4月26日 火曜日 広州→成田→横浜
【帰り仕度】
浴室からはまだ水がひかない。マットが備えてある意味がわかった。
早く起きたので、早く出ることにした。「空港へのトランスポートを予約時間から早めてくれ」という英語を分かるスタッフがいない。しょうがないので、勝手にバスに乗ることにする。有象無象がいるあたりで待つとバスが来た。やはり名簿の確認はなく人民はなだれをうって車内へ。6時37分に発車。
【広州白雲空港でさまよう】
バスは10分で空港の国内出発フロアに到着した。ドライバーに「国際線は?」と聞くと向こうを指さす。ふむ。しばらく歩いてから、いかにも英語ができそうな女性に聞く。
「INTERNATIONAL DEPARTURE、HERE?」
戻って最初を左へ曲がるのだそうだ。ハキハキした英語だった。あのドライバーめ、適当なことを言いやがって。
ANAのカウンターにはすでに行列ができていた。いったん並んでから隣の「BAGGAGE DROP OFF(手荷物預け)」という窓口に気づく。ネットでチェックイン済みのはずだから、こっちでいいんじゃないのか。問題なくそこで荷物を預けて手続き終了、搭乗開始まで1時間38分ある。さあ、自由だ。
【最後まで中国】
フロアを探検するが、お茶もCDもないし、本は中国語のみ。買い物のあてがはずれた。
【中国元を使い切る】
ゲート近くの店で携帯お茶のみポットを見つけた。120元(約1500円!)と今まで見たどこよりも高いが、他に現金の使い道を思いつかない。さらにお茶を2種類(55元と60元)買い、5.5元を残してようやく中国元の現金を使い切る。
搭乗は予定通り始まったが、機内で離陸待ち。その間に税関申告書を書き、毛布をもらう。10時にようやく離陸した。
今回はマイレージでANAだから、フルサービスである。赤ワインにチキン照り焼き、フルーツ、チョコレート、コーヒーなどなど。せっかくなんで機内プログラムも聞く。シェーンベルク「浄夜」、リヒャルト・シュトラウス「13管楽器のためのセレナーデ」に、マーラー「復活」をサイモン・ラトルで。まだバーミンガム響で振っていたころからこの指揮者は好きだった。14時50分、着陸。
【ひどいのはどっちだ?】
成田空港で携帯のエリア設定を日本に戻し、時計を自動補正にする。空港は節電でうす暗い。JR久里浜行き快速に乗る。計画停電で成田エキスプレスは間引き運転になっている。
2時間弱で横浜。乗り換えの私鉄駅で電車を待っていると「かえるー! かえるー!」の大声がした。発達障害の子どもとその母親らしい。「ひどいね」と眉をひそめる「良識」の側の人々。ひどいのは「ひどい」という言葉で排斥をする側だ。
「寛容」は、他者のためだけでなく、自分のためにも大事だと思う。おおらかに、いい笑顔で旅をしたいものだ。