長らく空いてしまいましたが、今月は1978〔昭和53)年の紀勢本線をご覧いただこうと思います。
紀勢本線電化で大きく変わった輸送体系〔概略〕
この年は、紀勢本線は大きな変革がありました。
紀勢本線、和歌山~新宮間が電化され、また白浜までが完全複線化となりました。
南部付近の海岸線を走っていた単線区間は新しく敷設された複線トンネルで電化され、白浜までの所要時間は大きく短縮されることとなりました。
また、輸送の形態も大きく変更され、紀勢本線電化前は、和歌山市~亀山とか、和歌山~新宮まで直通する列車等がありましたが、電化改正後は長距離の荷物輸送の関係がありますので、長距離客車鈍行も残りますが、昼間の列車は気動車から電車に置き換えられ、和歌山駅~紀伊田辺、天王寺直通列車は、御坊までの乗入れとなりました。
昭和53年1月時刻表から
昭和53年1月号時刻表から
普通列車の新宮行き5:20 和歌山発の気動車列車が走っており、11:50新宮着となっています。
この列車以外に、7:03発 和歌山市発亀山行き普通列車が走っており、この列車は13時間30分かけて亀山まで走っており、亀山着は20:31になっています。
荷物輸送を兼ねていますので、紀伊田辺・新宮などでは長時間停車しているのが時刻表から読み取れます。
なお、この客車列車、周参見できのくに2号に、串本では、特急くろしお2号に抜かれています。
冬場ですので、列車の増発等は無く比較的列車本数は少なめです。
当時の普通列車の主力は和歌山機関区に配属されていたキハ35・36でした。
それ以前は、キハ17やキハ45も配置されていたのですが、関西線が昭和48年に電化されたことで、そのまま玉突き配転でキハ35・36が大挙して押し寄せることとなり、串本行きとか周参見行きにもキハ35・36が投入されました。
夜行列車も、「いそつり」は運転されておらず、「南紀」と「きのくに15号」の2本体制です。
今から考えれば考えられないほど、紀勢本線の夜行列車は充実していた時期でした。
それと、今まで注目していませんでしたが、寝台特急「紀伊」も運転されています。
元々は急行紀伊〔銀河1号と併結〕されていましたが、昭和50年の改正で寝台特急に格上げ、「特急いずも」との併結〔名古屋駅で分割・併合〕するダイヤになっていました。
非電化時代の主力は、キハ35・36
少し見にくいのですが、周参見行きと読めるかと思います。
和歌山市発15:42発の普通列車で、先頭には、天王寺から連結されてきたキハユニ15を連結した5両編成で走っています。
関西本線の電化後は、紀勢本線にキハ35・36が数多く転属し、和歌山線・紀勢本線はキハ35・36が中心になってしまいました。〔一部キハ45の運用は有りましたが少数で、大概キハ35との連結でした〕
紀勢本線電化開業 昭和53年10月
いい日旅立ちキャンペーンも同時に始まりました。
このCMでは、紀勢本線のくろしおが大きくアップで出てきますが、11月からの国鉄初のデスティネーションキャンペーンが和歌山県との共同で始まりました。
昭和53年の時刻表いずれも、当時から何度もみたりしていたので、正直ボロボロです。
10月1日から、南紀は夜行普通列車から特急に格上げされることに・・・移り変わりダイヤには、「はやたま」と書かれていませんので、10月1日には、普通列車の南紀と特急南紀が紀伊勝浦~新宮間を走ったことになるのでしょうか?
紀勢本線電化開業当初は113系6連で、天王寺~御坊、和歌山~紀伊田辺間に6連で運転されていました。
時刻改正で、普通電車は日根野電車区所属の113系6連が紀伊田辺まで直通すると共に、紀伊田辺~新宮間は113系4連が充当されました。
なお。113系2000番台が新製配置され、381系共々地方線区の電化にしてはかなり本社も力を入れていたそんな感じでした。
なお、和歌山機関区に関しては引き続き気動車配置区として、急行きのくに、と和歌山線普通列車の保守を行うこととなりましたが、この時点で電車区に回送されていても良かったと思うのですが、結果的には国鉄末期まで和歌山機関区はデイゼル機関区として残りました。
当時の組合の関係もあったかもしれませんが、その辺は今後更に調査していく必要があるかと思います。
また、電車化されたとはいえ、和歌山駅でも1時間に1本程度であり、まだまだ気軽に利用できる雰囲気ではありませんでした。
<script src="https://blogparts.blogmura.com/js/parts_view.js" async></script>********************************************************
取材・記事の執筆等、お問い合わせはお気軽に
blackcat.kat@gmail.comにメール
またはメッセージ、コメントにて
お待ちしております。
国鉄があった時代 JNR-era
********************************************************
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます