国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

国鉄改革のあゆみ 19

2010-05-14 10:35:35 | 国鉄改革関連

にほんブログ村 鉄道ブログ 国鉄へにほんブログ村

にほんブログ村 鉄道ブログへにほんブログ村

応援よろしくお願いします。





国鉄経営改善緊急措置法案が成立し、管理職を含む職員たちの間にも国鉄改革がより現実となってきたことに鑑み、三塚運輸大臣【当時】と会談した動労の見解を公企労レポートを引用しながら述べていきます。

この点については、動労。福原書記長は以下のような談話を発表しています。

動労としては、新事業体ができるまでには、それに対応出来る組織を作る必要があり、特に分割民営化により7つの会社(6旅客鉄道と貨物会社に分離)になるわけですから、動労の組織について7つの会社がどのように対応すべきかを考える必要があるのだが、その際に動労としては、職能組合(運転士だけの職能組合)としての連合体構想を考えていたのだが鉄労も国労も実際にはデパートメントであり、職能総連合の構想では一企業一組合の基本に沿わなくなってくるため、その場合は職能連合構想も自体は取下げ、基本に適合できるようにしたいと考えている。 

以下公企労レポートを引用します。

【新事業体に移行し、民間企業体となるにあたりどのような労働組合の組織体になることがより良いとお考えですか】

新事業体ができるそれに対応出来る組織を作り上げていくことが基本ですね。新事業体は六つの旅客会社と貨物会社といわれておりますから全部で7つの会社になります。
 動労組織についていえば7つの会社についてどのように対応するのかとのことになると思いますが7つの分割のことでなく全体としてのことについて申し上げます。7つの会社について組合が一本化することは企業にとっても組合、職員にとっても良いことですから一企業一労働組合の原則を追求することは重要だと考えています。
 第一二九回中央委員会の中で組織展望について動労組織を強化していこう、その中で職能連合を追求し、それを基礎に一企業一組合を作っていこうということを組織展望として明確にしたわけです。そうなりますと一企業一組合の基本に適合しにくい事になりますから、その場合は職能総連合は取り下げ基本に連合できるようにしたいと考えています。整理しますと、まず、動労を強化していこう、この強化の中身は綱領改正だとかいったものを整備して、四組合の共闘部分を拡大していくそれと同時に組織と組織の信頼関係を強めていきたい。

引用終了

また、動労の過去の運動とし克服していかなければならない問題については次のように述べています。
以下、公企労レポートから再び引用しますと。

ご存知のように動労はかって鉄労解体を掲げて来た訳で、鉄労の人に言わせると、そのような組織と一緒にやるわけには行かないは当たり前の話です。そうなりますと一企業一組合という活性化した組織を作り上げるためには、歴史的経緯については自生し、克服して行かねばならないと考えております。それによって鉄労の皆さんとの信頼関係を回復し、共同行動をやっていこうと思っております。

引用終了

ということで、かって動労は、鉄労の解体を活動目標に激しい運動を展開してきたという経緯がありますので、鉄労としても中々受け入れられないということを動労も十分理解しているようです、実際昭和50年代の国労との共闘を行っていた頃は、その過激な闘争は国労を凌ぐものとして語り草となっていた経緯があります、実際にJR発足後動労系の流れを汲むJR総連と、鉄労系のJR連合に分離した経緯があるように、この努力は最終的には埋められなかったのですが、当時はそれなりの努力がされたようです。

さらに、引用を続けます。

【新事業体発足の来年4月1日までに今いわれました構想がどこまで踏み込まれることになりますか】

政治的なスケージュールからすると来年の4月ということですね、それから一企業一組合となるというより出来るだけ早いということが必要だと思います。国労から脱退していろいろの組合に加入しておりますが、これも整理していかねばなりませんね。ということは鉄労をとるか動労をとるかは一般論で言えば組織組合の問題ですから。一企業一組合という目的に水を差すことになります。どこの組合に入っても良い訳で。要は国労の運動について否定しておりますから、国労から組合員が目覚めて、脱却することが第一義で、これらの人達がどこの組合に入ってもらうかを整理していけば、一企業一組合の道が開けていくのではないかと思っております。来年4月を待たず、四組合の共同行為から、一つの組織体を作り上げることは一日も早くあるべきだと思います。

引用終了

ということで、動労としては一企業一組合を目指すのですから、国労からの脱退が第一義であり、これらの人達が国労以外の組合に加入するのであればどこでも構わないといいスタンスを取っており、組合潰しは当局というよりも動労を中心とした組合による覇権争いから発生していたのではないかと推測されます。

また、民営化されると管理職と呼ばれる助役以上の職制も組合員になることから、管理職も集まりを作っており、6月二九日に集会を持つといわれているがこの点はどういうふうに考えているかについては、以下のとおり回答しています。

公企労レポートから引用

【最近、新事業体になれば組合員になる管理職が集まりを作っており、6月29日集会を持つという話ですが、どのように見ておられますか】

〇〇会といったものが作られ新事業体に向けて、国鉄改革を話しあわれていることは事実で、しかもその人達は労組法上の組合員になれない人より組合員になる資格のある若い人が中心になっていると把握しています。既に本社前でビラ配りをしたり、国労のいる非現業の組合員との討議をやっており、その人達といろいろ話をし、動労に入ることを勧めた経緯もあります。
 その集約として6月29日集会をやりましょうということになっています。内部での意思統一をさらに図る必要がありますが、最大の課題である雇用を守るかが一つ、それと新事業体に移って飯が食べられるようになることが大切です。新事業体に移ればバラ色の展望があるかといえばそうでなく、むしろ今より苦しい時期が数年続くであろうと思います。しかし、労働運動の基本は雇用を守ることであり、そのため一生懸命努力すれば自ずと道が開けるんだという理念に立って話しあうのが6月29日の集会で国鉄の新生、再生を心より願っている者にとってはきわめて重要なものであるという考えに立っております。

引用終了

ということであり、組合の基本である、「雇用の確保」大切でありと位置づけています。

*****************************************************************
取材・記事の執筆等はお気軽にお問い合わせください。
下記、入力フォームからお送りいただけると助かります。
http://jnrera3.webcrow.jp/contact.html

日本国有鉄道研究家・国鉄があった時代
http://jnrera3.webcrow.jp/index.html
*****************************************************************


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 国鉄改革のあゆみ 18 | トップ | 国鉄改革のあゆみ 20 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

国鉄改革関連」カテゴリの最新記事