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応援よろしくお願いします。
少し間が開いてしまいましたが、再び国鉄改革について、今回は鉄労の見解を述べてみたいと思います。
鉄労は、設立当初から労使協調路線を標榜していた組合ですが、動労との確執はやはり大きいようです。
三塚運輸大臣から、組合統一の要請を受けたのですがこれに対して、鉄労の志摩書記長は現時点では組織の合同を考えておらず、努力はするが具体的に動くつもりはないと言っています。
以下、公企労レポートから引用しますと。
【運輸大臣から四組合統一の要請があったようですが、どう対応されますか。】
いろいろ言われているようですが、いまのところ組織合同を目指すことは全く考えていません。また、将来についても模索している段階で、運輸大臣から要請はあったけれど、結論は出ていません。
その方向で努力してほしいということですから、努力するということだけです。今でも四組合連絡協議会というものがあるわけですから、それを深度かしていくことは考えられるが、新しい連合体を作ることは考えられない。
引用終了
ということで、一応の検討はするが検討するだけ・・・ということで、動労が積極的に過去の過ちを謙虚に反省し合同を結ぼうということに対し大きな温度差があるように感じます。さらに、とに角連合体を作るべきではないのかという質問に対しては、以下のように答えています。
【統一はとに角、連合体を作ることは考えられるのでは】
組合には歴史もあるし、組合員の感情もあります。それを大事にしないと、ご時世がそうだからといっても、組織と組織の関係は、組合執行部や第3者の考えるほど簡単にはいかないわけです。
特に動労との関係では、過去にいろいろあり、難しい点があります。今後同じ方向に向かって運動を進めていくことについては当然そうあるべきと思うが、やはり運動方針、綱領をきちっとした上でなければなかなかできないと思う。
引用終了
ということで、鉄労にとっては動労との協調路線が組合執行部や第三者が考えるほど簡単なものではなく、現場では、動労との過去の確執をぬぐう事は簡単なことではない。
この点を考慮しないと、うまくいくこともうまくいかないであろうといったことを述べています。
これは、鉄労が国労と同じく職能組合ではなくデパートメント組合【あらゆる職種から構成される】ことに起因しているためであり、その辺は動労と比して難しいことがあり、次節のように綱領すら変更に着手できる動労と異なり舵取りをするのはなかなか厳しいようです。
以下再び、公企労レポートから引用しますと。
【動労は、統一をさまたげるものがあれば大胆に変えていくということで、綱領の改正に着手したわけですが】
幹部の主張だけで組織の合同や連合をやると、かって四組合共闘が崩れたようにうまくいかないと思う。したがって今年の大会での方針、議論の中からそういうものが生まれるかどうか注目しているところです。動労の現実的対応については歓迎しますし、仲良くやっていける問題に限って共同歩調をとっていく。うちの方からどうするということは考えないし、大臣から言われたから、誰から言われたからというような単純な問題ではありません。
ということからもわかるように、動労との共同戦線は分割民営化による雇用確保についてのためであり、合同することは全く考えていないことがここからも読み取れると思います。
さらに、記者は、動労が綱領を改正してきちんとした形で統一を求めた場合の考え方についても、動労との統一は考えていない、民営化された4月1日以降の組織体について考えることであり動労との統一は別問題であると切り捨てています。
以下、公企労レポートから再び引用しますと。
【動労が、綱領を改正し、方針を改めて、きちっとした形で統一を求めた場合はどうなりますか】
われわれの運動の基軸は30年前と変わってはいないわけで、うちがどうこうするとは考えない。考えなければならないのは、62年4月からの運動のあり方です。
動労が大きく変わった時点で、新たな運動を展開するためにどうするかということがそのときに始まるわけで、今の問題ではありません。
【国鉄当局も統一を期待しているようですが】
民間になるわけですから、経営者がこれからの労働運動をどうあるべきか考えるのは結構ですし、そうあるべきです。しかしわれわれは労働組合ですから、経営者がそれを望んだからといってそのとおりいくものではない。国労指向型の労政から新たな展開を図ることは歓迎するが、それによって労組がどうかわるかということは関係のないことです。
引用終了
というように、動労との統一は考えられないこと、また当局側が仮にそれを望んだとしてもそれは難しいものであることであり、当局が国労よりの労政から決別することは評価するがそれ以外はあくまで労組は労組であると主張しています。
さらに、62年4月からの運動を考えるということは、62年4月までに統一された新しい組織が始まるのかという質問に対しては難しいであろうと述べています。
以下公企労レポートから引用しますと。
【62・4の段階ですべての垣根が取り払われて新しい関係が始まるということにならないわけですか】
それは、無理ですね。3月31日まで既成の組織であって、4月から大同団結といっても、それを目指すことはできても、たちまち新しいものができるということは不可能に近い。
そんな簡単なものではありません。
4月1日以降のスタンスが問題になりますね。民間になったという事実に即してどう運動を展開するかがポイントです。それぞれの組合が同じ運動をする場合、それなら一緒にやろうということがそこで始めてでてくると思います。
また、6月29日に管理者たちを中心とした大集会については、以下のとおり見解を述べています。
【6月29日の大集会はどうみていますか】
誰が言い出したか知らないが、われわれとしては全く関知していない。職員がやるのは自由ですがわれわれをかくれみのにして前に出ないというのはナンセンスです。ここまでできてなぜ総裁が腰を引いているのか。国鉄の改革は労組が主導権を持つのではなく、経営者側がもつべきです。
総裁が提起して、現場長が職員に対して意識改革を求めて集会に参加させるという方針をとり、そのもとに職員が国鉄改革のために頑張ろうというのが、今の状況にふさわしい経営の姿勢だと思います。
引用終了
ということで、経営者側が少し腰砕けというか、責任逃れともいえるように写ることに多少なりとも苛立ちを感じているようです。
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