皆様申し訳ありません、12月23日以来の投稿となってしまいましたが、引き続きお読みいただければと思います。
今回塩田議員からは大きな二つの質問がなされておりますが、その最初の質問である、地方交通線のおける特定運賃の導入についてと言う質問に対し、まぁこれも当時の考え方とすれば至極当然なのですが、国有鉄道ゆえの問題として国土軸の均衡的発展と言う課題がありましたから闇雲に運賃を上げることは難しかったと言えましょう、しかし、そうしたコスト増に関しては本来ならば現在の第3セクターが行っているように職制の多能化で本来は切り抜けるべきところだったのですが、その辺を当時の国鉄は出来なかったというか、出来ない状況であったと言われています。
実際、高木総裁は就任する際に政府筋から言われたことは、「国鉄労働組合については手を付けるな」と大平首相に念を押されたとされています。
実際、大蔵事務次官まで勤めた人が国鉄に関しては殆ど労使問題に関しては殆ど無策であったことはどうも政府からの伏線もあったようですが、この後マスコミによるカラ出張キャンパー等が繋がっていくのですが、この辺は政府がかなり慎重に根回しをしていたんではないかと勘ぐってしまうんですよね。(^-^;
塩田議員からの質問として、「全国一律運賃制度から線区別の運賃制に移っていくというようなお考えがあるのかどうか、あるとすれば、特に国鉄が独占地域になっているような地域ほど運賃の上昇率が高くなるのではないかと考えられるのでございますが、この点につきまして総裁の御意見をお伺いいたします。」
ということで、線区ごとに運賃が変わるのかと言う質問をしていますが、これについては国鉄当局として地方ローカル線運賃としての2種類となり、現在まで続く特定区間運賃が誕生したのもこの頃であったと思います。
話が少し脱線しましたが、塩田議員の質問に対して高木総裁は、「私鉄あるいは私バスにつきましては企業別の原価というものあるいは地域別の原価水準というものが基準になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄と私営の民鉄あるいは民営バスとの間に地域によって水準差ができたわけでございます。」ということで、私鉄との違いを強調した上で
「従来のように都市部でいささかの黒字を上げさしていただいてその黒字でもって地方部の赤字を埋めるということもだんだんできなくなってくるといいますか、限界が参りました」と開き直りではありませんが、都市部や新幹線の黒字で地方のローカル線をすべて維持することは不可能であると明言しています。しかし、運賃に関しては線区ごとの運賃などは考えておらず、運賃改定は「神経質にコスト主義をとって運賃を決めようとは考えていないわけでございまして、現段階では全国をせいぜい二つくらいの段階に分けるかなというぐらいの考え方でございます。」
ということで、この考え方がそのまま導入されたのが現在まで続く運賃制度になります。
さらに、塩田議員は地方運賃制度導入に際して、国鉄のマル生運動並びに合理化の在り方について質問しています。
この辺は、おそらく高木総裁にしてみれば一番触れて欲しくないところかと思うのですが、なかなか答弁は上手くすり抜けているなぁと言うのが印象です。
塩田議員の質問は
「過去に生産性向上運動、いわゆるマル生運動というものがございました。私は、これはすべてがいいとも思いませんし、すべてが間違っておったとも思いませんが、いまの段階におきまして国鉄総裁はこれをどのように評価し、現時点においてはどのような認識をお持ちであるかということについてお伺いいたします。」
それに対して、言葉を慎重に選んで発言しているというのが正直な感想です。
「 ただ、当時私おりませんでしたので、そう詳しい実態を存じておるわけではございませんけれども、そのやり方といいますか、進め方に多少問題がありまして大変に職場の荒廃を招いた、また労使間の信頼関係が失われた、さらには私どもの特殊事情としていろいろな種類の労働組合がございますけれども、労働組合間の紛争がまた激化をしたというようなことを通じて、結果としては、ねらいとした生産性の向上ということは期待できないのみならず、先ほどもお触れになりましたように、むしろいろいろな意味で利用者の皆さんからひんしゅくを買うような実態を招いたわけでございますから、生産性を上げようということは正しいことでありながら、結果としては上げ得ませんでしたし、またかえって紛争が生じたということで、非常に残念なことであったという・・・。」
ということで、高木総裁としてもマル生運動に関しては上げ足を取られることが無いように明言を避けているのが印象的です。
**************************以下、国会審議本文になります。********************
○塩田委員 運輸大臣にはそういった基本的態度で十分に対処していただきたいと要望いたします。
そこで、運賃に関しまして、なおこの法案の中に地方交通線、それから特定地方交通線の関係でいろいろ規定がございますが、運賃の面では全国一律運賃制度から線区別の運賃制に移っていくというようなお考えがあるのかどうか、あるとすれば、特に国鉄が独占地域になっているような地域ほど運賃の上昇率が高くなるのではないかと考えられるのでございますが、この点につきまして総裁の御意見をお伺いいたします。
○高木説明員 御高承のように、都市部では国鉄運賃の方が私鉄運賃よりも高いという現状に最近なっております。一方、地方におきましては国鉄運賃の方が中小の私鉄運賃、また場合によりましたならばバスの運賃と比較いたしまして安いということになっております。これはなぜかといいますと、国鉄は非常に古くから全国均一運賃システムをとってまいりましたし、私鉄あるいは私バスにつきましては企業別の原価というものあるいは地域別の原価水準というものが基準になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄と私営の民鉄あるいは民営バスとの間に地域によって水準差ができたわけでございます。そこで、長い伝統ではございますが、こういう状態では従来のように都市部でいささかの黒字を上げさしていただいてその黒字でもって地方部の赤字を埋めるということもだんだんできなくなってくるといいますか、限界が参りましたので、この際、運賃を均一運賃の考え方から変えていってはどうかというのが現在の私どもの考え方でございます。しかし、さりとていまお触れになりましたように路線別運賃というところまでは考えておりません。これは現在、一口に地方交通線と申しましても線区ごとにコストと収入の状況が非常に大きな開きになっております。それをきわめて律儀にと申しますか、神経質にコスト主義をとって運賃を決めようとは考えていないわけでございまして、現段階では全国をせいぜい二つくらいの段階に分けるかなというぐらいの考え方でございます。
それから、特別運賃を徴収することになるとそれだけ上がるではないかというお考えでございますけれども、全体としてはいま大臣から御説明ございましたように、五十六年度の概算要求では二千百億円の増収を図りたいと考えておりますけれども、仮に特別運賃制度を一部の交通線でとることにいたしましても、いわばその中の話でございまして、仮に運賃改定で二千百億円の増収を図らせていただくとしましても、それをどこの部分でどうやって上げていくかということの、一種の値上げ幅の配分のような問題になってくるかと思います。したがって、その問題につきましては私どもまだ十分案が練れておりませんけれども、運賃水準が全体として物価等に極度の悪い影響を及ぼさないようにということも考えますし、また同時に、地域ごとにおきましても余り大きな変化を来さないようにということを考えながら、具体的にはこの法律が成立しました暁において案を詰めてまいりたいと考えております。
○塩田委員 いまお答えございましたような考えで、国民生活への影響、そして地域産業への影響、経済の発展、地域開発、こういったものを十分に考慮をされまして、できるだけ値上げ幅を少なくするように、抑えるように御配慮願いたいと思います。続きまして、先ほど生産性の向上は重要なことである、これに取り組むということをおっしゃいましたが、過去に生産性向上運動、いわゆるマル生運動というものがございました。私は、これはすべてがいいとも思いませんし、すべてが間違っておったとも思いませんが、いまの段階におきまして国鉄総裁はこれをどのように評価し、現時点においてはどのような認識をお持ちであるかということについてお伺いいたします。
○高木説明員 いわゆる生産性向上運動でございますが、生産性を高めていかなければならないということは、先ほども申しましたとおり、絶対に間違っていない、また、どうしてもやらなければならないことであるわけでございますので、過去の時代におきまして、生産性を上げようということについてのいろいろな努力目標を持ったということは正しいことであることは言うまでもないわけでございます。
ただ、当時私おりませんでしたので、そう詳しい実態を存じておるわけではございませんけれども、そのやり方といいますか、進め方に多少問題がありまして大変に職場の荒廃を招いた、また労使間の信頼関係が失われた、さらには私どもの特殊事情としていろいろな種類の労働組合がございますけれども、労働組合間の紛争がまた激化をしたというようなことを通じて、結果としては、ねらいとした生産性の向上ということは期待できないのみならず、先ほどもお触れになりましたように、むしろいろいろな意味で利用者の皆さんからひんしゅくを買うような実態を招いたわけでございますから、生産性を上げようということは正しいことでありながら、結果としては上げ得ませんでしたし、またかえって紛争が生じたということで、非常に残念なことであったという、いまやそれは思い出の時代になりましたけれども、そういう感じで受けとめております。
〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
○塩田委員 この問題につきましては、私は若干違うところがあるわけでございます。ですから、この問題はこの程度にいたしまして、次に進みたいと思います。
違法ストによりましてどの程度の損失額があったか。これは赤字の増大あるいは運賃の値上げに影響があったと思うのですが、どのような状況でございますか。
今回塩田議員からは大きな二つの質問がなされておりますが、その最初の質問である、地方交通線のおける特定運賃の導入についてと言う質問に対し、まぁこれも当時の考え方とすれば至極当然なのですが、国有鉄道ゆえの問題として国土軸の均衡的発展と言う課題がありましたから闇雲に運賃を上げることは難しかったと言えましょう、しかし、そうしたコスト増に関しては本来ならば現在の第3セクターが行っているように職制の多能化で本来は切り抜けるべきところだったのですが、その辺を当時の国鉄は出来なかったというか、出来ない状況であったと言われています。
実際、高木総裁は就任する際に政府筋から言われたことは、「国鉄労働組合については手を付けるな」と大平首相に念を押されたとされています。
実際、大蔵事務次官まで勤めた人が国鉄に関しては殆ど労使問題に関しては殆ど無策であったことはどうも政府からの伏線もあったようですが、この後マスコミによるカラ出張キャンパー等が繋がっていくのですが、この辺は政府がかなり慎重に根回しをしていたんではないかと勘ぐってしまうんですよね。(^-^;
塩田議員からの質問として、「全国一律運賃制度から線区別の運賃制に移っていくというようなお考えがあるのかどうか、あるとすれば、特に国鉄が独占地域になっているような地域ほど運賃の上昇率が高くなるのではないかと考えられるのでございますが、この点につきまして総裁の御意見をお伺いいたします。」
ということで、線区ごとに運賃が変わるのかと言う質問をしていますが、これについては国鉄当局として地方ローカル線運賃としての2種類となり、現在まで続く特定区間運賃が誕生したのもこの頃であったと思います。
話が少し脱線しましたが、塩田議員の質問に対して高木総裁は、「私鉄あるいは私バスにつきましては企業別の原価というものあるいは地域別の原価水準というものが基準になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄と私営の民鉄あるいは民営バスとの間に地域によって水準差ができたわけでございます。」ということで、私鉄との違いを強調した上で
「従来のように都市部でいささかの黒字を上げさしていただいてその黒字でもって地方部の赤字を埋めるということもだんだんできなくなってくるといいますか、限界が参りました」と開き直りではありませんが、都市部や新幹線の黒字で地方のローカル線をすべて維持することは不可能であると明言しています。しかし、運賃に関しては線区ごとの運賃などは考えておらず、運賃改定は「神経質にコスト主義をとって運賃を決めようとは考えていないわけでございまして、現段階では全国をせいぜい二つくらいの段階に分けるかなというぐらいの考え方でございます。」
ということで、この考え方がそのまま導入されたのが現在まで続く運賃制度になります。
さらに、塩田議員は地方運賃制度導入に際して、国鉄のマル生運動並びに合理化の在り方について質問しています。
この辺は、おそらく高木総裁にしてみれば一番触れて欲しくないところかと思うのですが、なかなか答弁は上手くすり抜けているなぁと言うのが印象です。
塩田議員の質問は
「過去に生産性向上運動、いわゆるマル生運動というものがございました。私は、これはすべてがいいとも思いませんし、すべてが間違っておったとも思いませんが、いまの段階におきまして国鉄総裁はこれをどのように評価し、現時点においてはどのような認識をお持ちであるかということについてお伺いいたします。」
それに対して、言葉を慎重に選んで発言しているというのが正直な感想です。
「 ただ、当時私おりませんでしたので、そう詳しい実態を存じておるわけではございませんけれども、そのやり方といいますか、進め方に多少問題がありまして大変に職場の荒廃を招いた、また労使間の信頼関係が失われた、さらには私どもの特殊事情としていろいろな種類の労働組合がございますけれども、労働組合間の紛争がまた激化をしたというようなことを通じて、結果としては、ねらいとした生産性の向上ということは期待できないのみならず、先ほどもお触れになりましたように、むしろいろいろな意味で利用者の皆さんからひんしゅくを買うような実態を招いたわけでございますから、生産性を上げようということは正しいことでありながら、結果としては上げ得ませんでしたし、またかえって紛争が生じたということで、非常に残念なことであったという・・・。」
ということで、高木総裁としてもマル生運動に関しては上げ足を取られることが無いように明言を避けているのが印象的です。
**************************以下、国会審議本文になります。********************
○塩田委員 運輸大臣にはそういった基本的態度で十分に対処していただきたいと要望いたします。
そこで、運賃に関しまして、なおこの法案の中に地方交通線、それから特定地方交通線の関係でいろいろ規定がございますが、運賃の面では全国一律運賃制度から線区別の運賃制に移っていくというようなお考えがあるのかどうか、あるとすれば、特に国鉄が独占地域になっているような地域ほど運賃の上昇率が高くなるのではないかと考えられるのでございますが、この点につきまして総裁の御意見をお伺いいたします。
○高木説明員 御高承のように、都市部では国鉄運賃の方が私鉄運賃よりも高いという現状に最近なっております。一方、地方におきましては国鉄運賃の方が中小の私鉄運賃、また場合によりましたならばバスの運賃と比較いたしまして安いということになっております。これはなぜかといいますと、国鉄は非常に古くから全国均一運賃システムをとってまいりましたし、私鉄あるいは私バスにつきましては企業別の原価というものあるいは地域別の原価水準というものが基準になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄と私営の民鉄あるいは民営バスとの間に地域によって水準差ができたわけでございます。そこで、長い伝統ではございますが、こういう状態では従来のように都市部でいささかの黒字を上げさしていただいてその黒字でもって地方部の赤字を埋めるということもだんだんできなくなってくるといいますか、限界が参りましたので、この際、運賃を均一運賃の考え方から変えていってはどうかというのが現在の私どもの考え方でございます。しかし、さりとていまお触れになりましたように路線別運賃というところまでは考えておりません。これは現在、一口に地方交通線と申しましても線区ごとにコストと収入の状況が非常に大きな開きになっております。それをきわめて律儀にと申しますか、神経質にコスト主義をとって運賃を決めようとは考えていないわけでございまして、現段階では全国をせいぜい二つくらいの段階に分けるかなというぐらいの考え方でございます。
それから、特別運賃を徴収することになるとそれだけ上がるではないかというお考えでございますけれども、全体としてはいま大臣から御説明ございましたように、五十六年度の概算要求では二千百億円の増収を図りたいと考えておりますけれども、仮に特別運賃制度を一部の交通線でとることにいたしましても、いわばその中の話でございまして、仮に運賃改定で二千百億円の増収を図らせていただくとしましても、それをどこの部分でどうやって上げていくかということの、一種の値上げ幅の配分のような問題になってくるかと思います。したがって、その問題につきましては私どもまだ十分案が練れておりませんけれども、運賃水準が全体として物価等に極度の悪い影響を及ぼさないようにということも考えますし、また同時に、地域ごとにおきましても余り大きな変化を来さないようにということを考えながら、具体的にはこの法律が成立しました暁において案を詰めてまいりたいと考えております。
○塩田委員 いまお答えございましたような考えで、国民生活への影響、そして地域産業への影響、経済の発展、地域開発、こういったものを十分に考慮をされまして、できるだけ値上げ幅を少なくするように、抑えるように御配慮願いたいと思います。続きまして、先ほど生産性の向上は重要なことである、これに取り組むということをおっしゃいましたが、過去に生産性向上運動、いわゆるマル生運動というものがございました。私は、これはすべてがいいとも思いませんし、すべてが間違っておったとも思いませんが、いまの段階におきまして国鉄総裁はこれをどのように評価し、現時点においてはどのような認識をお持ちであるかということについてお伺いいたします。
○高木説明員 いわゆる生産性向上運動でございますが、生産性を高めていかなければならないということは、先ほども申しましたとおり、絶対に間違っていない、また、どうしてもやらなければならないことであるわけでございますので、過去の時代におきまして、生産性を上げようということについてのいろいろな努力目標を持ったということは正しいことであることは言うまでもないわけでございます。
ただ、当時私おりませんでしたので、そう詳しい実態を存じておるわけではございませんけれども、そのやり方といいますか、進め方に多少問題がありまして大変に職場の荒廃を招いた、また労使間の信頼関係が失われた、さらには私どもの特殊事情としていろいろな種類の労働組合がございますけれども、労働組合間の紛争がまた激化をしたというようなことを通じて、結果としては、ねらいとした生産性の向上ということは期待できないのみならず、先ほどもお触れになりましたように、むしろいろいろな意味で利用者の皆さんからひんしゅくを買うような実態を招いたわけでございますから、生産性を上げようということは正しいことでありながら、結果としては上げ得ませんでしたし、またかえって紛争が生じたということで、非常に残念なことであったという、いまやそれは思い出の時代になりましたけれども、そういう感じで受けとめております。
〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
○塩田委員 この問題につきましては、私は若干違うところがあるわけでございます。ですから、この問題はこの程度にいたしまして、次に進みたいと思います。
違法ストによりましてどの程度の損失額があったか。これは赤字の増大あるいは運賃の値上げに影響があったと思うのですが、どのような状況でございますか。
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