国鉄があった時代blog版 鉄道ジャーナリスト加藤好啓

 国鉄当時を知る方に是非思い出話など教えていただければと思っています。
 国会審議議事録を掲載中です。

衆議員運輸委員会-2号 昭和55年10月15日 第4夜

2015-02-01 12:00:04 | 国鉄関連_国会審議
みなさま、こんにちは。
昨日はアップできなかったので、本日アップさせていただこうと思います。
しばしお付き合いの程宜しくお願い致します。
実はこの記事は34年前の記事なんですけれど、この話題がそのまま今の交通政策などに当てはまることに正直違和感を感じえません。(^^ゞ

賢者は歴史に学ぶといいますが、現在の政争に明け暮れる議員には、こうした古い議事録をもう一度読みなおしていただくことも重要ではないかと思ってしまいます。
敢えて苦言を呈させていただければ、現内閣を批判する前に国民が安心してもしくは、地方が疲弊しているというのであれば、それをどのような形で活性化するのかを議論いただきたいものです。
仮に将来、私が国会議員になったとして、こうした機会を得られるならば、鉄道の特性を活かして、もしくは鉄道と他の交通機関をミックスさせた混合交通機関を提案していくことでしょう。
そういった点で、30年前のこうした国会議事録は読みこめば読みこむほど考えされれるものがあります。

塩川運輸大臣の発言から

> お尋ねの整備新幹線の問題でございますが、現在運行しております新幹線そのものは、確かに経営的に見ましてもいまプラスになっておりますし、同時に、地域開発には非常な効果を及ぼしたように私は思うております。しかし、これからの将来を見ました場合に、交通機関がどう変わっていくかということ等の取り合わせも見て考えなければならぬ点は多々あると思います。
>  そこで、整備五線の問題につきましては、これは第一に建設費が非常に多額にかかりますので、その建設資金の捻出をどうするかということ、財源問題でございますが、これがまず第一の問題でございますことと、それからフィージビリティー(実行・実現の可能性という意味)と申しましょうか、そういうことが企業的に本当に国民経済から見ていいのかどうか、本当に有効なのかどうかというこの問題もございます。

当時、すでに新幹線の建設は東北が直轄工事、上越新幹線は鉄道公団の委託工事だったと思います。
鉄道公団で建設後、鉄道公団から貸付を受ける方式出会ったと記憶しています。間違いがあれば訂正願います。

> 整備五線は、建設するという方向は決まっておるのでございまして、それを建設するに必要な資金というものがまず第一に見ていかなければならぬ。

整備新幹線に関しては、田中角栄内閣時代の新全国総合開発計画以前から示されていた構想であり、ここでもあるように、停止させる機会は何度もあったのですが、一度動き出した公共事業というのは、中々止めることは出来ないようです。
実際、国鉄ローカル線建設も明治期の法律、鉄道敷設法に基づき粛々と建設されたものであり誰も止める手立てを持っていませんでした。
国鉄が民営化されたことで法自体が廃止になったわけですが、新幹線の問題も同じような意味で大きな禍根を残していると言えます。

> 新幹線が、先ほど私が(るる)原文ママ)述べましたような形でもうすでに飛行機あるいは地域の高速、小量に取ってかわられてもしかるべきだ、そのようなことで需要者は選択しますよということです。ということは、自動的に採算に乗らないということですから、そういうことも含めて見直すべきだ、新大臣のもとで見直しになった方がいいんじゃないですかということを含めて、逆にお願いをしておきたいと思っております。これは同時に、貨物における鉄道、自動車、内航海運といった問題にもひっかかってまいります。

正直、北陸新幹線の場合早期に敦賀まで延伸しないと問題が大きいのかなという気がしますね。
その後は湖西線に沿って新幹線を建設?もしくはフリーゲージトレインでそのまま湖西線を走行して大阪駅に乗入辺りが現実的なプランかもしれないですね。
そうなれば、サンダーバードが最速列車に連結されて上野まで・・・特急上野行白鳥の再来とか・・。

妄想が膨らみますが。笑

> 交通に関連する省エネの技術開発、たとえば電気自動車であるとか水素エンジンの自動車であるとか、高温ガスタービンの複合機関であるとかというような問題、さらには公害防止の観点から無公害の交通機関というような観点のいろいろな研究等も進めております。

やっと自動車については、燃料電池【水素エンジン】自動車が販売にこぎつけましたが、今後は燃料電池自動車ならぬ、燃料電池気動車が開発されるのかそれとも、高温ガスタービンの複合機関による高効率発電機を使った電気式機関車の開発などといったことを真剣に行って欲しいですね。
などと妄想ばかり膨らんでいますが。(^^ゞ

以下本文を併せてお読みくださいませ。

○塩川国務大臣 効率化ということを考えます場合に、ユーザーの面から見た効率化、これも確かに考慮しなければならぬ問題でございますし、また、運輸機関の経営者側から見ましても効率をやはり検討しなければならぬ、こう思います。まさに仰せのとおり、私はそれを八〇年代の一番大きい問題だと実は思うておりまして、中馬さんのおっしゃるように、交通機関を選択するファクターというものが非常に多様化してまいりました。それだけにこれからの、まあきざな言葉で言いましたらニーズというものはどういう方向に向いていくかということ、これを正確につかまないと、効率化でやったものがかえって遊休施設になってしまうというおそれなきにしもあらず、それを私は非常に心配いたしております。
 お尋ねの整備新幹線の問題でございますが、現在運行しております新幹線そのものは、確かに経営的に見ましてもいまプラスになっておりますし、同時に、地域開発には非常な効果を及ぼしたように私は思うております。しかし、これからの将来を見ました場合に、交通機関がどう変わっていくかということ等の取り合わせも見て考えなければならぬ点は多々あると思います。
 そこで、整備五線の問題につきましては、これは第一に建設費が非常に多額にかかりますので、その建設資金の捻出をどうするかということ、財源問題でございますが、これがまず第一の問題でございますことと、それからフィージビリティー(実行・実現の可能性という意味)と申しましょうか、そういうことが企業的に本当に国民経済から見ていいのかどうか、本当に有効なのかどうかというこの問題もございます。そういう点から判断して決めるべき問題でございまして、私たちはいままず第一に財源問題に全精力を打ち込んで検討しておるというところでございます。

○中馬委員 ということは、その有用性も含めて、採算性も含めて、整備新幹線を一から見直すという御発言と御理解していいわけですか。

○塩川国務大臣 このその資金を考える中において、この新幹線の活用と、そして、これがどのように地域開発と結びついていくかということをあわせて検討されていくべきものだ、こう思うております。

○中馬委員 新幹線が、先ほど私がるる述べましたような形でもうすでに飛行機あるいは地域の高速、小量に取ってかわられてもしかるべきだ、そのようなことで需要者は選択しますよということです。ということは、自動的に採算に乗らないということですから、そういうことも含めて見直すべきだ、新大臣のもとで見直しになった方がいいんじゃないですかということを含めて、逆にお願いをしておきたいと思っております。これは同時に、貨物における鉄道、自動車、内航海運といった問題にもひっかかってまいります。
 それから、それに関連したことでございますけれども、やはり新種の交通ということを少しは考えていかなければいけないんじゃないか。新技術の開発、大臣もおっしゃっておりました。従来、国鉄――国鉄といいますか、いわゆる汽車鉄道ですね。これは百年の寿命がございました。しかし、新幹線は技術的に見てもぼくは三十年だと思っております。需要者が選ぶという意味での技術的な意味で三十年だと思いますね。ですから、それの後に来るものが、それはたとえば航空機であるならば低騒音あるいは短距離の離着陸のものであったり、あるいは船であったら高速の何かジェットフォイルのような船であったり、また鉄道であるならば磁気浮上のものであったり、あるいは無人の交通機関であったり、それから自動車であれば無公害あるいは省エネルギーといったような問題も入ってくると思うんですね。
 このような一つの新技術を持った交通機関というものを、ただ通産省やあるいは科学技術庁に任しておくのではなくて、運輸省として二十一世紀を展望した交通機関、交通技術といりたものはどうあるべきかということを総合的に研究すべきだと思うのですね。しかし、どうも総合的にそのことがなされておらないように思います。その点についていかがでございますか。

○石月政府委員 新しい交通機関と申しますか、交通技術の開発というものが交通の進歩にとって非常に重要なことは先生のおっしゃるとおりだと思っております。運輸省におきましても、ただいま先生がおっしゃいましたような新型の輸送機関といたしましては磁気浮上式のリニアモーターカーであるとか、それから新交通システムと申しております無人運転の新型の中量軌道輸送方式であるとか、その他トンネルの断面の少ない小型の地下鉄の問題であるとか、それからライトレールウエービークルと言っておりますけれども、新しい形の街路を走ります電車というような問題等につきまして、いろいろ検討しているところでございます。そのほかに、これに関連いたしまして、交通に関連する省エネの技術開発、たとえば電気自動車であるとか水素エンジンの自動車であるとか、高温ガスタービンの複合機関であるとかというような問題、さらには公害防止の観点から無公害の交通機関というような観点のいろいろな研究等も進めております。
 この研究体制につきましては、一つは、運輸省にいろいろございます技術研究所等におきまして基礎的なものについてはやっております。それから、応用技術的な面が非常に必要でございまして、民間の技術力を利用しなければならぬというようなものにつきましては、技術開発に対する補助金を交付してやっているところでございます。
 なお、二十一世紀を展望いたしまして、今後どのような技術に重点を置いて開発すべきであるか、さらにはその技術開発の体制をどのようにすべきであるかというような点につきましては、運輸技術審議会に諮問をして、これからさらに検討を進めていきたいというぐあいに考えているところでございます。

○中馬委員 このようなものも含めて、先ほど申しましたように、新幹線すら、東京、大阪という二つの大きな人口の集積した都市を結ぶのには新幹線というのは大変有用かもしれませんが、たとえば北海道や東北に延ばして採算に乗るとは思っておりませんし、むしろそれよりもローカル空港を整備して、それからいま言った短距離で高速で小量のものを運べるローカル交通機関というものを整備した方がいいんじゃないか、それこそユーザーの立場を考えた効率的な投資になるんじゃないかと思っております。
 それから、都市の交通に関して、タクシーの値上げの申請が出てまいっておるようです。これは昨年の九月に一五%値上げして、二年ごとの値上げという慣例を一応破った形になっているわけでございますけれども、大臣はどうお取り扱いになる御所存ですか。

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