10月14日公開。
映画館は7月の『ジュラシックワールド』以来なので期待も大きかった。
ジブリのアニメ版を子供部屋の小さなTVで観たのは20年以上前だ。
当時はまだ児童文学の夢を捨てきれず、私も書くことに悩んでいたっけ。
通っていた中部児童文学会ではダメ出しばかり、才能ないなぁとめげていた。
今から思えば夢があるだけマシだったし、才能はなくて当たり前だったのだが。
アニメの『耳をすませば』は、ジブリ好きの次男が買ったDVDで観た。
読書好きの主人公・雫が住むのは狭い集合住宅。図書館司書のお父さんは立花隆が声を吹き替えていた。
生活感に溢れ、それが自身の過去を見るようで、つい入れ込んでしまったのだ。
ちなみに相手役の聖司は高橋一生(声)、バイオリンを弾く。
小説(物語)を書く雫を応援し、10年後の再会を約束して話は終わる。
実写版はその続きなのだろうか。
実写版の雫は清野菜名、聖司は松坂桃李。
雫は東京で売れない小説を書きながら編集者、聖司はイタリアでプロのチェリストを目指している。
テーマは遠距離恋愛に変わってしまっている。
ルームシェアする友人なども登場し、映画というよりドラマ風。
マンガが原作で、アニメの続編という出自もあり、どうも登場人物のリアクションがアニメ(マンガ?)的に感じる。
大袈裟に「えっ!」と驚くセリフ、いるの?
登場人物に肉体が似合わない。
ふたりで歌う「カントリーロード」は、チェロ伴奏の「翼をください」に変わっていた。
演出は基本、前のままなので消化不良を起こしそうだ。
2次元の世界が、勝手に3次元になってしまった。
2人にとっての10年は何だったのか。
いや時間による変化ではないから、3.5次元というべき?
過去と現在、イタリアと東京を行ったり来たりしながら最後はハッピーエンド。
夢をあきらめない。
それがテーマ。
このブログを3ヶ月ぶりに更新しているのも、そのせいかもしれない。
歳を理由に、年寄りくさくなっちゃダメだよと、唯一変わらなかったネコのバロンに言われた気がした。
続けることの大切さを教えてもらった。
その意味で、いい映画だったのかもしれない。