若かりし頃、
親父はアカで、(死ぬまでそうだったが)
反体制は、我が家の日課だった
6才のガキに
政治家の嘘を叩き込んだ
エゴイストを憎め
金満を呪え
若かりし頃、
兄貴はいっぱしの人間になって
法律を振りかざし、(それも体制の一部だが)
日立や、東芝や、
YKKや、リクルートを、全部敵に回してた
お前らを憎め
お前らを呪え。
揚げ句、何やら重大な状態でもんどりうって
倒れたまんま・・・
毒でも
盛られたみたいに
若かりし頃、
俺は知らんぷりをし、
マルクスもレーニンも勝手にござれだ
女と住んで、酒と非合法と下半身が慰みだ、
パンクスとごった返して、(そいつらも反体制だが)
家中でビートが澄んで、、
美しい光景だった
黒い酋長に祝福される夜だった
なのに女は男と出て行った、
スノウとポルノショップを残したまま・・・
ゲームセンターを経営する
赤いアルファロメオに乗った男と
手荷物を持って消えた、
何てこたぁねえ
こっちは反体制だ
結局
、女も
程なく持ち崩したらしく
今はファッションヘルスで
白衣の天使になったらしい
黒い酋長には釣り合わなかったわけだ
運も尽き、金も尽き、ギターを壊し
残されて
ウォッカを
¥1,250.-の
シースルーの瓶を
しこたま手に入れて
・・・破壊した。
氷が解けるのを待って、
一気に破壊した
それは 気分で
爽快な
女の下半身よりも悦楽だった。
でもしかし
しかしウォッカ無しでは
生きるのもままならない、
いっそ飲み死にしようかとも思ったが
それにも飽き飽きして、
退屈なものだから
黙ったまま、コーヒーを飲み続けた、、
素面
とたんにアナキストもアカも、出て行った女も
出て行った兄貴たちも
複雑に絡んできて、
”アタシ、今ネガティブ全開、、、、”
とか言う映画の台詞にジンときた
けど
どうって事無い
ここはラジカルだ
複雑なまま素面のまま
笑ってやる