そもそもなぜこんなに密輸が多いのか?それはシウダー・デル・エステ(パラグアイ)という町が免税の町だからである。ここでの買い物には税は免除されるがそれをブラジルに持ち込めば当然、ブラジルの税関で徴税されるわけだけど、そこを通らなければ税金分は安くなる、そこが彼らの稼ぎどころである。
どうやるのか、これがすごい。緩衝地帯の橋の或る所にたくさんの人垣。かの荷物を担いできた人、荷物を降ろしている人、荷物を持っていない人、みんな橋から下の川の流れを真剣にのぞいている。
なんと、川の中にはブラジル側から泳いできた受取人がいる!川は深そうだし流れも早い。荷物の中味は主にタバコだという。濡れないようにうまく包装してあるのだろう、これを橋の上から受取人とのあうんの呼吸で川に投げ入れるのである。
こうして彼らはブラジルの税関を通ることなく密輸を成功させているのである。
ちなみに前のパラグアイの税関の写真に見える、停車している背の高い大型バスはブラジルからの買い物客用のバス。行きはお客だけ、帰りはバスのお腹に免税品の山がギュウギュウ詰め、たいていはある種のテクニックで無税でうまく通るとか、お客はこれを商売にしている人がほとんどだそうだ。
国境があるということ、国の経済力の格差があるということ、政治の方向性も少しづつ違うということ、さまざまなことが影響しあう中でも彼らはたくましく、したたかに、生き抜いている。彼らを責めるよりどうも為政者の方の襟を正さなくてはならないようである。
写真は「友情の橋」の上でブツを投げ入れようとしている人、ブツを運ぶ人、ブツを投げ入れてほっとしている?人。
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