか、一貫しないものがありますけれども、言うならば、この通達は、先ほども私が申し上げた、地域の交通をどうやって住民の手によって立て直すかというのが主体であります。
片方ではこういう通達を出しておきながら、片方ではこの法律で一定の基準をつくって、その基準に基づいて廃止をまず一つしよう、バスに転換というが鉄道の線路を外そう、それからもう一つは、国鉄営業線約二万一千キロございますが、その半分に等しいような一万キロになんなんとする地方交通線については特定運賃をつくろうということで法律案が用意されております。こうなりますと、国鉄の経営自体から見てもこれは大きな変革であります。運賃制度上も大きな変革であります。そういうものを、しかも政府の一方的な基準、査定によって処理をしようということについては、われわれは断じてこれは容認するわけにはいきません。問題はありますから、真剣に関係の皆さんの御討議をいただいていい結論を得る、もちろんその中には国鉄の主張も入るだろう、政府の主張も入っていいと思うのです。しかしながら、政府と国鉄だけの主張で地域住民にその処理を押しつけるがごときは断じてやるべきではないと私は思っているのです。
ところが、今度の法律案は、御案内のとおり、一定の基準を決めたならば、自動的にも等しいように線路を廃止してバスに転換する、なるほどそれで用の足りるところもあるでしょう。しかし、足りないところもある。いままで議論してきたのは基準について議論が集中しました。ところが、その基準は、御案内のとおり、これは大変なものです。ケース・バイ・ケースでありますから、これは百線あれば百基準をつくらなければ始末がつかぬような始末、だと私は思う。
いずれにいたしましても、地域交通の維持整備は緊急の課題である。それは民主的な手法によってどこまでもやるべきだと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 近年、産業構造の変化一また過疎化の進行、さらに目を見張るようなモータリゼーション時代の進行、そういうようないろいろな社会経済上の変化に伴いまして、地方交通線がその鉄道としての特性、機能というものを発揮することができないような状況に相なっております。
私どもは、国鉄財政の再建という観点のほかに、また国鉄が本当に大量輸送機関としての機能を十全に発揮できるかどうか、そういう国鉄にしなければならない、こういうようなことを考えまして、今回の地方交通線の合理化、整理ということを御提案を申し上げなければならないわけでございます。現在の国鉄法におきましても、国鉄は運輸大臣の認可を得ることによりまして、地方交通線等の整理あるいはバスへの転換、これができるわけではございますけれども、しかし政府・与党、特に与党の自由民主党の方から、地元の承認、了解がなければそういうことはやるべきでない、こういうことを決議で枠をはめておるわけでございます。
そういうような状況下に、前段で申し上げたように、この地方交通線がもう機能を発揮できないような状況に来ておる。そこで、今回の法案におきましては、これをルールをきちっと決めまして、そうして、そのルールに基づいてこれを整理線として取り上げざるを得ない場合にはこれを取り上げる、その間におきましても、地元の知事の御意見等を十分聞く機会も持っております。また、その基準の設定につきましては、当委員会におきましてもその点が一番重要な問題だということで、各委員の皆さんから真剣にそこに御議論がなされておるということも承知をいたしております。したがいまして、運輸当局、国鉄におきましては、この当委員会の御意見というものを十分踏まえて、そして基準というものを適正に合理的に決めていく。そして、決めましたところの基準につきましては、政治的にこれをゆがめるというこ・となしに、きちっと折り目を正して実行に移してまいりたい、こう思っております。
○久保(三)委員 私の質問が少し幅広く申し上げたので、大変恐縮でありました。やはり国鉄問題にしぼってお尋ねした方がいいでしょう。
あなたのお話の中に出てくることは、言葉じりをとらえるわけではございませんが、従来やろうとしても法律はあるのだがやれなかった、それはいわゆる自由民主党の中で地元の了解がなければやってはいかぬという縛りがあったのでできなかった、こういうお話ですが、それは自民党の中でのお話でありまして、法律があるのならそれを振り切っておやりになってもいいのじゃないかと私は思うのであります。自由民主党のそういう約束を振り切るために今回法律を出すというふうに解釈するということは大変間違いだと私は思っているわけです。言葉じりかもしれませんが、考えのもとはちょっと違うんではないかというふうに私は思うのであります。
それで、言及されました基準についてであります。基準というのは政令にゆだねるということになっておりますが、この法律案は御案内のとおりことしの二月、国会にかかりました。解散までの国会で一応の審議が行われまして、そのときには私からも当委員会で、基準は地域住民の生活に密接に関係することであるからこれは法律事項ではないか、法律に盛るべきであるという主張をしたのであります。しかし、私はいまさら法律でなくちゃいかぬということにだけ固執するわけではありません。しかし、その中身についてはやはり固執せざるを得ません。これまで運輸大臣の御答弁の中では、運輸省としての基準案の案、案の案ということでしょうね、何かちょっとよくわかりませんが、不確定要素を多分に含んだ一応の案が当委員会で提示されました。これは特に二、三の省庁から反対がある、こういうことですが、挙げて言えば自治省とか通産省、それからきょうの答弁を聞いていると建設省あたりも余り同意していないようですね。あるいは国土庁もそういうことですね。最終的に同意をしていない。少なくとも案でありますから、すかっと全部整合したものでなくても私はいいと思うのです。しかし、こういう基準に従って政府はやるべきであるということをお示し願うことがこの法律案のまず第一歩だと思うのです。それがなければ大部分を占めるところの地方交通線の対策はどうなるかわからぬですね。
そういうことに関係して基準案について、政令案について総理はいかなる御責任をお持ちになりますか。
運輸大臣、先に。
○塩川国務大臣 基準案につきましては政令との関係がございます。政令の策定につきましては目下各省庁間におきます意見の調整を図っておるところでございます。しかしながら、国鉄が自分の努力のみでは何としても採算をとりがたい路線等につきまして、その基準はおのずから国鉄並びに運輸省におきまして審議した一つの基準というものがございまして、その基準、これを中心にして政令を編成いたしたい、こういう考えでございますが、さりとて政令という形態で出しますまでにはまだ文言の問題もございますし、また各省庁間の調整もございましたので、そこで政令の基準となるもの、この案をわれわれが提示させていただいたような次第でございます。したがって、この法律案が成立いたしました時期からできるだけ速やかに各省庁間におきますところの意見の統一を図り、そして、これが公正にして真に国鉄の再建に寄与し得る政令といたしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思うのであります。
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国鉄があった時代 JNR-era
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特にここでも最初に議題に上げているのが、「地方交通線の問題であります。手っ取り早い話が、国鉄の経営から地方交通線を切り離そうというのが主体であります。それだけに問題は深刻なんでありますが、地方ローカル線、地方交通線をどうするか、なるほどこれは大きな問題でありまして、国鉄経営だけの問題ではありません。そういう意味で、取り上げることについてわれわれはやぶさかではありませんけれども、取り上げ方と結論の出し方については、法案に盛られているような手法ではいけないというのが手前どもの考え方で一貫してまいりました。」
現在もまたぞろ、JRにおける地方交通線の廃止問題が出てきていますが、この辺に関しては当時以上に今のほうが深刻であろうと思われます。
最近復活した名松線という線路があります。2009年10月8日の台風18号の被害により、家城駅 - 伊勢奥津駅間がバスによる代行運転となっていたましたが、2016年3月26日地元の協力もあり運行が再開されたことは記憶に新しいと思います。
名松線は元々名張と松阪を結ぶ路線として計画されたものですが、並行して走る近鉄に大きく水をあけられ名張まで延長することは今後もない路線ではあります。
元々代替道路が未整備ということで第1次選定から外れた経緯がありますが、この路線の場合地元の熱意とJR東海もそれに応えられるだけの余力があったと言えましょう。
ただ、JRがあくまでも民間企業であることを考えれば収益性に問題が生じるとなれば将来的に撤退することもあり得るわけで予断は許さないでしょう。
本題から外れましたので、話題を戻したいと思いますが、さらに久保議員は質問を続けます。
「地域交通の維持整備計画を策定する要領について、この三日に政令を改正をしながらそれぞれの陸運局長に通達を出しております。地方自治体が何らの権限を持っておりませんから、この法案と同じように、その部分については木に竹を接いだようなぎこちないというか、一貫しないものがありますけれども…質問が続いています。
ここで質問されている、「地域交通の維持整備計画を策定する要領」というものがどんな資料か持っていませんので、詳細は判らないのですが地方交通網の維持発展のための方策を講じるよと言った内容のだと推測されますがもし資料等をお持ちでしたらご教示いただけると幸いです。
伊勢線最終日
さらに、国鉄のローカル線廃止についても質問しているのですが、ある一定の基準を定めたもののその基準がかなり曖昧というか、廃止基準について場合によっては個別対応しますと言う言い方ですと、「百線あれば百基準をつくらなければ始末がつかぬ」のではないかと言う意見を久保議員はされています。
先の名松線の例もそうですが、廃止すべきであるが廃止できない路線であったり、同じ例では参宮線のように、輸送基準で行くと全く近鉄に歯が立たず廃止しても然るべき路線ではありますが、伊勢神宮並びに二見浦の最寄り駅ということで神社仏閣等がある路線ということで基準から外されました。
当時の部内資料かと思うのですが、自宅で線区別の保守管理方針が書かれていた冊子か資料があったのですが、それによりますと参宮線も保守は最低限度とし、廃止しない程度に維持する方針であると言ったことが書かれていました。(当時は、松阪や鳥羽、紀勢東線部分も天鉄局が管轄で、昭和61年のダイヤ改正で名古屋局に移管、そのままJR東海に引き継がれました。
> 一定の基準を決めたならば、自動的にも等しいように線路を廃止してバスに転換する、なるほどそれで用の足りるところもあるでしょう。しかし、足りないところもある。いままで議論してきたのは
> いずれにいたしましても、地域交通の維持整備は緊急の課題である。それは民主的な手法によってどこまでもやるべきだと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
これに対して時の内閣総理大臣、鈴木善幸首相は下記のとおり答弁しています。
鈴木首相の場合は狙って就任したと言うよりも消去法で浮かび上がって来たようなところがありました。
三木首相の頃から進められていた行財政改革を目玉としたかったという点もあったかと思いますが、少なくとも鈴木首相時代の目玉政策の一つが行財政改革であり、当時 3K赤字と言われた(米・国鉄・国民健康保険)問題として大きくクローズアップされた時期でもありました。https://wikimatome.org/wiki/3K%E8%B5%A4%E5%AD%97
首相としても、国鉄財政の再建はなんとも成し遂げたいという意思表示がありますが、これも言ってみれば目玉になる政策が無かったことに起因しているかもしれません。
実際、当時の国鉄は借金の利払いなども起因して借金が雪だるま式に増えていた時期であり国鉄の赤字解消は急務と言われていました。
> 国鉄財政の再建という観点のほかに、また国鉄が本当に大量輸送機関としての機能を十全に発揮できるかどうか、そういう国鉄にしなければならない、こういうようなことを考えまして、今回の地方交通線の合理化、整理ということを御提案を申し上げなければならないわけでございます。現在の国鉄法におきましても、国鉄は運輸大臣の認可を得ることによりまして、地方交通線等の整理あるいはバスへの転換、これができるわけではございますけれども、しかし政府・与党、特に与党の自由民主党の方から、地元の承認、了解がなければそういうことはやるべきでない、こういうことを決議で枠をはめておるわけでございます。
他にも多くの鉄道情報がございます。
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***********************以下は、国会審議の本文となります。*******************
○小此木委員長 久保三郎君。
○久保(三)委員 まず第一に総理にお伺いしたいのは、いま交通問題ではいろいろな問題がありますが、当面深刻な問題を抱えておりますのは、幹線の交通体系ではなくて、都市と言わず地方と言わず、地域におけるむしろ生活的な交通の問題だろうとわれわれは思っております。その点について総理はいかがお考えでありますか。しかも、これは民主的な手法によって、地域のニーズに合った体系をつくらせるというのが基本でなくてはいけないと思っておるわけであります。
そこで、長年当運輸委員会を中心にして地域交通の維持整備についてわれわれは議論をしてまいりました。あるときには当委員会の全会一致の決議によって政府に施策の推進を要求してまいりました。今回提案されている国鉄再建法でありますが、なるほど幾つかの問題を取り上げてはおりますが、中心的な課題は地方交通線の問題であります。手っ取り早い話が、国鉄の経営から地方交通線を切り離そうというのが主体であります。それだけに問題は深刻なんでありますが、地方ローカル線、地方交通線をどうするか、なるほどこれは大きな問題でありまして、国鉄経営だけの問題ではありません。そういう意味で、取り上げることについてわれわれはやぶさかではありませんけれども、取り上げ方と結論の出し方については、法案に盛られているような手法ではいけないというのが手前どもの考え方で一貫してまいりました。また、すでに運輸大臣が通達を出しておりまして、御存じないと思うのでありますが、先ほど申し上げました地域交通の維持整備計画を策定する要領について、この三日に政令を改正をしながらそれぞれの陸運局長に通達を出しております。地方自治体が何らの権限を持っておりませんから、この法案と同じように、その部分については木に竹を接いだようなぎこちないというか、一貫しないものがありますけれども、言うならば、この通達は、先ほども私が申し上げた、地域の交通をどうやって住民の手によって立て直すかというのが主体であります。
片方ではこういう通達を出しておきながら、片方ではこの法律で一定の基準をつくって、その基準に基づいて廃止をまず一つしよう、バスに転換というが鉄道の線路を外そう、それからもう一つは、国鉄営業線約二万一千キロございますが、その半分に等しいような一万キロになんなんとする地方交通線については特定運賃をつくろうということで法律案が用意されております。こうなりますと、国鉄の経営自体から見てもこれは大きな変革であります。運賃制度上も大きな変革であります。そういうものを、しかも政府の一方的な基準、査定によって処理をしようということについては、われわれは断じてこれは容認するわけにはいきません。問題はありますから、真剣に関係の皆さんの御討議をいただいていい結論を得る、もちろんその中には国鉄の主張も入るだろう、政府の主張も入っていいと思うのです。しかしながら、政府と国鉄だけの主張で地域住民にその処理を押しつけるがごときは断じてやるべきではないと私は思っているのです。
ところが、今度の法律案は、御案内のとおり、一定の基準を決めたならば、自動的にも等しいように線路を廃止してバスに転換する、なるほどそれで用の足りるところもあるでしょう。しかし、足りないところもある。いままで議論してきたのは基準について議論が集中しました。ところが、その基準は、御案内のとおり、これは大変なものです。ケース・バイ・ケースでありますから、これは百線あれば百基準をつくらなければ始末がつかぬような始末、だと私は思う。
いずれにいたしましても、地域交通の維持整備は緊急の課題である。それは民主的な手法によってどこまでもやるべきだと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
○鈴木内閣総理大臣 近年、産業構造の変化一また過疎化の進行、さらに目を見張るようなモータリゼーション時代の進行、そういうようないろいろな社会経済上の変化に伴いまして、地方交通線がその鉄道としての特性、機能というものを発揮することができないような状況に相なっております。
私どもは、国鉄財政の再建という観点のほかに、また国鉄が本当に大量輸送機関としての機能を十全に発揮できるかどうか、そういう国鉄にしなければならない、こういうようなことを考えまして、今回の地方交通線の合理化、整理ということを御提案を申し上げなければならないわけでございます。現在の国鉄法におきましても、国鉄は運輸大臣の認可を得ることによりまして、地方交通線等の整理あるいはバスへの転換、これができるわけではございますけれども、しかし政府・与党、特に与党の自由民主党の方から、地元の承認、了解がなければそういうことはやるべきでない、こういうことを決議で枠をはめておるわけでございます。
そういうような状況下に、前段で申し上げたように、この地方交通線がもう機能を発揮できないような状況に来ておる。そこで、今回の法案におきましては、これをルールをきちっと決めまして、そうして、そのルールに基づいてこれを整理線として取り上げざるを得ない場合にはこれを取り上げる、その間におきましても、地元の知事の御意見等を十分聞く機会も持っております。また、その基準の設定につきましては、当委員会におきましてもその点が一番重要な問題だということで、各委員の皆さんから真剣にそこに御議論がなされておるということも承知をいたしております。したがいまして、運輸当局、国鉄におきましては、この当委員会の御意見というものを十分踏まえて、そして基準というものを適正に合理的に決めていく。そして、決めましたところの基準につきましては、政治的にこれをゆがめるというこ・となしに、きちっと折り目を正して実行に移してまいりたい、こう思っております。
○久保(三)委員 私の質問が少し幅広く申し上げたので、大変恐縮でありました。やはり国鉄問題にしぼってお尋ねした方がいいでしょう。
あなたのお話の中に出てくることは、言葉じりをとらえるわけではございませんが、従来やろうとしても法律はあるのだがやれなかった、それはいわゆる自由民主党の中で地元の了解がなければやってはいかぬという縛りがあったのでできなかった、こういうお話ですが、それは自民党の中でのお話でありまして、法律があるのならそれを振り切っておやりになってもいいのじゃないかと私は思うのであります。自由民主党のそういう約束を振り切るために今回法律を出すというふうに解釈するということは大変間違いだと私は思っているわけです。言葉じりかもしれませんが、考えのもとはちょっと違うんではないかというふうに私は思うのであります。
それで、言及されました基準についてであります。基準というのは政令にゆだねるということになっておりますが、この法律案は御案内のとおりことしの二月、国会にかかりました。解散までの国会で一応の審議が行われまして、そのときには私からも当委員会で、基準は地域住民の生活に密接に関係することであるからこれは法律事項ではないか、法律に盛るべきであるという主張をしたのであります。しかし、私はいまさら法律でなくちゃいかぬということにだけ固執するわけではありません。しかし、その中身についてはやはり固執せざるを得ません。これまで運輸大臣の御答弁の中では、運輸省としての基準案の案、案の案ということでしょうね、何かちょっとよくわかりませんが、不確定要素を多分に含んだ一応の案が当委員会で提示されました。これは特に二、三の省庁から反対がある、こういうことですが、挙げて言えば自治省とか通産省、それからきょうの答弁を聞いていると建設省あたりも余り同意していないようですね。あるいは国土庁もそういうことですね。最終的に同意をしていない。少なくとも案でありますから、すかっと全部整合したものでなくても私はいいと思うのです。しかし、こういう基準に従って政府はやるべきであるということをお示し願うことがこの法律案のまず第一歩だと思うのです。それがなければ大部分を占めるところの地方交通線の対策はどうなるかわからぬですね。
そういうことに関係して基準案について、政令案について総理はいかなる御責任をお持ちになりますか。
運輸大臣、先に。
○塩川国務大臣 基準案につきましては政令との関係がございます。政令の策定につきましては目下各省庁間におきます意見の調整を図っておるところでございます。しかしながら、国鉄が自分の努力のみでは何としても採算をとりがたい路線等につきまして、その基準はおのずから国鉄並びに運輸省におきまして審議した一つの基準というものがございまして、その基準、これを中心にして政令を編成いたしたい、こういう考えでございますが、さりとて政令という形態で出しますまでにはまだ文言の問題もございますし、また各省庁間の調整もございましたので、そこで政令の基準となるもの、この案をわれわれが提示させていただいたような次第でございます。したがって、この法律案が成立いたしました時期からできるだけ速やかに各省庁間におきますところの意見の統一を図り、そして、これが公正にして真に国鉄の再建に寄与し得る政令といたしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思うのであります。
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