皆さん、こんばんは。
今回は、お昼に予告させていただいていましたが少し趣向を変えて旅に出ようと言うタイトルでお送りしたいとおもいます。
でも、黒猫のすることですから一筋縄では行かないと思っている方も多いのでは?
そう、皆さんと一緒にタイムトラベルに出かけましょう。昭和45年の時代へ
DiscverJapanの時代へ・・・・
昭和45年あなたは何歳でしたか?
黒猫は、昭和45年では未だ生まれていませんでした・・・などと書くと多分小島よしおなみのブーイングがきそうですネ。
昭和45年、ちょうど小学校4年生でした、5年生は学校から万国博覧会に行けたのになどと悔しい思いをしたものでした。
そんな昭和45年10月の時刻表から旅に出たいと思います。
さあ、皆さん準備はいいですか?
まもなく、特急列車がやって来ますよご乗車の方はお急ぎください。
猫次郎は、ある会社の営業マン。
本来なら、B寝台車での移動が当然なのだが、今回は思うことがあって個室寝台、それも最高級のA個室一人用を選んだのだ。
幅60cmの寝台は決して広いとはいえないが、寝台は完全にプライバシーが保たれており、施錠できないのが玉に瑕だが、乗客案内【昔の給仕】の至れり尽せりのサービスは、多少奮発はしたがそれ以上に余りあるものと思わせるものがあった。
「眠れないですか?」
もう一人の自分が声をかけたような気がした、
「いや、そんなことは無い」ひたすら否定することが出来ない自分がいた、
「ピー・・・・」 時折聞こえる物悲しいような汽笛。
猫次郎は思った、夜汽車の汽笛はどうしてあんなに物悲しく聞こえるのだろう。
まるで俺のこころを見透かしているようにも聞こえる。
甲高くそれでいて哀愁を帯びたあの音色は、やがて猫次郎を夢の世界にいだなっていた。
ねこさん、ねこさん、ドアの向こうからかすかな声が聞こえる。
誰だろうか?こんな時間に、少しいぶかしげにそれでいて回りに気遣いながら、「誰?」
ドアの向こうから、「僕だよぼく、38年前の君だよ。」
「???、何か悪い夢でも見ているのだろうか、いやさっきから寝よう寝ようと思いながら中々寝れない自分がいることに気づいた。」
まさか。ドアを開けるとどこかで見たことがある子どもがいる。
目が細くて、おでこが広い、お世辞にも美男子とはいえない子どもが立っていた。
「久しぶりだね、38年後の自分、38年後はこんなおっさんになってるんだ。」
無遠慮に話かける子どもに少し腹を立てながら、通路での話はまずいと思った猫次郎は少年を狭い個室に招き入れたのだった。
一人でも窮屈な個室に子どもとはいえ二人では流石に苦しい、猫次郎は子どもに向かって
「君は誰なんだ、どこから来たのか」と静かにそれでいて語気を強めながら言ったのだが。
「何を言ってるのさ、38年前の僕じゃないか。覚えていないのかい?」
思い出すも思い出さないも無い、確かに自分だ、ただ認めたくない自分がいた。きっと悪い夢を見ているに違いないと。
さらに子どもは、畳み掛けるように、「何か悩みでもあるのかい。」
「わからない、何がなんだか・・・・」
猫次郎は呟いたのだった。
子どもは、黙ってついておいで案内してあげるよ。
そういうと、猫次郎の手を取って強く引っ張るように歩き始めたのだった。その力は到底子どもの力とは思えないのだった。
子どもは、先頭車の電源車との個室を仕切る扉の前にいた。
「行くよ、手をしっかり握ってるんだよ。」
そういうと、そのまま・・・猫次郎の意識が遠のく、次の瞬間工場の中にいるかのような騒音と暑い室内にいる自分に気がついた。
ここはどこなんだ、叫ぶ猫次郎の横に先ほどの子どもが。
ここは、カニ21電源車の中なんだよ。
ここに使われているエンジンはDD13に使われているエンジンと同じでここで660V60Hzの交流電源を作って、各車両の冷房装置であったり照明に使うための電力を供給しているのさ。
ほら、あそこにメーターを睨む男の人がいるだろう。
彼が、エンジン担当の技術員なんだよ。
そして、となりが荷物室。新聞などもここに載せられて運ばれているのさ。
君くらいのおじさんが荷物の仕分けをしているだろう。
彼は荷物車掌なのさ、荷物専門の車掌。通称ニレチというんだ。
お客さん専門を「カレチ」というだろう。その対になる言葉さ。
猫次郎は、この38年前の自分と言うか、この変な少年が不思議でたまりませんでした。
本当にどうなってしまったのか。
「さあ、行くよ・・・」次に猫次郎の連れて行かれた先は・・・・。
さて、この続きはまた明日にでも。
読みきりにしようと思ったけど上手くまとめられなかったので少し連載形式をとりたいと思います。
猫次郎はどうして、昭和45年を旅したのかそして、38年前の自分と名乗る子どもの正体は?
乞うご期待???されてないか。
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