(今月16,17日頃までは上映しているらしい)

パチャママとは懐かしい。原住民ケチュア族の言葉で母なる大地という意味。
映画はボリビアのアンデス山脈に囲まれた高地(標高3800mくらい)にあるウユニ塩湖の塩を切り出し、
リャマの背中に乗せた生活必需品のその塩をアンデス山中に住む原住民の村々へ運ぶことを生業としている父と子の物語。

電気も水道もない福祉もない、ボリビア政府にさえ見放されているような昔ながらの生活が続く。
私たちから見れば不便このうえないこの生活。
しかし、父と子はあるがままの現実をパチャママの贈り物として受け入れ日々の暮らしを誠実に生きている。
このひたすらさに人間の本質を見る思いがした。
本来、人間も自然の一部、自然の恵みを感謝をこめて使わせてもらう、そういう心が私たちには消えかけている。
厳しい自然の中で生きていく中で少年コンドリも淡い恋をする。

村々を訪ねると村人はコカの葉を勧め、それを口いっぱいに入れてガムのように噛み、どぶろくのようなお酒、チチャをふるまい、ケーナを吹き、ティンクを踊る。
何もない山の中の生活、そこにも工夫があって楽しみを見つけている姿に人間ってすごい力を持っているなぁってジーンとした。
ウユニ塩湖はボリビアに住んでいたとき、日本から来た友人たちと訪ねたことがある。
しかし、アンデスの原住民の生活をこれほどまでには認識していなかったなぁ。
本ブログ日記に書いています。
ウユニ塩湖3,4,5,6,7 2005年5月 (ボリビア国内の地域)
http://yaplog.jp/scbolivia2006/archive/134
アンデスの民のパチャママに感謝する謙虚な日々の生活は、欲張りな私たちに人間本来の姿を思い出して!と強く訴えかけている。
写真はこの映画のプログラムから。