あずきちゃんの主張！

うちの前に車が停まる・・・　「ウウウ～ガルル～ガルル～」　どこからか、りんごの低く唸る声が聞こえる。

ピンポ～ン　チャイムが鳴る・・・　「ワンワン、ギャンギャン、ウォンウォン！」　りんちゃん、うるさいぞ～

田舎ですから近所の人や親戚のおばちゃんは、ピンポンすら鳴らさず、いきなり玄関をガラっと開ける事もよくあります。

そんな時のりんごは、『あっ、吠えなきゃ！』と不意を突かれたキョトン顔から、大急ぎで威嚇の顔へと変わるのです。

　野菜持って来たから食べられ～


　マズイ、逃げ遅れたニャン

お義母さんの姉である伯母も、ピンポンはまるで無視。玄関を開けるなり本題に入るんだわ～。

私はもう慣れたけど、驚いたあずきちゃんが玄関から外に飛び出さないかとハラハラしちゃうの。

　野菜ってニャニ？


この目つき・・・家族以外の声には、いつもこの顔です。

野菜って身体にいいお薬みたいな物なんだよ。新鮮採れたてのウマウマなの。

頂いたお野菜をあずきちゃんに見せようと、ばあちゃんが新聞紙の上に並べ始めました。

　クンクン・・・スンスン・・・どれも興味ニャイ～



親戚のおばちゃんは犬や猫が大好きで、あずきちゃんを構いたくて仕方が無いみたいです。

しかしこの子は人見知りが激しいし・・・あずちゃん、そろそろおばちゃんの前でゴロニャンしましょうよ。

　私、あずきですから！　


　来るたび「りんご」って呼ばれる

長い間の癖からか伯母様は、あずきちゃんの名前の前に必ず『りんご～』が出ます。

誇り高きお嬢猫・あずきちゃん的には、それがどうも腑に落ちないようです。（妄想だけど）

まあ伯母様のみならず、私達もよく間違えて『りんごちゃん』と呼んじゃうんですけどね。

　ん？りんごの事、呼んだ～？


　え？違うの？お呼びじゃない？

　父もそうでしたが子供や孫の名前を間違うのはよくある事・・・

私を呼ぶ時も家にいるみんなの名前を順番に呼び、肝心の私の名前は何故か一番最後なんですよ。

因みに義母もパパさんを呼ぶ時『りんご』から始まり『あずちゃん』が出て、パパさんの名前はやはり最後です。　

　いつだってりんごが一番！　

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