国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

和歌山線・桜井線が電化された頃のお話。後編

2016-11-24 10:18:51 | 国鉄思いで夜話
久々に更新させていただきます。
和歌山線の電化ですが、五条までの電化が完成した以降は、国鉄の財政も急速に悪化していきましたが、運用の効率化と言う思惑もあったと思うのですが、和歌山線も全線電化されることとなりました。


これにより、今まで気動車の保守区として残っていた和歌山機関区には「急行きのくに」等の為に残っていた、キハ58などが姿を消して、代わりに103系1000番台改造の105系が屯するようになり、気動車に書かれていた、「天ワカ」の電報略号も思い出になってしまいました。
和歌山線の非電化区間・併せて和歌山市~和歌山間も電化されたのは、昭和59年10月1日でした。
電化開業と同時に、和歌山機関区が廃止されたので、急行紀ノ川も廃止になりました。

ただ、この電化で特徴的であったのは、電化の経費を少しでも抑えるためでしょうか、直接吊架式(直吊架線方式)と呼ばれる、路面電車と同じ電化方式が採用されました。
最高速度が低く(85km/h最大、平均40㎞/h程度なので問題は無いと判断されたのかもしれません、ほぼ同じ時期に施工された弥彦線・越後線でも採用されています。
余談ですが、和歌山市~和歌山間は通常の電化方式です。


直接吊架式の様子が理解していただけると思います。


他にも、境線の米子~後藤寺間も昭和57年に電化されていますが、これは工場への入出場列車の回送のためですので営業運転区間で導入されたのは、この3線のみとなりそうです。
JR化後西日本でも木津~加茂間などが電化されていますが、こちらは従来のカテナリー式架線が採用されています。


紀和駅を出発する105系

直接町架線方式の場合、架線の振幅がそのまま波及しやすいため、高速運転には向かないのですが、国鉄末期に381系を使って和歌山~粉河間で速度向上試験が行われています。
95km/hまでの速度試験を行なわれたと記憶しています。

和歌山線に381系試験列車 1/21~23

日根野区の381系6連が和歌山線、和歌山~粉河間に入線、同線五条~和歌山間の将来的スピードアップを検討するため

引用元 http://jnrera3.webcrow.jp/nenpyou/shouwa_JNR/s_62.html

この後特段の速度向上の話はないのですが・・・その後はどうなったのでしょうか?

それは余談ですが、今回の和歌山線電化では113系ではなく105系が導入されました。
それも、新車ではなく常磐線で使用されていた103系1000番台を改造の上投入されました。

MM'のユニットではなく1M方式に変更されるなどかなりの大工事であったかと思いますが、同じように改造された105系の一部は可部線の旧形電車置換えに充当されました。

そう考えると今も活躍する105系ですが、30年以上走っているのかと思うとちょっと不思議な感じがします。

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