国鉄改革が政治問題として俎上に載せられていた昭和59年以降、国鉄では車両の新製なども基本的に停止させられており、既存車両の有効活用ということで多くの改造車が生まれたのはこの時期でした。
とにかくこの時期は、短編成化、先頭車改造が流行にようになっていて、車両メーカーにしてみれば今までコンスタントに発注されていたわけで、大打撃となりました。
当時の短編成化改造は主として国鉄工場で行われており、先頭車だけを車両メーカーに製造させて改造は国鉄工場で行うことで業務のバランスを取っていたようでした。
実際には、国鉄工場も合理化で統廃合が進み客車等の保守で定評のあった高砂工場も昭和59年には廃止され鷹取工場に統合されていきました。
さて、今回は鉄道ピクトリアルから昭和60年3月ダイヤ改正に向けた車両改造ということで少し見てみようと思います。、その一つがキハ183系の中間車キハ184を先頭車改造したキハ183-100番代が誕生しました。
画像 wikipedia
これも、先頭車のユニットをメーカーで制作して切り貼りする工事であり苗穂工場で施工されたようです。
キハ184改造工事 鉄道ピクトリアル85年5月号から引用
同じく181系の改造も行われたそうで、トイレが有るため定員が4名少ないなどの特徴があります。
画像 Wikipedia 改造のため車端にトイレが有る仕様となっている。
画像 Wikipedia オリジナルの181系
キハ181系の改造図 キハ180改造工事 鉄道ピクトリアル85年5月号から引用
更に客車では、ブルートレインを更に魅力的なものとするために食堂車を種車にしてロビーカーに改造されました。
これは、ブルートレインの歴史の中では画期的なもので、現在のカシオペアやトワイライトエクスプレスのロビーカーに受け継がれています。
こうした改造が行われたのも国鉄改革という外圧が無かったら実現していなかったのかもしれませんが、趣味的に見れば楽しいという反面、複雑な感覚にならざるを得ないですね。
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