今回質問に立っている、広田幸一参議院議員は鳥取選挙区選出の日本社会党出身の議員で、1997年7月10日の選挙で初当選し、1983年の選挙で落選、それ以後は政界を引退しています。
さて、今回の質問では、輸送量に見合った減量ダイヤを引いたことに対して、公共性を配慮すべきではないかと言う視点から発言されているのですが、この辺は国鉄の赤字ローカル線対策とも相まってその線引きが難しい問題であろうかと思います。
委員の発言の中で、「国鉄の場合はいわゆる国有鉄道でありまして、やっぱり減量経営をする中にも一つの筋が、公共性という筋が一本通っていないと私はいけないと思うんです。」
と言うくだりがあるのですが、公共性と言うのが今回の北海道の問題も含めてどこまで公共性と言う枠で捉えるのかと言う視点があるかと思います。
さらに、下記のような発言をされていますが、
「国鉄が現在の赤字を解消するために非常に努力をされておるということは当然のことながら私も評価をするわけです。ただ、そのためにいわゆる減量経営といいますか、そういうことに余り傾斜し過ぎておるではないかというふうな感じがするわけです。」
昭和55年のダイヤ改正では、主として特急列車や寝台列車等、優等列車の削減が中心であり、長距離急行の廃止などが行われるた他、こだまを中心に減便、ひかり号の停車駅が見直される等、新幹線の地域輸送への活用が行われる反面全体での減便による競争力の更なる低下を招いたと言えましょう。
また、ここでは質問されていませんが、北海道では連絡線中心から飛行機との連携輸送にシフトしていった時期でもありました。
昭和50年1月時刻表
昭和50年10月時刻表(こだまが減便され、ひかりの一部が各駅停車化しています)
話が、横道にそれてしまいましたが、今回のダイヤ改正については、下記の通り総裁も答弁しています。
「旅客につきましても五十年をピークとしてお客さんがだんだん減りぎみでございまして、輸送力と輸送量に乖離が出てまいりました。特に中国地区、九州地区についてそれが顕著になってまいりました。そこで、これらの地区につきましてはかなりの程度列車を減らすということをいたしたわけでございます。」
ということで、今までは拡大していた旅客輸送は、高速道路の延伸と度重なる運賃値上げなどにより、国鉄離れが徐々に進行していったとも言えます。
質問にあるように、公共性とのせめぎあいの部分もあったかと思いますが、工夫の仕方が有ったのではないかなとも思ってしまう部分も多少はありますが、当時の状況ではかなり難しかったであろうと思われます。
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○広田幸一君 私は最初に、十月一日から今回はかなり大幅なダイヤ改正が行われておるわけですが、私の見ますところ、国鉄が現在の赤字を解消するために非常に努力をされておるということは当然のことながら私も評価をするわけです。ただ、そのためにいわゆる減量経営といいますか、そういうことに余り傾斜し過ぎておるではないかというふうな感じがするわけです。
確かに民間企業は減量経営をやっておりますけれども、国鉄の場合はいわゆる国有鉄道でありまして、やっぱり減量経営をする中にも一つの筋が、公共性という筋が一本通っていないと私はいけないと思うんです。この路線はもっと積極的にやればどんどん収益が上がると、だからそれに力点を置くと。しかし、こちらの線は幾ら力点を置いても、もう赤字になってしまってなかなか黒字にならない。そういうふうな一つの考え方があっていわゆる公共性が失われておるではないかと、こういうふうに思うわけですが、今回のダイヤ改正に当たって、国民に国鉄を利用してもらう、そういう前提に立って、どういうところに視点を置いてダイヤ改正をおやりになったかという点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(高木文雄君) 今回のダイヤ改正では主として東京から西の方といいますか、そちらの地域において旅客につきましては改正を行ったわけでございます。というのは、東京から東北にかけての地域は、現在、東北新幹線なり新潟新幹線の開業時期を控えておりますので、その開業時期を待ちましてその機会にダイヤ改正を行いたいということでございまして、主として西の方を中心にして行われたわけでございます。その場合に、従来は貨物が少し輸送力と輸送量の間に乖離があるということで、貨物の何といいますか、列車体系を改めるということが五十三年の十月のときのダイヤ改正の中心でございましたが、非常に残念ながら、旅客につきましても五十年をピークとしてお客さんがだんだん減りぎみでございまして、輸送力と輸送量に乖離が出てまいりました。特に中国地区、九州地区についてそれが顕著になってまいりました。そこで、これらの地区につきましてはかなりの程度列車を減らすということをいたしたわけでございます。
私どもとしましては、その場合にお客さんの方の迷惑ということも十分頭に置いてやってくれているものと思っておりますけれども、やはり一部ではその後大変不便になったという声も聞いておるわけでございまして、この点については従来も気をつけてやっているはずではございますが、今後ともよく気をつけてやっていくようにしたいと思っております。
それから、今回のダイヤ改正の中でかなり大きなポイントになっておりますのは、関東地区、東京地区における通勤のサービスの改善でございまして、約十四、五年前からこの関東地区の通勤体制の整備に取り組んできておったわけでございますが、時たまたま非常に環境問題というようなことについての住民の方々の関心が高まりましたために、われわれの鉄道を敷かしていただくことについて大変反対といいますか、同意を得られないという時期がかなり続きましたために、もうすでに十五年ぐらい前から計画して、七、八年前にはできていなければならなかったものがまだまだできておりませんでした。それが今回ようやく御理解を得まして、かなり新しい線路を敷くことができましたものですから、関東地区においては増発をするということが可能になってまいったわけでございまして、総体的には御指摘のようにお客様の少ない地域についてはやはりだんだんと減量を図っていくと、しかしお客様の多い地区についてはむしろ増強を図っていくということの基本はおっしゃるとおりやっているつもりでございます。
ただ、具体的な場合について若干のフリクションを起こしているということは承知をいたしておりますので、今後それらの点についてはなお一層地域との関連ということに重点を置いて取り組むように指導してまいりたいと考えております。
さて、今回の質問では、輸送量に見合った減量ダイヤを引いたことに対して、公共性を配慮すべきではないかと言う視点から発言されているのですが、この辺は国鉄の赤字ローカル線対策とも相まってその線引きが難しい問題であろうかと思います。
委員の発言の中で、「国鉄の場合はいわゆる国有鉄道でありまして、やっぱり減量経営をする中にも一つの筋が、公共性という筋が一本通っていないと私はいけないと思うんです。」
と言うくだりがあるのですが、公共性と言うのが今回の北海道の問題も含めてどこまで公共性と言う枠で捉えるのかと言う視点があるかと思います。
さらに、下記のような発言をされていますが、
「国鉄が現在の赤字を解消するために非常に努力をされておるということは当然のことながら私も評価をするわけです。ただ、そのためにいわゆる減量経営といいますか、そういうことに余り傾斜し過ぎておるではないかというふうな感じがするわけです。」
昭和55年のダイヤ改正では、主として特急列車や寝台列車等、優等列車の削減が中心であり、長距離急行の廃止などが行われるた他、こだまを中心に減便、ひかり号の停車駅が見直される等、新幹線の地域輸送への活用が行われる反面全体での減便による競争力の更なる低下を招いたと言えましょう。
また、ここでは質問されていませんが、北海道では連絡線中心から飛行機との連携輸送にシフトしていった時期でもありました。
昭和50年1月時刻表
昭和50年10月時刻表(こだまが減便され、ひかりの一部が各駅停車化しています)
話が、横道にそれてしまいましたが、今回のダイヤ改正については、下記の通り総裁も答弁しています。
「旅客につきましても五十年をピークとしてお客さんがだんだん減りぎみでございまして、輸送力と輸送量に乖離が出てまいりました。特に中国地区、九州地区についてそれが顕著になってまいりました。そこで、これらの地区につきましてはかなりの程度列車を減らすということをいたしたわけでございます。」
ということで、今までは拡大していた旅客輸送は、高速道路の延伸と度重なる運賃値上げなどにより、国鉄離れが徐々に進行していったとも言えます。
質問にあるように、公共性とのせめぎあいの部分もあったかと思いますが、工夫の仕方が有ったのではないかなとも思ってしまう部分も多少はありますが、当時の状況ではかなり難しかったであろうと思われます。
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○広田幸一君 私は最初に、十月一日から今回はかなり大幅なダイヤ改正が行われておるわけですが、私の見ますところ、国鉄が現在の赤字を解消するために非常に努力をされておるということは当然のことながら私も評価をするわけです。ただ、そのためにいわゆる減量経営といいますか、そういうことに余り傾斜し過ぎておるではないかというふうな感じがするわけです。
確かに民間企業は減量経営をやっておりますけれども、国鉄の場合はいわゆる国有鉄道でありまして、やっぱり減量経営をする中にも一つの筋が、公共性という筋が一本通っていないと私はいけないと思うんです。この路線はもっと積極的にやればどんどん収益が上がると、だからそれに力点を置くと。しかし、こちらの線は幾ら力点を置いても、もう赤字になってしまってなかなか黒字にならない。そういうふうな一つの考え方があっていわゆる公共性が失われておるではないかと、こういうふうに思うわけですが、今回のダイヤ改正に当たって、国民に国鉄を利用してもらう、そういう前提に立って、どういうところに視点を置いてダイヤ改正をおやりになったかという点をひとつお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(高木文雄君) 今回のダイヤ改正では主として東京から西の方といいますか、そちらの地域において旅客につきましては改正を行ったわけでございます。というのは、東京から東北にかけての地域は、現在、東北新幹線なり新潟新幹線の開業時期を控えておりますので、その開業時期を待ちましてその機会にダイヤ改正を行いたいということでございまして、主として西の方を中心にして行われたわけでございます。その場合に、従来は貨物が少し輸送力と輸送量の間に乖離があるということで、貨物の何といいますか、列車体系を改めるということが五十三年の十月のときのダイヤ改正の中心でございましたが、非常に残念ながら、旅客につきましても五十年をピークとしてお客さんがだんだん減りぎみでございまして、輸送力と輸送量に乖離が出てまいりました。特に中国地区、九州地区についてそれが顕著になってまいりました。そこで、これらの地区につきましてはかなりの程度列車を減らすということをいたしたわけでございます。
私どもとしましては、その場合にお客さんの方の迷惑ということも十分頭に置いてやってくれているものと思っておりますけれども、やはり一部ではその後大変不便になったという声も聞いておるわけでございまして、この点については従来も気をつけてやっているはずではございますが、今後ともよく気をつけてやっていくようにしたいと思っております。
それから、今回のダイヤ改正の中でかなり大きなポイントになっておりますのは、関東地区、東京地区における通勤のサービスの改善でございまして、約十四、五年前からこの関東地区の通勤体制の整備に取り組んできておったわけでございますが、時たまたま非常に環境問題というようなことについての住民の方々の関心が高まりましたために、われわれの鉄道を敷かしていただくことについて大変反対といいますか、同意を得られないという時期がかなり続きましたために、もうすでに十五年ぐらい前から計画して、七、八年前にはできていなければならなかったものがまだまだできておりませんでした。それが今回ようやく御理解を得まして、かなり新しい線路を敷くことができましたものですから、関東地区においては増発をするということが可能になってまいったわけでございまして、総体的には御指摘のようにお客様の少ない地域についてはやはりだんだんと減量を図っていくと、しかしお客様の多い地区についてはむしろ増強を図っていくということの基本はおっしゃるとおりやっているつもりでございます。
ただ、具体的な場合について若干のフリクションを起こしているということは承知をいたしておりますので、今後それらの点についてはなお一層地域との関連ということに重点を置いて取り組むように指導してまいりたいと考えております。
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